カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

TOO YOUNG TO DIE!

 

 

 

第222回目は「TOO  YOUNG TO DIE!」です。

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2016年の日本の地獄ロックコメディ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私の住んでいた実家の裏にはお寺がありました。

 


もっぱら私はそのお寺を遊び場としていたのです。

 


そこでよく住職の説法を聞いていました。

 


ところが、私は仏の話など、胡散臭いと思っていました。

 


釈迦が素晴らしいと言われても「そんなのは作り話で、アンタと同じ生臭坊主だよ」なんて言ってしまう罰当たりなお茶目な少年でした。

 


小さい頃の私は、ヤンチャで、いたずらっ子で、嘘つきで、怖いもの知らずでした。

 


趣味で公園や川の堤防に、落とし穴を掘りまくっている悪童でした。

 


そんな私でも、実はションベンをちびるほど恐いものがありました。

 


それが「地獄」です。

 


私は住職が極楽浄土の話をされても「見たことあんのかよ、ホラ吹いてんじゃねーぞ」と悪態をついていました。

 


ところが住職にされた「地獄」の話だけが私を捉えて離しませんでした。

 


特に見せられた「地獄絵図」には恐怖しかありませんでした。

 


私は一人で阿鼻叫喚地獄に迷い込んでしまいました。

 


「ヤダな〜こんなの大人が考えた作り話に決まってるじゃないか」

 


ちっちゃくプルプル震えながら、強がっていました。

 


しかし、内心は

 


「やべー、閻魔大王様に舌を抜かれるの決定じゃん」と思っていました。

 


迷信など信じない私でしたが、何故か「地獄」は信じ込んでしまいました。

 


私は閻魔大王様に舌を抜かれ、針の山を歩かされ釜茹でにされ、鬼に串刺しにされ、火でローストされ、鬼に喰われてしまうのです。

 


めちゃくちゃ恐ろしいです。

 


どうせ「地獄」に落ちるなら、1番楽そうな「血の池地獄」で勘弁して欲しいです。

 


私は余りの恐ろしさに、いかに「地獄を」脱出するかを考えていました。

 


一つは「蜘蛛の糸」です。

 


助けた蜘蛛が、天国から救出の糸を垂らしてくれるのです。

 


だから私は蜘蛛は殺しません。

 


家に迷い込んだ蜘蛛は外へ逃してやります。

 


「地獄で待ってるぜ!」

 


きっと私を救い出してくれるに違いありません。

 


もう一つは「輪廻転生」です。

 


いわゆる、生まれ変わりです。

 


詳しくはこの映画「TOO YOUNG TO DIE!」を観てください。

 


「地獄」から脱出するヒントになるかもしれません。

 


それでは

 

 

 

「地獄へようこそ!

マザ○○。。カ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」

 

 

 

物語は、とある高校の修学旅行中のバスが崖からの転落事故に遭うところから始まります。

 


不幸にも一人だけ地獄に落ちた関大助は、片想い同級生の手塚ひろ美の生死を知るために現世に戻ろうと努力します。

 


そこに現れたのは、赤鬼のキラーKです。

 


キラーKは地獄農業高校軽音部顧問で、地獄ロックバンド「地獄図」のヴォーカル兼ギターでした。

 


大助が転生するためには地獄のロックフェスで優勝するしかありません。

 


果たして大助は無事に転生できるのでしょうか?

 


そして、手塚ひろ美に想いを伝えることができるでしょうか?

 


是非観てみてください。

 


正直に言って、不謹慎な映画であり主題歌だと思います。

 


誰が地獄に落ちたとか、本当に不謹慎極まりない映画です。

 


しかし、内容は面白いし、主題歌も格好良いです。

 


設定も少々詰めが甘い気がしますが。

 


そこはコメディなので許容範囲だと思います。

 


楽しそうな地獄なので、ホッとします。

 


地獄でロックが聞けるなんて最高です。

 


転生するのにロックバトルが必要なんて馬鹿げていますが、最高に愉快でした。

 


とても良い感じにふざけた映画だと思います。

 


おふざけ映画ですが、音楽にかける情熱が伝わってきます。

 


