カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

シンプル・プラン

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第263回目は「シンプル・プラン」です。

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1998年のアメリカのサスペンス映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


「あ〜、どっかに大金が落ちてないかなー」

 


なんて、思うことはありませんか?

 


私はしょっちゅう思っています。

 


もし仮に、5億円拾ったとしたらどうしますか?

 


もちろん、私は交番に届けます。

 


3ヶ月、落とし主が現れなければ、5億円は私のものになるはずです。

 


もし、そんな大金が落ちているとしたら、十中八九汚いお金に違いありません。

 


すなわち、落とし主が名乗りをあげる可能性は低いと思われます。

 


万が一、落とし主が現れたとしても、1割の謝礼をもらう権利が発生します。

 


そこで、私は勇気を持って言うのです。

 


「2割ください」

 


2割くれるからどうかは分かりませんが、2割請求する権利があります。

 


そう言える強いメンタルを持っていようと常に心がけています。

 


ネコババするよりも、健全かつ確実と言えるでしょう。

 


さて、そんな夢のような話は置いといて、

 


この映画は440万ドル(約5億円)をネコババするというストーリーです。

 


物語は北アメリカの田舎町、ハンクは妊娠中の妻サラと貧しいながらも、真面目に生活を営んでいました。

 


ある日ハンクと兄のジェイコブと、その悪友ルーは父親の墓参りに行くことになります。

 


その帰り道、偶然にも森の中で、墜落した小型飛行機を発見してしまいました。

 


飛行機の中にはパイロットの死体と、440万ドルの大金が積んでありました。

 


ハンクは警察に届けることを提案しますが、ジェイコブとルーはネコババしたいと言います。

 


結局のところ、ハンクもネコババに同意することになり、440万ドルはハンクが隠すことになりました。

 


しかし、このことが3人の運命を狂わせることになるのでした。

 


果たして、3人の運命は?

 


440万ドルは誰のものに?

 


是非一度、観てみてください。

 


この映画は、落ちている大金を拾うというだけで、私にとってはかなりハマった作品です。

 


ハンクに共感するというか、

 


気持ち的には映画に入り込んで、話に参加している気分になりました。

 


かなり没頭していたと思います。

 


そうなってくると、マジで

 


「コイツらムカつく〜!」となってきました。

 


もう、約束は守れない、秘密は守れないで、絶対に共犯者にしてはいけない連中です。

 


そのことが、次から次へと不幸を呼び起こしてしまいます。

 


「お前たち本気でネコババする気あんのか?」とツッコミを入れたくなります。

 


ルーは金にガメツイし、ジェイコブは情緒不安定だし、ハンクは苦労しっぱなしです。

 


ルーはともかくとして、ジェイコブは兄なので、ハンクの苦悩は想像以上のものとなっています。

 


大金を手に入れたことで、3人の友情は亀裂が入りまくります。

 


正直、見ていられないくらいです。

 


そこまでなるくらいなら、大金なんて要らないと思います。

 


でも、ネコババしてしまったので、もう後には引けません。

 


泥沼にズブズブ入り込んでしまいます。

 


かなり精神的に追い込まれる残酷さがありました。

 


大金に目が眩んでしまった、気の毒な話です。

 


「悪銭身につかず」という言葉がありますが、正にそれでした。

 


もしも、私が友人にネコババ計画を持ちかけられても、必ず交番に届けようと決心しました。

 


ネコババの誘惑に負けそうな人は、是非観てみてください。

 


教訓になる映画です。

 


面白かったところは、ハンクの妻が1番ノリノリでネコババ計画にのめり込んでいたところでした。

 


やっぱり、大金を目の前にすると、目の色が変わっちゃうのでしょうか?

