第29回目はもうひとりのシェイクスピアです。
*以降ネタバレ注意です。
2011年イギリス・ドイツ合作映画です。
シェイクスピアの作品なら映画や演劇で、
少し観たことがある。
映画なら「ロミオ+ジュリエット」と「ハムレット」くらいだろうか。
演劇はシェイクスピアの作品を大胆にアレンジしたものしか観たことがないな。
正当な演劇は観たことがない。
あとは、まぁあらすじくらいは知ってる程度だ。
しかしシェイクスピア本人については全く知らない。
この映画で初めて知るのだが。
実はシェイクスピアは実在しない説や、別人説があるらしい。
理由としてはいろいろあるのだけれど,
シェイクスピアの死後も作品が発表されたからだとか。
実在しない説は脚本家たちの共同ペンネームだったというもので、機動戦士ガンダムの原作者の矢立肇のようなものだ。
この映画ではシェイクスピア別人説のオックスフォード伯エドワード・ヴィアがその正体であるという説に基づいている。
シェイクスピアの作品は当時の政治批判が含まれていた。
宰相のウィリアム・セシルと息子のロバート・セシルを非難する内容だった。
事実はどうかわからないので、あくまで映画の中の話です。
エドワードは演劇などを禁忌としているピューリタンのセシルの養子であったため、隠れて戯曲を執筆していた。
最初はベン・ジョンソンという男に作品を預けて、ベン・ジョンソン名義で発表するように指示していた。
しかし、ベンがためらっていたので、ウィリアム・シェイクスピアが自分が書いたと名乗りを上げてしまった。
シェイクスピアの誕生である。
映画の本筋は別にあって、エリザベス女王の後継者問題にまつわるものだった。
セシル親子は後継者にスコットランド王ジェームズを擁立しようと画策していた。
一方エドワードはエリザベス女王の隠し子に王位を継承させたかった。
そのためセシル失脚を狙って、セシル批判の戯曲を発表し、民衆を味方につけようとしていたのだ。
しかし、シェイクスピアの存在が誤算を呼んで、思いがけない方向に進んでしまう。
史実は悲劇であり、救いようのない喜劇でもあった。
この映画は少々複雑で取っ付きは悪いかもしれない。
過去のシーンが度々入るのでややこしい。
話が進むにつれて理解はできるけど、やはり歴史的な知識がある程度あった方がスムーズに入れるんじゃないかと思いました。
エリザベス女王のことも宰相セシルのことも知らないし、当時の戦争のこともわからないので、何が起こっているのかよくわからないです。
それでも映画は面白いですが、歴史に詳しい人ならもっと面白いかもしれません。
作中の舞台のシーンも見どころだと思います。
この映画を観たら、ほかのシェイクスピア作品を観たくなります。
英国王室の映画も観たいです。
私は歴史上人物が活躍する映画は割と好きです。
実はこうだったとか、空想が膨らむような作品は面白い。
私はシェイクスピア別人説のエドワード正体説を支持したいと思います。