カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

マスカレード・ホテル

 

 

 

第242回目は「マスカレード・ホテル」です。

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2019年の日本の推理映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


子供の頃のある日、学校の担任の先生が、こんな話をしてくれました。

 


「新宿にあるホテルの宿泊客で、1番多い名前は何か?」という問題です。

 


本当かどうか解りませんが、答えは

 


「新宿太郎」だそうです。

 


つまり、多くの人が偽名を使って宿泊しているというのです。

 


犯罪者なのか、お忍びなのかは解りませんが、何か理由があって正体を隠しているのでしょう。

 


その為、ホテルのフロントのカウンターの裏側は指名手配の写真が、ビッシリと並んでいるそうです。

 


私はこの話が凄く気に入ったので、よく周りの人にしていました。

 


オチが弱いので、カウンターの裏には指名手配の写真と、ショットガンがビッシリと並んでいるに変えて話していました。

 


なんとなく嘘っぽさが増しましたが、それでも「新宿太郎」の話は本当かもしれないと妙に納得していたような気がします。

 


さて、この映画は東京のホテルを舞台にした犯罪群像劇です。

 


物語はすでに、三つの連続殺人事件が発生した状態から始まります。

 


殺人現場には謎の暗号が残されていました。

 


ついでに言えば、暗号も解読された状況から物語は始まります。

 


暗号には次の犯行現場が記されていました。

 


次の犯行現場は「ホテル・コルテシア東京」です。

 


暗号を解読した主人公の新田浩介をはじめとする警視庁捜査一課はホテル・コルテシア東京に潜入捜査をすることになります。

 


新田はホテルのフロントマンとして配置されました。

 


新田の教育係として山岸尚美が任命されます。

 


新田と山岸は性格と信条が真逆ですが、犯人逮捕および、犯行を未然に防ぐために協力していきます。

 


果たして犯人は何者なのでしょうか?

 


犯人の標的は誰なのでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


この映画は私にとっては抜群に面白かったと思います。

 


とにかく登場人物が多くて、誰が犯人なのかなかなか判りません。

 


どいつもこいつも怪しい顔ばかりです。

 


客もホテルマンも刑事さえも怪しく思えてきます。

 


客は客で面倒くさい客ばっかりです。

 


この客……お客様たちを上手く捌いていくところが、この映画の面白いところでもあります。

 


接客業をなさっている方なら、共感を得るかもしれません。

 


人を疑うことが仕事の新田と、人を信じることが仕事の山岸は反発し合いながらも共闘していきます。

 


映画でよくありがちなシチュエーションかもしれませんが、非常に面白かったと思います。

 


そもそも、いつ起こるか解らない、まだ起こっていない事件で、警察が潜入捜査までするかは疑問ですが。

 


刑事がホテルマンに扮するというのは見事なアイデアだったと思います。

 


刑事ものとホテルもののハイブリッドな作品です。

 


面白くて良く出来た優秀な作品です。

 


実は私は推理ものは得意なのです。

 


簡単な作品なら動機やトリック、犯人を見破る自信があります。

 


私の個人的な見解では、犯人が最後の最後まで分からないというのは優秀な作品ではありません。

 


優秀な推理映画はヒントを少しずつ映像に混ぜてあるのです。

 


もちろん嘘のヒントもたくさん仕込んであります。

 


1番ベストなのは主人公が犯人を見抜く瞬間と視聴者が犯人を見抜くタイミングがシンクロした時だと思っています。

 


視聴者が随分と先に仕掛けを見破ってしまうと、退屈な作品になってしまいます。

 


ある程度、主人公と同レベルの推理状況を維持することが大切です。

 


ヒントがまるでなく、いきなり「犯人はコイツです」と言われても納得できない可能性があります。

 


確かに意外な人物が犯人だったりすると「ギョッ!」と驚きはしますが。

 


あと出しで、証拠をアレコレ並べられても「ふーん」とシラけてしまいます。

 


