第260回目は「オペラ座の怪人」です。
*以降ネタバレ注意です。
出典 劇団四季
妻が突然、思い立った様にチケットを取ってくれました。
久しぶりの劇場公演とあって、私は緊張してしまいました。
まあ、私は観る側なのですけど。
流石にミュージカルとなると、唯ならぬ緊張感が漂っている気がするのです。
席は後ろの方でしたが、圧巻の歌声と演技でございました。
移り変わるシーンの演出など、実に素晴らしかったです。
劇団四季の「オペラ座の怪人」は27年ぶりの2度目の鑑賞でした。
前回観た時よりもマイルドな印象がありました。
具体的に説明するのはむずかしいのすが、不気味さが軽減され、恋愛模様が強調されていた様な気がします。
まあ前回は27年前なので、なんとも言えませんけども。
とりあえず「オペラ座の怪人」は素晴らしいミュージカルなので、是非観に行っていただきたいです。
さて今回観た映画は、そのミュージカル版「オペラ座の怪人」を映画化したものです。
原作を私は読んだことがないので、分かりませんが、ミュージカルの再現度は抜群です。
物語は19世紀後半のパリのオペラ座が舞台です。
新しい支配人が就任したある日、オペラ座では新作「ハンニバル」の稽古が行われていました。
プリマドンナのカルロッタが歌おうとすると、舞台装置である背景画が落下してきます。
実はオペラ座では、ここ数年不気味で不可解な事件が続発していました。
噂ではそれは怪人の仕業であるとのこと。
支配人の元に怪人から手紙が届きます。
「いつもの様に5番のボックス席は空けておく様に、給料の支払いもお忘れなく」
前の支配人は怪人に2万フラン(推定2,846万円)支払っていた様です。
嫌気がさしたカルロッタは舞台を降板してしまいます。
そこで代役に抜擢されたのが、クリスティーヌ・ダーエでした。
クリスティーヌは「音楽の天使」から秘密のレッスンを受けていました。
クリスティーヌは見事に代役を果たしました。
しかし、クリスティーヌの前に怪人が現れ……。
さて、怪人とは何者なのでしょうか?
クリスティーヌの運命は?
是非、観てみてください。
この映画は、私が今までに観た映画の中で最も美しい作品だと思っています。
登場人物、音楽、衣装、舞台美術、どれをとっても最高の美しさです。
まさに芸術の域に達しているといえるでしょう。
特に冒頭にオークションのシーンがあり、そこから過去に遡る演出があるのですが、素晴らしい映像になっています。
過去に無いくらいの衝撃を受けました。
また、オペラ座で演じられる「ハンニバル」などの劇中劇も見応え抜群です。
あと、TVCMでお馴染みの「マスカレード」のシーンも素晴らしい。
新年を祝うシーンだと思いますが、人が死んだり色々あったのにノンキな人たちです。
もう、こんなことなら怪人と共存した方が良いのではないでしょうか。
5番のボックス席さえ空けておけば、芝居の脚本は書いてくれるし、歌のレッスンもしてくれます。
ギャラは高額だけども。
ちょっと怖い座敷童子がいるくらいなものではないでしょうか。
多少ストーカー気質ではありますが、根は悪い人ではないと思います。
とは言え、事件を起こしてしまったらおしまいです。
いくら女に振られたからって、やって良いことと悪いことがあります。
きっと他人とのコミュニケーション不足が、怪人をそうさせてしまったのでしょう。
気の毒な話です。
かと言って、クリスティーヌに犠牲になれとも言えませんし、怪人の恋は報われなくても仕方ありません。
でもね、実は私は怪人は、そこまで可哀想だとは思っていないのです。
怪人の「顔」に関しては同情しますが。
オッサンが?娘のような年頃の女性に入れ上げて「萌え萌え」しているので、案外幸せなのではなかったでしょうか?
気持ちを切り替えて、次の「推しメン」を探せば良いのではないでしょうか?
そんな幸せなアイドルオタク人生が怪人に待っていることを祈っています。
というわけで、そんな怪人の愛と孤独を是非、観てあげて欲しいのです。
私にとっては満点の映画です。