 

 

サイコ

 

 

第262回目は「サイコ」です。

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1960年のアメリカのサイコ・サスペンス映画です。

 


実は、私はあまり監督の良し悪しというのが判りません。

 


というのも、このブログを始めるまで、監督が誰か、ということを全く気にしてこなかったのです。

 


最近、ようやく監督の色というものが解ってきたところです。

 


徐々にではありますが、この監督は凄いなーなんて言えるようになってきました。

 


この作品はアルフレッッド・ヒッチコックの作品ですが、古いながらも中々の手腕を見せつけてくれました。

 


この時代に、サイコ映画の元祖的な映画を生み出したことには、敬意を表するところであります。

 


恥ずかしながら、ヒッチコック監督の作品は初鑑賞なのですが(厳密には「鳥」を薄っすら観た記憶があります)

 


なるほど、印象深い作品でございました。

 


基本的には私はモノクロ映画は観ないことにしているのですが、ヒッチコック監督であれば観てみたいような気がしてきました。

 


ちょっと古いので、観ようという気にならないかもしれませんが、せめて「サイコ」だけでも観てみてはいかがでしょうか?

 


サイコ映画の元祖として、観ても損のない映画だとお勧めしておきます。

 


物語はアリゾナ州フェニックスにある、とあるホテルの一室から始まります。

 


不動産屋で働くマリオンは恋人のサムと、昼休み中に逢い引きしていました。

 


サムは経済的な理由で、マリオンとの結婚を渋っていました。

 


その後、会社に戻ったマリオンは社長に現金4万ドル(約1500万円くらいか)を銀行に預けるように命令されます。

 


しかし、マリオンは4万ドルを持ち逃げしてしまいます。

 


しかし、それが悲劇の始まりとなったのです。

 


果たして、マリオンは逃げ切ることができるのでしょうか?

 


4万ドルの行方は?

 


是非、観てみてください。

 


いゃ〜、何が凄いって、ストーリー展開が斬新です。

 


今ではちょっとない、いや、他では見られないような衝撃的な展開です。

 


完全に二部構成となっています。

 


細部に至ってはマリオンの表情と心理描写が秀逸です。

 


途中で警察官に目をつけられますが、マリオンの動揺が伝わって来ます。

 


途中でマリオンが辿り着いたモーテルの経営者ノーマンとその母親ノーマのやりとりも怪しさが抜群で、気持ち悪くて良い味を出しています。

 


ノーマンは挙動不審だし、ノーマは神経質だし、マリオンは逃亡者だし、怪しさの三つ巴です。

 


この精神的な駆け引きも、見事に表現されていました。

 


後半は、サムとマリオンの妹のライラの話になるのですが、ここからは映画を観て下さいと言っておきましょう。

 


古い映画ですが、全然退屈ではありませんでした。

 


むしろ優秀な映画であったと思います。

 


さて、この映画は1998年にリメイクされていました。

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念のために、そちらも鑑賞してみました。

 


結果、非の打ち所の無い完璧なリメイク作品です。

 


同じ脚本、演出で忠実に再現していると言っても過言ではありません。

 


ヒッチコック監督にこだわりがなければ、リメイク版の方をお勧めしておきます。

 


カラーだし、流石に観やすいと思います。

 


全体的な印象的としては、わりとドキドキしたし、テンションは結構上がりました。

 


映画史に残る作品だと思うので、是非一度観てみてください。

 

 

それでもボクはやってない

第261回目は「それでもボクはやってない」です。

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2007年の日本の痴漢冤罪映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私たちの1番身近な犯罪は、痴漢ではないかと思います。

 


もっとも私は痴漢ではありませんし、痴漢に遭遇したこともありません。

 


しかし、年間300件近くの被害が報告されているらしいです。

 


実際には、明るみに出ていない被害者が、100倍か1000倍はいるような気がします。

 


女性にとっては恐ろしい事だと思います。

 


しかし、男性にとっても恐れなければならない事があります。

 


それが、痴漢冤罪です。

 


痴漢に間違えられると、そこで一巻の終わりです。

 


現在では痴漢冤罪に対して、多少は聞く耳を持っているような話を聞いたりしますが。

 


映画の公開当時では、痴漢に間違えられたら最後、必ず有罪になり、社会的に抹殺されてしまうのが決定的でした。

 


痴漢は女性はもちろん、男性にとっても恐怖の犯罪なのです。

 