音楽映画としても楽しめますし、そこそこに音楽で感動しました。

 


ずっと前にヘヴィメタルの帝王オジー・オズボーン

「オジーの歌を聞く奴は、地獄落ちるってって言うやつがいるが、だったら地獄は超満員だぜ!」

とライブで言っていましたことを思い出して、テンションが上がりました。

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やっぱりロックは最高です。

 


そして、大助の転生についても笑いあり感動ありで、申し分ない出来栄えだったと思います。

 


大助の生死感の変化に一喜一憂しながら、観ることができます。

 


俄然、大助の転生を応援したくなりますし、感情移入できれば「地獄から這い上がってやるぜー!」って気分になります。

 


とにかく、想いを告げられなかった大助の気持ちを思うと切なくなります。

 


コメディですが、かなり感動しました。

 


主人公が死んじゃってるので、身も蓋もない話ではありますが。

 


大助と手塚ひろ美の恋を応援したくなります。

 


生きるということの大切さを感じる映画です。

 


私も地獄に落ちたら、必ず這い上がってやろうと思いました。

 


もう地獄なんて怖くないぞ!

 


地獄が怖い人は是非、観てみてください。

 


ところで、全然違う話ですが、TV番組「水曜日のダウンタウン」で、芸人を落とし穴に落とし、そのまま6時間放置するという企画を放送していました。

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『落とし穴に落ちたのに一向にネタばらしが来ないまま日が暮れたら正気じゃいられない説』です。

 


落とされた芸人は、落とし穴が想定外のものであり、スタッフが気づいていないと思い込まされます。

 


落とし穴から這い上がれないように深さは3mと深めになっていました。

 


ちなみに、私が子供の頃に掘っていた落とし穴は30cmくらいなので、可愛いものです。

 


落とし穴にハマっても、ズッコケるくらいです。

 


その10倍の深さなのですから、スタッフの狂気を感じます。

 


基本的に悪趣味な企画なので、嫌悪感を感じる人もいるかもしれません。

 


私も同感です。

 


でも、話を続けます。

 


個別に五人の芸人が落とされるのですが、注目して欲しいのは、パンサー尾形です。

 


彼は知力と体力を駆使して、落とし穴からの脱出を試みるのです。

 


私は感動しました。

 


なんなら、どんな映画よりも感動しました。

 


生きる執念と情熱を感じました。

 


私もどんな苦境にあろうと、諦めずに必ず這い上がってやろうと決意しました。

 


私は地獄に落ちても這い上がってやろうと、再び誓ったのであります。

 


もし興味がありましたら、TVerで配信されていると思いますので、早めに観てみてください。

 


これも地獄の物語です。

 

 

 

奈良へ.‥(地獄の沙汰もコルナ次第)

 


お久しぶりです。

 


皆さんはコインリングというものを、ご存知でしょうか?

 


早い話が硬貨を指輪に加工した物なのです。

 


我が家には以前、フランスに旅行したときのユーロ硬貨が残っていたので。

 


それを指輪に加工しようか、などと妻と話していた所。

 


妻が、コインリングの手作り体験教室を見つけて来ました。

 


というわけで、奈良県にあるswing by というアクセサリーショップに行って参りました。

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基本はレザーとシルバー、そしてコインリングのアクセサリーショップでした。

 


到着した私たち夫婦は早速、リングに加工する硬貨を選びました。

 


コインはヨーロッパやアジアなど数十か国のものが用意されていました。

 


個人的にはギリシャドラクマかフランスのフランが良いかなと思っていたのですが。

 


結局のところ、チェコスロバキアのコルナに決めました。

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偶然にも、妻もコルナに決めていました。

 


気の合う夫婦です。

 


店員さんには、なぜチェコスロバキアにしたのか聞かれました。

 


妻がすかさず「行きたいから!」と答えていました。

 


本当にいつかはチェコに行ってみたいものです。

 


加工工程は簡単で。

 


コインの中心部を、ハンマーと専用工具で打ち抜きリング上にします。

 


そして金型に合わせて湾曲させリング状にしていきます。

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あとは指のサイズに合わせて、伸ばしたり縮めたりで完成です。