大事なのはドンデン返しではなく、ミスリードを誘うことなのです。

 


推理映画の醍醐味は視聴者が推理を楽しめることにあります。

 


なんて、偉そうに素人が推理映画について語ってみました。

 


実はこの映画も私にとっては一応、簡単な推理映画でした。

 


私としては自分の洞察力を自画自賛するところです。

 


ところが、怪しいやつが次から次へと出てくるもんで、確信を持てずにいました。

 


そして、不覚にも

 


「ギョッ!」っとなってしまいました。

 


とにかく、めちゃくちゃ驚いてしまいました。

 


私に「ギョッ!」と言わせるなんて、素晴らしい。

 


ただ単に私がマヌケだっただけかもしれません。

 


完全に不意打ちを喰らいました。

 


皆さんにも是非「ギョッ!」って言って欲しいです。

 


絶対にその「ギョッ!」は気持ち良いはずです。

 


これだから推理映画は面白い。

 


是非、観てみてください。

 

 

 

因みに、明石家さんまが隠れキャラとして出演しているので探してみてください。

 


私は全く気づきませんでした。

 

 

 

長崎は今日も雨だったり、晴れだったり

 

 

長崎に行って来ました。

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長崎と言えば、隠れキリシタン

 


隠れキリシタンと言えば映画「沈黙 -サイレンス-

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そんなわけで1日目は沈黙の舞台「トモギ村」のモデルとなった外海地区に行ってまいりました。

(映画の撮影は台湾で行われたそうです)

 


その日は天候が悪く長崎行きの飛行機が飛ぶのか飛ばないのか、なかなかはっきりしませんでした。

 


条件付きで飛び立ったものの、無事に長崎空港に到着できました。

 


空港のすぐそばにレンタカー店があるので、凄く便利です。

 


お昼前に到着したので、腹ごしらえをしようと長崎水産食堂へと向かいました。

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道中あちこちに桜が咲いており、長崎には一足先に春が来ているようでした。

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長崎水産食堂では特盛海鮮丼をいただきました。

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妻は刺身定食です。

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漁港にあるので、お魚が新鮮です。

 


ボリュームもあって満足でした。

 


さて食欲も満たされたところで、手始めに向かった先はカトリック黒崎教会です。

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1920年に建てられたレンガ造りの教会です。

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内部は撮影禁止なので、お見せできないのが残念です。

 


ほかに人がいなかったので、静かな時間を過ごせました。

 


続いて向かったのは遠藤周作文学館です。

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遠藤周作は映画「沈黙 -サイレンス-」の原作「沈黙」の作者です。

 


因みに、私は一度も読んだことはありません。

 


私の知識は映画の「沈黙」についてだけです。

 


個人のミュージアムなので、私にとってはめぼしいものはありませんでした。

 


遠藤周作ファンの人は是非、行ってみてください。

 


現地につくまで、天気はどん曇りで波は荒く、映画「沈黙 -サイレンス-」を彷彿とさせる絶好の拷問日和でした。

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ところが文学館を出た途端、晴れ間が現れました。

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なかなかに神々しい景色だったと思います。

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続いては出津教会にやってきました。

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黒崎教会とは違って、白い漆喰の教会です。

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西洋的な美しさと和風建築が融合した建物です。

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マリア像も美しいです。

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近隣には外海歴史民族資料館があります。

 


この地域に来ていたド・ロ神父の資料館もありました。

 


ここの職員さんが親切な方で、色々教えてくれて勉強になりました。

 


近くに遠藤周作「沈黙」の碑もありました。

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「人間がこんなに哀しいのに 

主よ 海があまりに碧いのです」

 


日も傾いてきたところで、稲佐山展望台へと向かいました。

 


なんでも長崎市世界新三大夜景に選ばれているそうです。

 