自分はやってないから大丈夫なんて考えていたら、あれよあれよという間に痴漢にしたてあげられてしまいます。

 


無罪の証明をするのはかなり難しいようです。

 


また、有罪を証明することも難しいのですが、ほぼ被害者の申告だけで立証されてしまうようです。

 


最近では科学捜査で繊維や、皮脂成分を調べてくれるケースもあるようですが、本当にやってくれるか信じられません。

 


もしも、科学分析してくれなければアウトです。

 


もはや性犯罪者の仲間入りです。

 


痴漢に間違えられたら、逃げるしかありません。

 


私などは、電車では出来るだけ女性の側に立たないようにして、両手で吊り革を持つように用心しています。

 


この映画は痴漢冤罪で捕まってしまうと、どうなってしまうのか、ドキュメントチックに描いた作品です。

 


面白い作品というわけではないのですが、是非、冤罪で捕まった時の教科書として観ておいた方が良いと思います。

 


物語はフリーターの金子徹平が痴漢の容疑で逮捕されるところから始まります。

 


徹平は無実を主張しますが、警察は聞く耳を持ってくれません。

 


それどころか「私がやりました」という調書を勝手に刑事が書いてしまいます。

 


弁護士も無実の罪を認めて、示談にすることをすすめてきます。

 


検察にも信じてもらえず、絶対に有罪にしてやると言われます。

 


それでも無実を主張する徹平は拘留され、裁判で争うことになります。

 


果たして徹平は無実を勝ち取ることができるでしょうか?

 


是非、観てみてみてください。

 


この映画は面白いとは到底言えません。

 


しかし、抜群のリアリティを備えていると思います。

 


ようは実際に、冤罪で訴えられると、全く笑えないということです。

 


つまりもの凄く良く出来た映画なのです。

 


とにかく腹の立つ映画(いい意味で)です。

 


駅員、刑事、検察、裁判官、全てがムカつきます。

 


正直なところ、主人公の徹平にも腹が立ちます。

 


唯一の味方は弁護士だけです。

 


いや、家族や友人も無実を信じて、応援してくれています。

 


しかし、結局のところ弁護士頼みであることは間違いありません。

 


敵、敵、敵、敵だらけです。

 


こんなことは言いたくはありませんが、被害者の女性さえ敵に思えてしまいます。

 


裁判では嘘をつくと偽証罪にとわれるそうですが、嘘ばっかりです。

 


イライラがMAXですが、映画としては大成功だと思います。

 


かなりの感情移入をしていたように思います。

 


同時に冤罪の恐ろしさを感じずにはいられません。

 


恐ろしいのは裁判官や、検察、刑事が自分達のメンツのために、無実の者を有罪に追い込もうとしていることです。

 


これも私はリアリティのある話だと思っています。

 


つまり、やはり訴えられたら終わりなのだということだと思います。

 


冤罪で訴えられるとどうなるのか、どうするべきなのか、この映画が参考になると思います。

 


恐ろしい映画であり、恐ろしい現実です。

 


電車に乗る人ならば、是非一度観てほしいです。

 


最後に、私が遭遇した痴漢事件(?)について、書いておこうと思います。

 


ある日、そこそこに混雑している電車でのこと。

 


突然私の後方から、女性の悲鳴が聞こえました。

 


私は痴漢かと思い、人をかき分けて悲鳴の方に向かっていきました。

 


すると女性に抱きついている男性が目に入りました。

 


「オイ!」

私は男性の首根っこを掴みました。

 


ところが、同時に私の足元に松葉杖が転がっていることに気がつきました。

 


瞬時に状況を察した私は

「オイ!コッチにつかまれ!」

 


私は男性を女性から引き離し、抱き抱えました。

 


男性はめちゃくちゃ重かったです。

 


体力も腕力もない私はプルプルと震えながら、必死に抱きかかえていました。

 


介護職の人は優秀で尊敬に値します。

 


なんとか周囲の協力を得て、男性を優先座席に座らせることが出来ました。

 


私はなんとなく良いことをしたような気分になっていました。

 


しかし、ふと男性が本当は痴漢で、わざと女性に抱きついた可能性を否定できないでいました。

 


徹平は本当に痴漢ではないのでしょうか?

