第35回目はジョンQー最後の決断ー
以降ネタバレ注意です。
2002年のアメリカ映画。
主演デンゼル・ワシントン。
主人公のジョンQは経済的に苦しい生活を送っていた。
正社員だった仕事もパートタイマーの様な扱いにされる。
そんな時、ジョンQの息子マイクが心臓発作で倒れた。
マイクには心臓移植が必要だった。
しかし、手術には高額な医療費が必要であり、しかも会社の都合で保険がグレードの低いものに変えられていて、心臓移植に対応していないというのだ。
ジョンQは家具などを売って、お金を用意したが、まるで足りず。
病院は強制退院させると言ってきた。
ジョンQは病院を占拠し、人質を取って息子の治療を要求する。
そこでジョンQがした最後の決断とは。
この映画はアメリカ社会における医療問題、保険問題を批判する内容となっている。
低所得者層が満足に医療を受けられない仕組みになっているようだ。
聞いた話によると、盲腸の手術に実費で500万円かかるそうらしい。
これでは私も盲腸で死なねばならなかっただろう。
日本では高額医療費制度などが整備されているので、よほどのことがなければなんとかなりそうだが、それでも心配は残る。
よくアメリカの選挙報道などで、保険問題を耳にするので、アメリカならではの深刻なストーリーなのだろう。
さらに問題なのははジョンQがとった短絡的な行動だ。
拳銃の問題もそうだが、貧富の差などや、学力の問題もあるだろう。
ジョンQの判断はあまり頭が良いとは言い難い。
しかし、この映画の良いところは登場人物がジョンQに協力的であることだ。
事情を知った野次馬もジョンQを応援している。
なんとなくアメリカらしい。
それならば切羽詰まった状況なので思いつかないのも仕方ないが、冷静に考えれば寄付を募ればなんとかなったのではないだろうか?
それは楽観的過ぎるだろうか?
やはりヤルしかないのだろうか?
そんな状況になって私はジョンQの様になれるのだろうか?
なれそうにないと思うのは私に子供がいないからだろうか?
私は怖い。
いざという時に命を掛けられない自分がいる。
批判を覚悟で言えば、私は臆病者で、自分の命が惜しい。
そして、それと同時にいざという時に、命を顧みない向こう見ずな自分がいることも知っている。
それはそれで、私は怖いのである。
ジョンQの様に人はなれるのか?
ジョンQは正しい事をしたのだろうか?
色々と考えさせられる映画です。
一度、観てみてください。