日が暮れるまで展望台のレストランで、コーヒーを飲んで時間を潰しました。

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夜景は山の斜面に灯が広がっていて綺麗でした。

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夕食は長崎サーロイン食堂でいただきました。

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こじんまりとした店ですが、とても美味しくて、良い店でした。

 


長崎での食事はかなり満足しました。

 


ホテルはANAクラウンプラザ長崎グラバーヒルです。

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眺望はイマイチでしたが、部屋は広くてゆったりくつろげる部屋でした。

 


2日目はホテルの近くにある大浦天主堂グラバー園を周ります。

 


ホテルから徒歩数分で大浦天主堂に着くので、ホテルの立地条件は最高です。

 


2日目は信じられないほど晴天でした。

 


大浦天主堂は和風のノートルダム寺院という印象でした。

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こちらは観光地化していて人がたくさんいました。

 


そういう経緯もあって、近くに大浦教会が建てられ、信者の方はそちらで礼拝しているそうです。

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グラバー園は意外と大きな敷地の庭園となっています。

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亀の上に亀…

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ありがたいことに動く歩道が施設されていました。

 


園内の喫茶店でランチをしました。

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窓から桜が見えました。

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これってイージス艦ですか?

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帰りは道々、お土産屋を覗きながらホテルへと帰りました。

 

ステンドグラスプリンです。

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途中の輸入雑貨店で、店主のおじさんが手品を見せてくれてラッキーでした。

 

何故か実弾キーホルダーを買いました。f:id:kazuma_kazama:20220331011146j:image

 

 

大浦天主堂がライトアップされているので写真だけ撮りに行きました。

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祈念坂
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夕食はホテルで軽く済ませました。

 


長崎ちゃんぽんやトルコライスに未練はありましたが、1日目に良いものを食べたので、食に対する欲求は満たされてしまっていたのです。

 


3日目は帰るだけなので、観光はなしです。

 


空港で食べた角煮まんが美味しかったです。

 


そんなこんなで長崎を満喫してまいりました。

 

 

 

 

 

 

フューリー

 

 

 

第241回目は「フューリー」です。

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2014年のアメリカ・イギリス合作の戦争映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


子供の頃、私は戦車が好きでした。

 


私のイメージでは戦車が「戦うお家」という感じに思っていました。

 


内部の構造が、そう思わせたのかもしれません。

 


あの狭い戦車内に弾薬庫があったり、操縦席があったり。

 


はたまた、外側には丸太を積んだり、ツルハシやシャベルが掛かっていたり、荷物を運んだりと、生活感を感じました。

 


もちろん、砲塔やキャタピラも魅力的です。

 


戦車に初めて興味を持ったのは、友人の誰かが持っていた戦車のラジコンだったと思います。

 


戦車は、なんと左右のキャタピラが前後逆に動いて、その場で回転できるのです。

 


その動きに私の心は奪われてしまいました。

 


あいにく私には、ラジコンを買うお金はなかったので、当時流行っていた「スーパーカー消しゴム」の戦車版を集めていました。

 


戦車にも色々種類がありまして、シャーマン、タイガー、ヘッツァー、ギガント、ゲパルト、レオパルド、エイブラムスなどが有名ではないでしょうか?

 


「戦車消しゴム」で持っていたのは他にもあったかもしれませんが、記憶に残っていません。

 


残念です。

 


戦車の魅力を言葉で語るのは難しいのですが、この映画を観れば全てが伝わります。

 


戦車がどのように戦い、どのように動くのか、バッチリ映像化されています。

 


これ程までに戦車をリアルに表現した映画は過去にはないと思います。

 


戦車に興味がある人は是非、観てみてください。

 


物語は1945年4月、第二次世界大戦中のドイツが舞台です。

 


連合軍側のドン・コリアーが車長を務める戦車「フューリー号」が主軸となっています。

 


フューリー号に欠員が出たため、人員が補充されますが、やってきたのは戦闘未経験で戦車にも初めて乗る新人のノーマン・エリソンでした。

 