 


そんな疑念がないわけでもありません。

 


チカン!アカン!

 

 

 

 

 

オペラ座の怪人

 

 

 

第260回目は「オペラ座の怪人」です。

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2004年のアメリカ・イギリス合作のミュージカル映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


先週、劇団四季の「オペラ座の怪人」を観てきました。

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出典 劇団四季


妻が突然、思い立った様にチケットを取ってくれました。

 


久しぶりの劇場公演とあって、私は緊張してしまいました。

 


まあ、私は観る側なのですけど。

 


流石にミュージカルとなると、唯ならぬ緊張感が漂っている気がするのです。

 


席は後ろの方でしたが、圧巻の歌声と演技でございました。

 


移り変わるシーンの演出など、実に素晴らしかったです。

 


劇団四季の「オペラ座の怪人」は27年ぶりの2度目の鑑賞でした。

 


前回観た時よりもマイルドな印象がありました。

 


具体的に説明するのはむずかしいのすが、不気味さが軽減され、恋愛模様が強調されていた様な気がします。

 


まあ前回は27年前なので、なんとも言えませんけども。

 


とりあえず「オペラ座の怪人」は素晴らしいミュージカルなので、是非観に行っていただきたいです。

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さて今回観た映画は、そのミュージカル版「オペラ座の怪人」を映画化したものです。

 


原作を私は読んだことがないので、分かりませんが、ミュージカルの再現度は抜群です。

 


物語は19世紀後半のパリのオペラ座が舞台です。

 


新しい支配人が就任したある日、オペラ座では新作「ハンニバル」の稽古が行われていました。

 


プリマドンナのカルロッタが歌おうとすると、舞台装置である背景画が落下してきます。

 


実はオペラ座では、ここ数年不気味で不可解な事件が続発していました。

 


噂ではそれは怪人の仕業であるとのこと。

 


支配人の元に怪人から手紙が届きます。

 


「いつもの様に5番のボックス席は空けておく様に、給料の支払いもお忘れなく」

 


前の支配人は怪人に2万フラン(推定2,846万円)支払っていた様です。

 


嫌気がさしたカルロッタは舞台を降板してしまいます。

 


そこで代役に抜擢されたのが、クリスティーヌ・ダーエでした。

 


クリスティーヌは「音楽の天使」から秘密のレッスンを受けていました。

 


クリスティーヌは見事に代役を果たしました。

 


しかし、クリスティーヌの前に怪人が現れ……。

 


さて、怪人とは何者なのでしょうか?

 


クリスティーヌの運命は?

 


是非、観てみてください。

 


この映画は、私が今までに観た映画の中で最も美しい作品だと思っています。

 


登場人物、音楽、衣装、舞台美術、どれをとっても最高の美しさです。

 


まさに芸術の域に達しているといえるでしょう。

 


特に冒頭にオークションのシーンがあり、そこから過去に遡る演出があるのですが、素晴らしい映像になっています。

 


過去に無いくらいの衝撃を受けました。

 


また、オペラ座で演じられる「ハンニバル」などの劇中劇も見応え抜群です。

 


あと、TVCMでお馴染みの「マスカレード」のシーンも素晴らしい。

 


新年を祝うシーンだと思いますが、人が死んだり色々あったのにノンキな人たちです。

 


もう、こんなことなら怪人と共存した方が良いのではないでしょうか。

 


5番のボックス席さえ空けておけば、芝居の脚本は書いてくれるし、歌のレッスンもしてくれます。

 


ギャラは高額だけども。

 


ちょっと怖い座敷童子がいるくらいなものではないでしょうか。

 


多少ストーカー気質ではありますが、根は悪い人ではないと思います。

 


とは言え、事件を起こしてしまったらおしまいです。

 


いくら女に振られたからって、やって良いことと悪いことがあります。

 


きっと他人とのコミュニケーション不足が、怪人をそうさせてしまったのでしょう。

 


気の毒な話です。

 


かと言って、クリスティーヌに犠牲になれとも言えませんし、怪人の恋は報われなくても仕方ありません。

 


でもね、実は私は怪人は、そこまで可哀想だとは思っていないのです。

 


怪人の「顔」に関しては同情しますが。

 


オッサンが?娘のような年頃の女性に入れ上げて「萌え萌え」しているので、案外幸せなのではなかったでしょうか?

