第17回目は美味しんぼ-トンカツ慕情です。
出典wako-group.co.jp
*以降ネタバレ注意です。
我が家では2週間に一度はトンカツを食べに行く。
行きつけの店は「和幸」だ。
高級なトンカツ屋には行ったことはないが、私は和幸の味が好きだ。
ほかのトンカツ屋でも美味しい店はあるけどね。
近くのトンカツ屋が和幸で私はラッキーだ。
私にとって、トンカツというのは贅沢だったのだが、社会人になって手の届く贅沢となった。
繁華街に出掛けると、夕食代が高くつく。
しかし、トンカツならば1300円ほどで満足のいく美味しさが味わえる。
決して裕福ではない私には、手頃な贅沢なのだ。
私が学生の頃、誰かが言った。
「気兼ねなくトンカツが食べられるようになれば、人は幸せだ」
漫画の受け売りらしい。
私はトンカツを食べる度に、その言葉を思い出し、幸せになるのであった。
ふと、この言葉の出典はどこにあるのだろうと思い立ち、調べることにした。
おそらく、料理を主題にした漫画であろう。
そして、一発で見つかった。
「美味しんぼじゃねーか!」
美味しんぼの登場人物は大金持ちになっていたが、
求めていたのはのは貧しかった頃に
ご馳走になったトンカツの味だった。
決して高級ではない、こだわりのあるトンカツ屋さんだ。
そこの店主が貧乏学生に言うのだ。
「トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ。それが、人間えら過ぎもしない、貧乏過ぎもしない。ちょうどくらいってとこなんだよ」
残念ながら、私はそのちょうどくらいに、立ってしまっている。
この先、どんなにお金持ちになろうとも、和幸のトンカツを食べるよ。
幸せの記憶だからね。
トンカツは庶民でも味わえる贅沢なのだ。
それで言うと、映画観賞も贅沢な娯楽なのだ。
1800円で何億、何十億と予算を掛けた映画が観られるのだ。
お金持ちも、庶民も等しくだ。
そりゃ、お金持ちは映画館を貸し切ったり、自宅にホームシアターがあったりするかもしれないが。
感動の度合いは同じだと思う。
庶民の私としては、映画を観て、スーパー銭湯で温泉につかり、刺身付きの御膳でも食べられれば、極上の贅沢なのである。
今回はトンカツがメインで、美味しんぼを全話鑑賞したわけではなく、第35話トンカツ慕情を観ただけです。
料理や食材に関しては、誰もがなんらかの思い出があるものだと思います。
好き嫌いもあるだろうし、忘れられない味や、人生の転機に食べた料理など。
美味しんぼを観ると、そんな記憶が蘇ってくるし、また食べたくなる。
いつかまた、料理の思い出をメインに美味しんぼを語るかも知れない………クッキングパパかもしれない。