そもそもノーマンはタイピストであり戦闘要員ではなかったのです。

 


ドンやフューリー号の乗組員はノーマンに厳しく当たります。

 


そして、怖気づくノーマンは重大なミスを犯してしまいます。

 


果たしてドンたちフューリー号は無事に任務を果たせるのでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


戦車戦も見どころながら、ドンとノーマンの師弟関係が最も重要な見どころになっています。

 


戦い方、殺し方、生き方などあらゆることを戦争を通じてノーマンに教え込みます。

 


多少、教え方に問題がありますが。

 


戦場で生き残るためにはやむを得ないでしょう。

 


超スパルタ教育です。

 


どこで役に立つかは解りませんが、私もドンの指導には感銘を受けました。

 


その他にも勉強になるシーンが満載です。

 


戦車の戦闘がどんなものか。

 


支配地の雰囲気。

 


支配地の民間人はどのように過ごしているのかなど、私の疑問に全て答えてくれる映画でした。

 


一点だけ疑問が残ると言えば、ドイツのタイガー戦車が単独で出てきます。

 


映像的には最強戦車タイガーの強さを見せつける最高のシチュエーションです。

 


戦車同士のドッグファイトはなかなか手に汗握る展開でした。

 


でも、戦車一台だけで行動するかな?

 


いや、結果的にドンたちも一台で行動してたので、あり得なくはないでしょうか。

 


野良タイガーは偶発的な遭遇戦だったのでしょう。

 


この映画の公開当時の謳い文句は「戦車一台VS歩兵300人」でした。

 


私の感覚では余裕で勝てそうな気がしました。

 


私も古い人間なので、戦車最強説を信じています。

 


最近の歩兵は携行型ミサイルを持っていたりして強いですが。

 


第二次世界大戦中なら、戦車の方が圧倒的に強いはずです。

 


ところが、

 


おっと、ここから先は映画を観てください。

 


戦争映画として、戦車映画として、かなり優秀な作品でした。

 

 

 

ハクソー・リッジ

 

 

 

第240回目は「ハクソー・リッジ」です。

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2016年のアメリカの戦争伝記映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


絶えず世界のどこかで戦争が起きているのだとは思いますが。

 


現在、大規模な侵略戦争がロシア・ウクライナ間で起こっています。

 


正直なところ、戦争なんて遠い世界の話だと思っていました。

 


もちろん、自分には全く関係がないと思っているわけではありません。

 


経済的影響や物価の高騰など、関わることもあると思います。

 


どこかで身近な人が命を落とす可能性だってあるでしょう。

 


今回はお隣の国でもあるし、他人事ではないような気がします。

 


多くのことは申しませんが、早く平和が訪れると良いなと思っています。

 


さて、この映画は太平洋戦争中の沖縄戦が舞台の実話となっております。

 


実は私は太平洋戦争を含む第二次世界大戦ものの映画は苦手なのです。

 


なんと言いますか狂気を感じますし、眼を背けたいと言う気持ちが勝ってしまいます。

 


中世の戦争でも中東戦争ベトナム戦争でも同じく人が死んだりするのですが、それはわりと大丈夫です。

 


おそらく、私の中では第二次世界大戦以外はファンタジーだと感じているのだと思います。

 


酷い言い方をすれば、私には関係ないと考えているのだと思います。

 


ぶっちゃけて言えば、太平洋戦争でさへ戦後生まれの私としては、無関係でいたいところですが。

 


心のどこかで、日本人の罪を背負っているような気がします。

 


全ての戦争や貧困を身近に感じることができれば良いと思うのですが。

 


私の心の中には残酷な境界線が敷かれているようです。

 


無関心は悪の温床です。

 


さて、物語は第二次世界大戦に参加したアメリカの衛生兵デズモンド・ドスの実体験を映画化したものです。

 


デズモンドはキリスト教の敬虔な信者でした。

 


第二次世界大戦が激化し、周りの人々や弟が出征していくのを、ただ見送っていました。

 


そして遂に、デズモンド自身も戦争に志願することを決意します。

 


ただし、衛生兵としてであり、決して銃を手にしないという信念を持っていました。

 


ところが当然、上官はそんなことを許すはずもなく、デズモンドに銃を取らせようとします。

 


頑なに拒否するデズモンドはイビリにシゴキにイジメに合います。

 


果たして、デズモンドは銃を取ってしまうのでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


良心的兵役拒否者という言葉をご存知でしょうか?