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なかなか力のいる作業だったので、女性は少ししんどいかもしれません。

 


ちなみに、くり抜いたコインの中心部はペンダントトップに加工して貰いました。

 


ペンダントはグリフォンがデザインされていて気に入っています。

 


もちろんリングも気に入りました。

 


なんてったって「LOVE」があるから。

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さて、コインリングを完成させた私たち夫婦は、店員さんのオススメのラーメン屋に向かうことにしました。

 


奈良県天理市はラーメンが有名なのだそうです。

 


というわけで「麺場 力皇」にやってきました。

 


「麺場 力皇」は元プロレスラーの力皇猛(プロレスラーの前は力士)が立ち上げたそうです。

 


私たちは「豚骨ラーメン全部乗せ」を食しました。

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かなり美味かったです。

 


スープ、麺に加えて、チャーシュー、煮卵、つくねの具材全てが美味い。

 


翌翌日に健康診断を控えていましたが、スープまで残さず完食してしまいました。

 


もし、天理市に行ったならば「麺場 力皇」をオススメしておきます。

 


さて、帰るまでに時間もありましたので、長岳寺というお寺に寄ってみました。

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詳しいことは知りませんが、弘法大師に縁のあるお寺だそうです。

 


現在は「大地獄絵図」が公開されていました。

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興味のある人は行ってみてください。

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丁度、紅葉が綺麗で、本殿の正面には静かな池があり地獄絵図とは反対の極楽浄土を思わせる雰囲気があります。

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猫もいました。

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そんなこんなで、奈良へと小さな旅行をしてまいりました。

 


しばらく出かけにくい世の中だったので、気分転換ができてよかったです。

鍵泥棒のメソッド

 

 

第221回目は「鍵泥棒のメソッド」です。

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2012年の日本のヒューマンドラマ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私はこの映画の存在を全然知りませんでしたが、友人の勧めで鑑賞することにしました。

 


結論から言うと、かなり面白い作品だったと思います。

 


この作品はかなり有名なようで、韓国や中国でリメイクされているそうです。

 


まだまだ私の知らない名作があるのだから、邦画も捨てたモンじゃないですね。

 


この作品はなかなか良くできた優秀な脚本だったと思います。

 


細かい所まで設定が行き届いていて、観賞後は結構スッキリしました。

 


逆に設定が緻密過ぎて、私はあるトリックを見破ってしまいました(自画自賛)

 


私の推理力も捨てたモンじゃないと思います(ご満悦)

 


もっとも、それは優秀な演出と脚本のおかげです。

 


平たく言えば、匂わせ過ぎです。

 


そんなこんなで、かなりの満足感を得られました。

 


物語は3人の無関係な人間が、ある事件(事故)をキッカケに絡まって行くというストーリーです。

 


一人目は水嶋香苗。

 


香苗は几帳面で計画先行型の雑誌編集者です。

 


まだ相手もいませんが、ある期日までに結婚することを決めました。

 


二人目は近藤。

 


近藤は凄腕の殺し屋で、綿密な計画と緻密な犯行で、裏社会では有名でした。

 


三人目は桜井武史。

 


桜井は売れない役者です。

 


計画性もなく、お金も底をついてしまいました。

 


ある日、近藤は仕事の帰りに銭湯に立ち寄りました。

 


脱衣所で偶然、桜井と隣り合わせになります。

 


桜井は着替え中、近藤の分厚い財布に目を止めました。

 


そして近藤は風呂場に入るなり石鹸で、足を滑らせ、頭を打ち気絶してしまいます。

 


桜井は意識を失った近藤のロッカーの鍵を自分の鍵とすり替えます。

 


近藤の衣服や財布を盗み、近藤の車で桜井は逃走します。

 


一方、近藤は転んだショックで記憶を失ってしまいました。

 


ロッカーの荷物から、近藤は桜井武史であると勘違いされてしまいます。

 


こうして二人は生活を入れ替えることになってしまいました。

 


果たして、三人の運命は一体どうなってしまうのでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


基本はコメディです。

 


最後の最後まで面白かったです。

 


何気ないシーンが後半で活きてくるところが、なかなか秀逸だと思います。

 