 


気持ちを切り替えて、次の「推しメン」を探せば良いのではないでしょうか?

 


そんな幸せなアイドルオタク人生が怪人に待っていることを祈っています。

 


というわけで、そんな怪人の愛と孤独を是非、観てあげて欲しいのです。

 


私にとっては満点の映画です。

 

 

 

レ・ミゼラブル

 

 

 

第259回目は「レ・ミゼラブル」です。

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2012年のイギリス・アメリカ合作のミュージカル映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


レ・ミゼラブル」を映画化したものは1998年版に次いで2本目となります。

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同じ原作なのでストーリーがほぼ同じでしたが

 


2012年版のほうがストーリー上、重要な人物や後半部分が補完されていてより完全な物語となっています。

 


そして、決定的に違うところは2012年版は、全編歌いっぱなしのミュージカル映画だったのです。

 


私は元々ミュージカル映画は苦手だったのです。

 


なんか突然歌い出したりして、ついていけませんでした。

 


現在では妻のお陰で、苦手意識を克服することができています。

 


むしろ、音楽の美しさを感じるようにもなってきました。

 


残念ながら舞台の「レ・ミゼラブル」は観たことがありません。

 


2017年から2019年の公演には観に行きたいという願望もありましたが。

 


なかなか私にはハードルが高くて行くことが出来ませんでした。

 


今回は映画なので、自宅でゆっくり観ることができるので、いつか舞台を観る予習も兼ねてじっくり鑑賞しようと思いました。

 


物語はパンを盗んだ罪で19年間服役しているジャン・バルジャンが主人公です。

 


ジャン・バルジャンは看守のジャベールから仮出所を言い渡されます。

 


出所したはいいものの、ジャン・バルジャンの身分証には危険人物と記されており、就職もままならない状態でした。

 


そしてジャン・バルジャンは仮出所中にもかかわらず、とある教会で盗みを働き、あっさり逮捕されてしまいます。

 


しかし、司祭はジャン・バルジャンを庇って見逃してくれました。

 


感銘を受けたジャン・バルジャンは心を入れ替えて、善人として生きる決心をします。

 


名前を変え、過去を隠して市長にまで出世したジャン・バルジャンですが

 


偶然、過去を知る人物ジャベールが、警察署長として赴任してきます。

 


果たしてジャン・バルジャンはジャベールから逃げ切れることができるのでしょうか?

 


是非一度、観てみてください。

 


物語はジャン・バルジャンが極悪人から、聖人の域に達するまでが描かれています。

 


原作通りではなく、ミュージカルの脚本が完全再現されているのです。

 


原作を私は読んだことがないので、原作との違いは分かりません。

 


ですが、おおむね子供の頃に聞いた「ああ無情」の話と合致している様に思いました。

 


今回は登場人物に、焦点を当てて話したいと思います。

 


まず、主人公のジャン・バルジャンです。

 


パンを一個盗んだだけで、19年間も服役したとジャン・バルジャンは主張していますが。

 


実は密猟の罪と併せて、5年の求刑だったそうです。

 


後に4回の脱獄をしたために、計19年間入ることとなったのです。

 


しかし、ジャン・バルジャンは「パン一個を盗んだだけで」と思い込んでいるのです。

 


本来は自業自得なのですが、世の中を歪んだ形で憎んでいます。

 


出所した後もすぐにその性格は変わらず、いくつかの出会いによって、良い方向へと導かれていきます。

 


その心境の変化が、この作品の醍醐味と言えるでしょう。

 