 


私も最近まで知らずに、何かの映画で知りました。

 


宗教などの理由で兵役を拒否する人のことです。

 


そもそも、そういう人は戦争には参加しないのですが、デズモンドは参加することを選んでしまいます。

 


戦場で救える命があるというのです。

 


しかも、自らは武装しないと言うのです。

 


これは尋常じゃない信念と精神の持ち主です。

 


武器があっても怖いのに、マルゴシで戦場に行けるでしょうか?

 


からしたら、そんな事情は知ったこっちゃないのです。

 


恐ろしい。

 


ハクソー・リッジとは、沖縄県の前田高地という所だそうです。

 


とんでもない激戦区だったそうです。

 


日本兵がエゲツなく怖いです。

 


まるで死を恐れていない様子です。

 


そんな日本兵が私は怖くてなりません。

 


そんな中デズモンドはたった1人で救助活動をします。

 


めちゃくちゃ緊張感のある恐ろしい映像になっています。

 


敵が日本兵なので、なんとも言えない心境ですが、デズモンドは応援したくなります。

 


1人、2人助けるだけでも大変なのに、100人近く助けらしいので驚異的です。

 


デズモンドは名誉勲章を授かったそうですが、私も表彰したい気持ちです。

 


敵とか味方とか関係なく、1人でも多くの人が助かったのであれば、それで良かったと思います。

 


しかし、戦争のことはよく解りませんが、ここまでして前田高地を攻略する価値があったのでしょうか?

 


守る側の日本が徹底抗戦するのは解りますが。

 


アメリカは海上封鎖と、せいぜい空港を破壊することで、無力化できなかったのでしょうか?

 


戦争はそんな甘っちょろいものではないのでしょうか?

 


個人的には太平洋戦争は無益な戦争だと思っているので非常に辛いです。

 


心情的にはオススメとは言い難いですが、歴史の1ページとして観てみても良いのではないかと思いました。

 


沖縄で起こったことを別の視点から見るということも重要な気がします。

 


戦争を肯定するわけではありませんが、衛生兵の皆さんには頑張って欲しいと思います。

 

 

 

ダヴィンチ・コード

 

 

第239回目は「ダヴィンチ・コード」です。

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2006年のアメリカのミステリー映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


カトリック教会を敵にまわすような問題作です。

 


キリストの聖遺物で「聖杯」というものをご存知でしょうか?

 


キリストの最期の晩餐に使用され、処刑された時にはキリストの血を受けたとされた杯です。

 


聖杯を手に入れた者は、神秘の力を手に入れることができるそうです。

 


というのは、ほぼ中世に作られた伝説です。

 


多くの騎士が聖杯を探し求めるという伝説や物語が数多く残されています。

 


確かに、最期の晩餐に使用されたコップはあるでしょうから、無いとは言えませんが。

 


神秘の力が備わっているかは疑問です。

 


この映画も聖杯を探す物語です。

 


そして、聖杯にはカトリック教会を転覆させる秘密が隠されているのです。

 


私も、かなりの衝撃を受けました。

 


めちゃくちゃ面白かったです。

 


キリスト教に詳しい人、レオナルド・ダヴィンチに詳しい人は必見の映画です。

 


しかし、よくこんな映画を作れたものです。

 


場合によっては反キリスト教として、批判されることでしょう。

 


恐ろしい目に遭うことになりそうな気がします。

 


ある種の仮説に過ぎませんが、キリストを冒涜していると、捉えかねられません。

 


キリスト教徒以外の人には、これのどこが問題なの?

