第262回目は「サイコ」です。
1960年のアメリカのサイコ・サスペンス映画です。
実は、私はあまり監督の良し悪しというのが判りません。
というのも、このブログを始めるまで、監督が誰か、ということを全く気にしてこなかったのです。
最近、ようやく監督の色というものが解ってきたところです。
徐々にではありますが、この監督は凄いなーなんて言えるようになってきました。
この作品はアルフレッッド・ヒッチコックの作品ですが、古いながらも中々の手腕を見せつけてくれました。
この時代に、サイコ映画の元祖的な映画を生み出したことには、敬意を表するところであります。
恥ずかしながら、ヒッチコック監督の作品は初鑑賞なのですが(厳密には「鳥」を薄っすら観た記憶があります)
なるほど、印象深い作品でございました。
基本的には私はモノクロ映画は観ないことにしているのですが、ヒッチコック監督であれば観てみたいような気がしてきました。
ちょっと古いので、観ようという気にならないかもしれませんが、せめて「サイコ」だけでも観てみてはいかがでしょうか?
サイコ映画の元祖として、観ても損のない映画だとお勧めしておきます。
物語はアリゾナ州フェニックスにある、とあるホテルの一室から始まります。
不動産屋で働くマリオンは恋人のサムと、昼休み中に逢い引きしていました。
サムは経済的な理由で、マリオンとの結婚を渋っていました。
その後、会社に戻ったマリオンは社長に現金4万ドル(約1500万円くらいか)を銀行に預けるように命令されます。
しかし、マリオンは4万ドルを持ち逃げしてしまいます。
しかし、それが悲劇の始まりとなったのです。
果たして、マリオンは逃げ切ることができるのでしょうか?
4万ドルの行方は?
是非、観てみてください。
いゃ〜、何が凄いって、ストーリー展開が斬新です。
今ではちょっとない、いや、他では見られないような衝撃的な展開です。
完全に二部構成となっています。
細部に至ってはマリオンの表情と心理描写が秀逸です。
途中で警察官に目をつけられますが、マリオンの動揺が伝わって来ます。
途中でマリオンが辿り着いたモーテルの経営者ノーマンとその母親ノーマのやりとりも怪しさが抜群で、気持ち悪くて良い味を出しています。
ノーマンは挙動不審だし、ノーマは神経質だし、マリオンは逃亡者だし、怪しさの三つ巴です。
この精神的な駆け引きも、見事に表現されていました。
後半は、サムとマリオンの妹のライラの話になるのですが、ここからは映画を観て下さいと言っておきましょう。
古い映画ですが、全然退屈ではありませんでした。
むしろ優秀な映画であったと思います。
さて、この映画は1998年にリメイクされていました。
念のために、そちらも鑑賞してみました。
結果、非の打ち所の無い完璧なリメイク作品です。
同じ脚本、演出で忠実に再現していると言っても過言ではありません。
ヒッチコック監督にこだわりがなければ、リメイク版の方をお勧めしておきます。
カラーだし、流石に観やすいと思います。
全体的な印象的としては、わりとドキドキしたし、テンションは結構上がりました。
映画史に残る作品だと思うので、是非一度観てみてください。