次は警察官のジャベールです。

 


ジャン・バルジャンを執拗に追いかけてくる嫌な奴という印象があるかもしれません。

 


しかし彼は仕事に対して忠実で、私から見ると一切悪いところは見られませんでした。

 


敵役というよりは影の主人公という存在です。

 


最終的には、私はジャベールは判断を誤ったと思っています。

 


情に流されず、仕事を全うして欲しかった。

 


そこも重要な見どころです。

 


3人目は前半のヒロイン、ファンテーヌです。

 


ファンテーヌは後にジャン・バルジャンが経営していた工場で働いている女性です。

 


ファンテーヌにはコゼットという娘がいます。

 


ところが未婚の母であったために、工場の仲間に迫害され追い出されてしまいます。

 


とんだブラック企業です。

 


しっかり経営しろよジャン・バルジャン

 


この物語で最も不幸な人物です。

 


ファンテーヌに比べたら、ジャン・バルジャンの不幸なんて屁の河童です。

 


客観的に見てもジャン・バルジャンに責任があると言わざるを得ません。

 


「ああ、無情」です。

 


4人目はファンテーヌの娘、コゼットです。

 


幼少期は母親と離れて暮らし、養父母のテナルディエ夫妻から、虐待を受けていました。

 


その後ジャン・バルジャンに引き取られます。

 


それからはコゼットにも、いろいろ言いたいこともあるかもしれませんが、幸せな人生であったようです。

 


ジャン・バルジャンはコゼットを幸せにすることで自らの幸福を手に入れたようです。

 


修道院育ちで男性に免疫がなく、惚れっぽいのが玉に瑕。

 


5人目はエポニーヌです。

 


エポニーヌはテナルディエ夫妻の娘で幼少期は裕福に暮らしていました。

 


ところが一転、テナルディエ夫妻は貧乏になり、エポニーヌはまるでコゼットと逆転したような暮らしになってしまいました。

 


ところが、良い子に育っています。

 


エポニーヌはコゼットと同じ男性に恋をしてしまいます。

 


しかし、健気に控えめな恋をします。

 


普通、ここはコゼットに意地悪を仕掛けるところだと思いますが、エポニーヌはいい子なのです。

 


そこがまた、不幸を醸し出しているのです。

 


後半のヒロインはコゼットではなくエポニーヌかもしれません。

 


最後はマリウスです。

 


マリウスはコゼットとエポニーヌから想いを寄せられるいい男です。

 


しかも実家は大金持ちで、弁護士であり革命家です。

 


世間知らずなお坊ちゃんという感じです。

 


なんでこんな奴の為に、命を賭けなければいけないのでしょうか?

 


ジャン・バルジャンにとって最大の試練です。

 


その苦悩が、この物語の最大の見どころかもしれません。

 


結局のところ、人間は人のために罪を犯したとして、それは裁かれるべきなのかという疑問にぶち当たってしまいます。

 


そう考えると、ジャベールの気持ちも分からなくもない気がします。

 


また誰かの幸せの為に、罪を受け入れなければいけないということなのでしょうか?

 


結構考えさせられる物語です。

 


19世紀のフランスの文化や事情が詳しければ、もっと面白いのかもしれません。

 


途中から革命が起こったりして、何事なのか戸惑ってしまいました。

 


なかなか激動のストーリー展開の映画です。

 


ミュージカルが好きな人は是非、観てみてください。

 

 

 

 

 

 

さまよう魂たち

 

 

第258回目は「さまよう魂たち」です。

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1996年のアメリカ・ニュージーランド合作のファンタジーホラー映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


お久しぶりです。

 


この映画は幽霊モノで、ちょっと子供の頃を思い出してしまいました。

 


突然ですが、皆さんは幽体離脱という体験をしたことがありますか?