 


ってなると思いますが、かなり突っ込んだヤバい作品です。

 


おそらく命がけでこの作品を制作したに違いありません。

 


そう思うと、是非この映画を観て欲しくてたまりません。

 


物語はルーブル美術館の館長であるソニエールが殺害されることから始まります。

 


事件を担当したファーシュ警部は、宗教象徴学の専門家ラングドン教授を殺人現場であるルーブル美術館に呼び寄せます。

 


そこにはソニエールが残したダイイングメッセージが残されていました。

 


そこに暗号解読官のソフィーが現れ、ラングドンにこっそりと秘密を話します。

 


実はファーシュ警部はラングドンを犯人と決めつけていると言うのです。

 


ラングドンとソフィーは逃亡を決意します。

 


ソニエールのダイイングメッセージの謎とは?

 


ラングドンの無実は晴らされるのでしょうか?

 


是非観てみてください。

 


この映画は非常に良くできていて、フィクションなのですが、私個人は史実認定しています。

 


そうであるに違いない、そうであって欲しい。

 


そういう願望が私の中に芽生えました。

 


聖杯伝説もこれで完結です。

 


これ以上の聖杯伝説はありません。

 


素晴らしい映画です。

 


と言ったものの、難点もいくつかあります。

 


予備知識がないと、少し話が難しいという点です。

 


そもそもイエス・キリストを知っていないと、何の話か解りません。

 


詳しくない人は前回紹介した「サン・オブ・ゴッド」を観てみてください。

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特にイエスに追従している弟子たち(使徒)たちに注目して観てください。

 


それで、もう大丈夫です。

 


あとは映画の中でザッと説明してくれます。

 


ダヴィンチの絵画も少し観ておいた方が楽しめるかもしれません。

 

特にダヴィンチの「最後の晩餐」は重要なキーアイテムとなっています。

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フランスが舞台なので、フランスが好きな人にもオススメです。

 


美術館や教会を巡るので、絵的にも見応えがあります。

 


数年前に、私たち夫婦もフランス旅行をしたことがあるので、思い入れのある作品です。

 


ところで、ルーブル美術館の前に、透明なピラミッドがあります。

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そのそばに地下に向かって逆ピラミッドになっている場所があります。

 

 

 

では、その地下に何があると思いますか?

 


実は……。

 


ショッピングモール(美術館のエントランス)になっているのです。

 


そして……。

 


ここからは、映画を楽しんで観てください。

 

 

 

サン・オブ・ゴッド

 

 

第238回目は「サン・オブ・ゴッド」です。

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2014年のアメリカの伝記映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


世界で最も有名な人物といえば、やはり「イエス・キリスト」ではないでしょうか。

 


私はキリスト教徒ではありませんが、子供の頃から知っていました。

 


というのも、子供の頃に「トンデラハウスの大冒険」というアニメが放送されていたので、それを毎週観ていたからです。

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トンデラハウスはタイムマシンで、子供たちがイエスの時代に行き、イエスと交流をするという物語でした。

 


もちろん当時の私はキリスト教のことなど、これっぽっちも知る由もないので、ただ単なるアニメとして観ていました。

 


やがて私はファンタジーにどっぷりハマり、ギリシャ神話の神々や勇者、怪物などに興味を持ち始めました。

 


そして行き着いた先が、聖書の「ヨハネの黙示録」でした。

 


その時点でも、私にとってはファンタジーの延長だったように思います。

 


また別ルートで映画の「天地創造」や「十戒」の延長上で、やはり聖書、すなわちキリスト教に行き着いてしまったのです。

 


エスに始まり、イエスに辿り着く。

 


アルファにしてオメガというわけです。

 


