第129回目はハムレットです。
1996年のイギリス・アメリカ合作映画です。
*以降ネタバレ注意です。
シェイクスピア原作のハムレットをほぼ忠実に再現した映画です。
時代は19世紀に設定されているようです。
舞台はデンマーク。
先王の死の数ヶ月後、先王の弟クローディアスと先王の王妃ガートルードが結婚し、王位を継ぐ。
主人公は先王の王子、ハムレット。
ハムレットは城に先王の幽霊が出ると聞き、その存在を確かめに行く。
ハムレットは先王の幽霊に、弟であるクローディアスに毒殺されたと知らされる。
復讐を決意したハムレットは気狂いを演じて、クローディアスの犯行の証拠を得ようとする。
果たしてハムレットは父の仇を討つことができるのでしょうか。
という物語。
シェイクスピアが好きな方は是非観てみてください。
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私は正直なところ辛かったです。
何せ、4時間もあるんですよ。
原作のセリフをカットせずに再現したためにこの長さになったようですが、かなり長く感じました。
それにセリフも難しいので
「チョット、ナニイッテルカ、ワカラナイ」
と思うこともしばしばでした。
私は文学に通じているわけでもなく、チョットした見栄でハムレットを鑑賞してしまったので、非常に難解でした。
舞台演劇で観れば違った印象だったかもしれませんが、私の場合は字幕に追われてセリフを噛み砕くのに精一杯でした。
しかし、勉強にはなりました。
ハムレットのあらすじはザックリ知っているものの、細部や結末は知りませんでした。
シェイクスピアの四大悲劇に挙げられているそうですが、悲劇を通り越して悲惨の極地でした。
先ず、根本的な疑問ですが、クローディアスは本当に先王を毒殺したのでしょうか?
証拠はなく証言者は先王の幽霊です。
デギン・ザビが本当にジオン・ダイクンを暗殺したのかどうかくらい疑問です。
その後にも確たる証拠は出てきません。
ハムレットの一方的な印象だけで犯人扱いしてしまっています。
一方、ハムレットは気狂いを演じますが、あまり必要性を感じません。
むしろそのおかげで周りを不幸に追い込んでしまった印象があります。
王位を簒奪して、王妃を奪ったといわれるクローディアスですが、私には良い人に思えました。
私がお人好しで騙されているだけかもしれませんが、悪い人には思えませんでした。
王妃を妻にすることも宮廷事情ではあり得るような気がします。
一方のハムレットは気狂いを演じていると言っていますが、本当にヤバいヤツなのではないでしょうか。
クローディアスは最初の頃は自分の次はハムレットに王位を譲ると明言していました。
ハムレットが気狂いを演じてから、クローディアスはハムレットを暗殺しようとします。
私にはごく自然の流れに思えてなりません。
つまりはハムレットの狂言が招いたゆえの不幸でしかないのです。
もちろん父親を殺されて、母親を奪われたとあっては許せないという心情もわからないではないですが。
やはり復讐するにも証拠、もしくは証言が必要だと思います。
あえて言うならハムレットはアホです。
可哀想なのはヒロインのオフィーリア。
ハムレットの猿芝居に翻弄されて不幸のドン底です。
ハムレットとオフィーリアにはもっと美しい恋愛を期待していたのですが、最悪の展開です。
これを悲劇をだと言って涙を流すような気持ちには全くなれません。
むしろハムレットを懲らしめてやらねば気がすまないところです。
百歩譲ってクローディアスが黒だったとしてもハムレットのやり方が汚くて好きにはなれませんでした。
ロミオ+ジュリエットを鑑賞した時もロミオがアホだと思いましたが、シェイクスピアはアホが招いた悲劇が好きなのでしょうか。
若さゆえの情熱と過ちが涙を誘うのでしょうか。
これは悲劇としか言いようがありません。
チョット私は映画の見方を誤ってしまったかもしれませんが、見応えのある良い映画だったと思います。
果たしてクローディアスが悪なのか、
はたまたハムレットが愚かなのか
是非とも鑑賞して判決を下して欲しいです。
最後にシェイクスピアファンの皆様、
ごめんなさい。