第34回目はファウンダー[ハンバーガー帝国のヒミツ]です。
2016年のアメリカ映画です。
さて、問題です。
マクドナルドは何屋さんでしょうか?
高校の時社会の先生が出題した問題だった。
「ハンバーガー屋さん」
普通はそう答えますよね。
正解は不動産屋さんだそうです。
真実はこの映画を観て確認して下さい。
主人公マイケル・キートン扮するレイ・クロックはミルクシェイク用ミキサーの販売を生業としていた。
売り上げはサッパリだったが、とあるドライブインから、大量の注文を受けた。
当時のドライブインといえば、ローラースケートを履いたウェイトレスがお客さんのクルマまで注文を取りに来て、商品を運んで来るのが一般的な様だが、
マクドナルドは現在のスタイルで、カウンターでオーダーすると直ぐに商品を受け取れるシステムをすでに実践していた。
このシステムに深く感銘を受けたレイは経営者のマクドナルド兄弟にフランチャイズを持ちかける。
マクドナルド兄弟はチェーン店展開には乗り気ではなかったが、レイの熱意に押されて、契約を交わしてしまった。
それが、元祖マクドナルドの不幸と現在のマクドナルドの栄光の始まりだった。
マクドナルド兄弟はメニューや材料にこだわりを持っていたが、レイは経営のためなら、多少の品質の劣化はいとわない。
様々な意見の相違が、やがてレイとマクドナルド兄弟の溝を深くしていく。
この映画は実話を元にしているので、高校時代に先生から聞いた話通りだった。
レイは悪党である。
マクドナルド兄弟の理念、信念を捻じ曲げ、売り上げのために品質を落としてしまった。
「こんな経営者の作ったハンバーガーなんて食えないよ」そう思ってしまう。
しかし、私は映画を観ているうちに、どっぷりとレイに共感してしまうのだ。
奥さんに対する仕打ちは許せないが、レイの経営者としての執念が私に高揚感を与えてくれる。
最近観た、どんなアクション映画や冒険映画よりもテンションが上がった。
ただのタチの悪い経営者なのだが、世界制服を企む様などんな悪役よりも魅力的だった。
実話ならではの後味の悪い結末も、受け入れてしまう。
それほどレイの悪党ぶりが小気味良いのだ。
気に入った。
私はこの映画を何回も観ることだろう。
マクドナルドを頬張りながら。