私にとって、イエス・キリストは宗教というよりもファンタジーの登場人物だったのです。

 


そして私の興味を神話から、歴史へと導いてくれた人物でもあります。

 


そんなイエス・キリストの人生の物語です。

 


新約聖書の実写版です。

 


物語は西暦30年頃のユダヤ人の国イスラエル

 


当時はローマ帝国支配下にありました。

 


ユダヤ人はローマの圧政に苦しんでいました。

 


そこに、フラリと現れたのがイエスです。

 


預言の救世主、神の子と呼ばれるイエスは弟子たちを集めエルサレムを目指します。

 


信者の数も膨大な人数に膨れ上がります。

 


エスがローマの圧政からユダヤを救うと信じていたからです。

 


しかしイエスを快く思わないユダヤ教の支配者たちは、イエスを陥れようと画策します。

 


ユダヤとローマの思惑がイエスの行手を阻みます。

 


果たしてイエスユダヤを救うことができるのでしょうか?

 


エスの運命は?

 


是非、観てみてください。

 


エスの伝記として、聖書の実写版として、非常によくできた作品だと思いました。

 


あまり宗教色が強くないところが良かったと思います。

 


なので、歴史ものとして観ることができます。

 


宗教が苦手な人にも安心です。

 


分かりやすく言うと、神様が出てきません。

 


2、3箇所、超常現象的な表現がありますが、そこは受け入れるか、目をつぶるかだと思います。

 


まあ聖書の通りなので、仕方ないですね。

 


エスが神の子なのか、超能力者なのか、私には判りませんが魅力的な人物であると思います。

 


公開当時はイエスがイケメン過ぎると批判する声もあったそうです。

 


確かにイケメンです。

 


でも、イメージはかなりイエスに近いものを感じました。

 


イメージが違うと言えば、聖母マリアがたくましい感じがしました。

 


聖母マリアと言えばもっと優しそうなイメージだと思うのですが。

 


芯の強そうな毅然とした凛々しい顔をしていました。

 


あとの登場人物は、ほぼほぼイメージ通りという感じでした。

 


イスカリオテのユダや、ポンティウス・ピラトなど再現度が高いと思います。

 


そして、マグダラのマリアの出番が驚くほど多かったのが意外でした。

 


その辺りも魅力的です。

 


後半はだいたい皆さんもご存知の展開なので、かなり痛々しいシーンが続きますが、歴史の1ページとして観てみて欲しいと思います。

 


さて、映画で聖書を引用したセリフや設定がよく出てきますよね。

 


西洋の歴史や映画を観るにあたっては、キリスト教について知っておいて損はないと思います。

 


歴史ものが好きな人にはオススメの映画でした。

 

 

 

12モンキーズ

出典Amazon.co.jp

 

 

第237回目は「12モンキーズ」です。

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1995年のアメリカのSF映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


今のご時世で、ウィルスものの映画が面白いと言うのは、はばかりがありますが、かなり面白い作品です。

 


ウィルスが蔓延して人類が滅ぶという映画は昔から沢山ありますが、この映画は特殊な感じがします。

 


ウィルスものでありながら、タイムトラベルものでもあるのです。

 


難解ではありませんが、かなり混乱する展開でした。

 


特に、頭のおかしな登場人物が多く登場し、主人公まで混乱しっぱなしなので。

 


観ている私まで頭がおかしくなりそうでした。

 


でも、後半で全てが繋がると、頭がシャキッとする感覚があります。

 


そこがなんだか快感だった様な気がしました。

 


ちょっと、とっつきが悪いですが、是非観て欲しい映画です。

 


物語の舞台は2035年の近未来のアメリカが舞台になっています。

 


1996にウィルスが蔓延し、50億人の人類が犠牲になった世界です。

 


主人公ジェームズ・コールはタイムマシンで、ウィルスをばら撒いた組織「12モンキーズ」の調査をするために1996年に送り込まれました。

 


ところが、なんの手違いか、たどり着いた時代は1990年でした。

 


コールは警察に逮捕され、精神病院に収監されてしまいます。

 


そこでコールは精神科医のキャサリン・ライリーと出逢います。

 


未来のことを語るコールですが、キャサリンは信じることができず、コールは妄想癖と診断されます。

 


一方で、同じく精神病院に入院しているジェフリー・ゴインズはコールの話に興味を持ちコールの脱走に協力します。

 


果たしてコールはウィルスを食い止めることができるのでしょうか?