 


私は小さい時に何度かあります。

 


厳密には幽体離脱をしているか確証はないので、幽体離脱をしている夢を見たことがある、というところです。

 


その夢の中では、私は空中にふわふわと浮いているのです。

 


自宅の屋根の上をただ浮いているだけでした。

 


そんな夢をちょくちょく見ていました。

 


ただ、それは普通のぼんやりした夢ではなく、かなりリアリティのある夢でした。

 


だんだん、それが幽体離脱というものではないかと、思うようになってきました。

 


もしそうならば、幽体となって自由に移動できるのではないかと考えました。

 


ある日、またもや幽体離脱の夢を見た私は、遠くへ移動しようと思いました。

 


その日は、いつもと違って屋根の上ではなく寝室の空中を漂っていました。

 


私の下には、眠っている私の実体が横たわっていました。

 


そして、驚くことに私の実体のそばに、謎の少年が座っていました。

 


少年は幽体の私に向かって言いました。

 


「コレが切れたら戻れなくなるよ」

 


少年が指差したものは幽体の私と実体の私を繋いでいるヒモのような物でした。

 


それを聞いた私はゾッとして目が覚めてしまいました。

 


当然、少年の姿はどこにもありませんでした。

 


私はうっすらと少年が死神であると思いました。

 


それ以来、幽体離脱の夢は見ていません。

 


厳密には中学生の頃に一度だけありますが、それはまたの機会に話しましょう。

 


とにかく、その手の夢は見なくなってしまいました。

 


残念なようなホッとしたような感じです。

 


さて、映画の方は幽霊がわんさか出てきますが、あまり怖くはありません。

 


どちらかと言うと、コメディタッチです。

 


でも後半は、結構盛り上がります。

 


物語はインチキ霊媒師のフランク・バニスターが主人公です。

 


フランクの住むフェアウォーターの町では謎の突然死が多発していました。

 


墓地で営業活動をするフランクを誰も相手にはしませんでした。

 


一方、ブラッドリー家では謎の心霊現象が起こり、娘のパトリシアが大怪我を負ってしまいました。

 


ブラッドリー家に往診に来た医師のルーシーは、パトリシアの治療のために病院に連れて行こうとしましたが、母親のブラッドリー夫人に阻まれてしまいました。

 


そして、ついにルーシーの家で心霊現象が起こります。

 


ルーシーはフランクに除霊の依頼をします。

 


果たして、フランクは除霊に成功するのでしょうか?

 


連続する謎の不審死の原因は?

 


過去にフェアウォーターで起こった事件との関係とは?

 


是非、観てみてください。

 


この映画は私的にはかなり面白かったです。

 


フランクがどのように幽霊と戦っていくかというところが見どころです。

 


過去の事件との関係を暴いたり、FBIにつけ狙われたりとサスペンス的な展開もあります。

 


そして後半の怒涛の展開には、私もギョッとしてしまいました。

 


ちょっと想像の上を行ってました。

 


あと、幽霊の表現が非常に優秀だったと思います。

 


最初から最後まで楽しませてくれます。

 


B級くさい映画ですが、なかなか凝っていて、見逃せない映画になっています。

 


ホラーっぽいですが、ファンタジー映画に分類されると思います。

 


ホラーが苦手な人でも、全然余裕で観ることができると思います。

 


出てくる敵がちょっと怖めなのですが、そこはもう迫力があるので、むしろ見ごたえを感じます。

 


登場人物や過去の因縁、ストーリーなどが見事に絡み合って、優秀な作品となっています。

 


是非、観て欲しいです。

 


主人公のフランクは、ある事件をきっかけに、幽霊が見えるようになってしまいました。

 


因みに私は幽霊を一度も見たことがありません。

 


もしも見えたとしたら、もの凄く怖いと思うのですが。

 


フランクのように、見え続けると慣れてしまうモノなのでしょうか?

 


実は、私はホラー映画は平気なのですが、幽霊とかの類は苦手なのです。

 


たまに霊感が強いと言う友人がいたりしますが、

 


「二度とそんな話するんじゃねぇ!」

 


と、威嚇しています。

 


だって、怖いんだもん。

 


この映画は全然怖くはありませんが、ふと子供の頃に見た死神を思い出してしまいました。

 


ま、夢の話ですけどね……。

 


ぶるるっ。

 


とにかく、映画の幽霊は怖くはありません。

 


むしろ、人間であるFBIのダマーズ捜査官の方がよっぽど怖かったです。

 


というわけで、幽霊に興味のある人は、是非観てみてください。

 


私のお気に入りの映画です。

 

 

クロコダイル・ダンディー

出典第257回目は「クロコダイル・ダンディー」です。

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1986年のオーストラリアのラブコメ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私は大きな勘違いをしていました。

 


クロコダイル・ダンディー」は「インディ・ジョーンズ」のような冒険ものだと思い込んでいたのです。

 


ガッカリこそはしませんでしたが、ちょっと拍子抜けしてしまいました。

 


「いや、冒険家せんのかーい!」

 


とツッコミを入れてしまうほど、全く冒険はしません。

 


クロコダイル・ダンディーは冒険家ではなく、オーストラリアの観光ガイドだったのです。

 


しかしながら、クロコダイル・ダンディーは飄々としていて、ワイルドでクールな男なのです。

 


なんなら、ちょっと私に似てなくも無いと思います。

 


インディ・ジョーンズにはなれなくても、クロコダイル・ダンディーにはなれそうな気がします(ウソです)

 


そんな身近に感じられるヒーローです。

 


物語はニューヨークの新聞記者スー・チャールトンがオーストラリアに旅立つところから始まります。

 


スーの目的はワニに襲われ、格闘し無事に生還した男、ミック・クロコダイル・ダンディーを取材することです。

 


実際に会ってみるとミックは多少ワイルドだけど普通の男でした。

 


スーはミックをガイドにオーストラリアの自然の中に探検に出かけます。

 


そこでミックの野生的な魅力を感じとったスーは、ミックをニューヨークに連れて帰ることにします。

 


自然育ちのミックは都会の光景に驚きつつも平然と馴染んでいきます。

 


果たしてミックとスーの関係はどうなっていくのでしょうか?

 


機会があれば、是非、観てみてください。

 


多少、盛り上がりには欠けるかもしれませんが、良いラブコメでした。

 


前半は都会者が田舎に来て四苦八苦、後半は田舎者が都会に出てきて一波乱という感じです。

 


前半はオーストラリアの自然が美しくて素敵です。

 


ミックがワイルドさを演出(インチキ)していて、面白いです。

 


またアボリジニの魔術(催眠術?)で動物を眠らせたりなどもするので、ミックの奥ゆかしさを感じます。

 


そのほかちょっとバトルもあるので、冒険ものと言えなくもないです。

 


ニューヨークに行ってからは、ラブコメ要素がメインです。

 


もう王道といった感じです。

 


スーの婚約者が出てきますが、ちょっと嫌な奴です。

 


大体こういう展開で出てくるヒロインの婚約者とか、恋人は嫌な奴ですね。

 


ミックを田舎者扱いしてしまいますが、ミックはヘッチャラです。

 


このメンタルの強さも見習いたいところです。

 


あと、ミックが出てくる敵を大体ワンパンチで倒してしまうところも爽快感があって良いとおもいました。

 


単純にミックが堂々としていてカッコイイと思いました。

 


正直、クロコダイル・ダンディーのようになりたいと思いました。

 


ちょっと古いかもしれませんが旅行とかラブコメが好きな人にはオススメだと思います。

 


ついでに「クロコダイル・ダンディー2」も観てみました。

 


1988年のオーストラリア制作の続編です。

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出典amazon.co.jp

 


今回は、前半がニューヨーク、後半がオーストラリアとなっています。

 


ストーリーもアメリカのアクションっぽい展開になっていて、前作よりは非日常的に仕上がっています。

 


割とテンポ良く話が進んでいきます。

 


クロコダイル・ダンディーが強すぎです。

 


この映画の良いところは、ミックが誰とでも仲良くなるところです。

 


ミックの魅力というか、映画のメッセージなのでしょうか。

 


人種、文化、国籍などを超越することの素晴らしさを告げているような気がします。