 


12モンキーズ」の正体とは?

 


是非、観てみてください。

 


冒頭で人類が地下に避難して、地上は動物の楽園となった世界が描かれています。

 


コールはそこで、昆虫などのサンプルを採取する任務に当たっていました。

 


その後、コールは評価されてタイムトラベルの任務を与えられます。

 


よくよく考えたら、もっと他に適任者がいたのではないかと思います。

 


コールは犯罪者で、明らかに科学的知識や理性に欠けています。

 


タイムトラベルするには歴史改変を避けるとか、細心の注意が必要だと思われますが、全く過去の世界に順応できていません。

 


どう考えても人選ミスです。

 


記憶力が良いから、とかそういう問題ではないと思われます。

 


ちゃんとした科学者がタイムトラベルするべきだと思います。

 


少なくとも、送り先の時代に詳しい者が行くべきだと思います。

 


なぜ、そうしないのかという根拠もあります。

 


おそらくタイムマシンが不安定で正確な年代に人間を送ることが出来ないからです。

 


つまり実験段階であり、コールは実験用のモルモットであると考えられます。

 


どうやら、そういう人間をポンポン過去に送り込んでいる様です。

 


その人たちは予言者として痕跡を残してしまっています。

 


このタイムマシンはちょっと変わっていて、過去に送り込むには装置が必要です。

 


しかし、帰りは装置なしで、自動的に未来に帰ることができる様です。

 


不思議な気もしますが、そういう設定です。

 


また、映画「ターミネーター」ではスッポンポンで過去に送り込まれましたが、

 


12モンキーズ」のタイムマシンはパンツと雨ガッパの様な透明の服が持ち込み可能でした。

 


基本、手ぶらで送り込まれるのは変わりませんが、パンツはありがたいと思います。

 


まだまだ、改良の余地がありそうです。

 


訳もわからず展開する映画ですが、いきなりぶち込まれた精神病院のシーンは圧巻です。

 


特にジェフリーを演じるブラッド・ピットの演技が迫力満点です。

 


なんでもブラッド・ピットは役作りのために精神病院に体験入院をして精神患者の演技を身につけたそうです。

 


あまりにも凄すぎて、ブラッド・ピットは精神病院を退院させてもらえなかったそうです。

 


それくらい鬼気迫る演技でした。

 


コール演じるブルース・ウィルスも精神を病んでいく演技が凄まじい感じがしました。

 


他にもホームレスやら、頭のおかしい人物が出てきますが。

 


未来から来ておかしな事を言っているのか?

 


本当に頭のおかしな人なのか?全く判りません。

 


何が真実で、何が虚構なのか、延々と続きます。

 


観ている方も困惑すると思いますが。

 


後半で、線が繋がって来ると、もの凄くスッキリします。

 


そして、ラストにまたモヤモヤが襲って来ると思います。

 


この揺さぶられ方が、楽しいというか、クセになりそうです。

 


是非、皆さんにも味わって欲しいと思います。

 


タイムトラベルものやウィルスものが好きな人にはダブルでオススメです。

 


動物好きの人にもオススメです。

 


是非、観てみてください。

 


因みに、私はこの映画が大好きで、オススメの映画として、彼女(現妻)の母親に観せたのですが。

 


頭のおかしなヤツと思われたかもしれないと、後で不安になっていました。

 


映画自体は喜んで貰えましたけど……。