設定に無駄がなく計算されていて、非常に感心してしまいました。

 


香苗の天然さも面白いし。

 


序盤の近藤の殺しのテクニックにも圧倒されます。

 


そして、まんまと近藤の大金をせしめた桜井のいい加減さ、計画性のなさにハラハラします。

 


ストーリー上で重要なのが、「メソッド」の部分です。

 


「メソッド」すなわち演技のことですが。

 


お互いの役を取り替えることになった近藤と桜井は、否応なく芝居を演じることになります。

 


人間は誰しも自然に演技や芝居をしているようにも思えます。

 


あるいは芝居=嘘ということも成立するでしょう。

 


自分らしく生きることも、時には芝居がかった瞬間があるような気がします。

 


私は普段からキザなセリフを言うことを心がけているので、常に芝居くさいです。

 


物語の中でどこが芝居で何が嘘なのか推理しながら観ると楽しいかもしれません。

 


演劇の好きな人は、わりと共感を得られるのではないでしょうか。

 


なかなかスリリングで、見応えがありました。

 

 

 

GODZILLA(2014)

 

 

第220回目はGODZILLA(2014)です。

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2014年のハリウッド版ゴジラ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


非常に遺憾であります。

 


なかなか評価が難しく、あまり出来の良い作品とは言えませんでした。

 


しかし、一人のゴジラファンとして語らなければならないと感じた次第です。

 


もちろん良いところも有ります。

 


ゴジラなど怪獣は生物的で、動きに躍動感があります。

 


破壊された建物の崩壊具合もリアリティがあって見栄えが抜群です。

 


あとはねー……。

 


とにかく映像的には綺麗で、申し分ない出来でした。

 


ただ、ストーリー部分が弱い感じがします。

 


物語は1999年、フィリピンの石炭採掘場から始まります。

 


崩落事故の調査に訪れた芹沢博士は恐竜の化石と巨大な卵を発見します。

 


一方、日本では巨大な地震により原子力発電所が倒壊する事故が発生していました。

 


それから、15年後。

 


閉鎖隔離された原子力発電所に隠された秘密とフィリピンの事故が繋がります。

 


果たして原子力発電所の秘密とは?

 


卵の正体は?

 


是非一度みてみてください。

 


とは、言ったものの。

 


正直、私はゴジラファン以外にはオススメしません。

 


逆にゴジラファンには絶対観て欲しいのです。

 


いかに、この作品がゴジラ的ではないのかということを確認して欲しいのです。

 


あくまで、ここからの話は私の個人的な見解です。

 


普通に観れば普通に楽しい映画だとは思います。

 


さて、

 


ゴジラ映画とは核兵器放射能の恐ろしさを伝えるというのが根底にあります。

 


その分、ゴジラや怪獣は核兵器の化身として恐ろしくなければなりません。

 


ゴジラはヒーローであってはいけないのです。

 


とは言え、昭和ゴジラも後半はヒーロー化していたので、私がめくじらを立てるのもおかしな話なんですけども。

 


問題は1954年のビキニ環礁の水爆実験を正当化していることや、米軍が安易に核兵器を使用するところにあります。

 


ゴジラ映画とは反核映画であるべきだと個人的には思っています。

 


しかし、これでは真逆な感じがします。

 


もちろん、これは私が受けた印象であって、穿った見方をしていると言えなくもないです。

 


その点を気にしなければ、まあまあ面白い映画だったと思います。

 


ここから、もう少しネタバレですが、この作品には、ゴジラ以外にムートーという怪獣が出てきます。

 


私はこの映画のタイトルが「ゴジラVSムートー」だったら素直に受け入れられたかもしれません。

 


本筋のほとんどがムートーの話です。

 


ゴジラはどちらかというと脇に配置されています。

 


その為、ゴジラについての解説が少な過ぎます。

 


話の流れでゴジラとムートーが天敵同士なのはわかりますが。

 


ゴジラとムートーが戦う理由としては弱いと思います。

 


明らかにゴジラをヒーローに仕立て上げようとしています。

 


いかにも商業的というか、アメリカ的な感じもしました。

 


ゴジラをシリーズ化するためにも必要な措置だったのでしょう。

 


出番は少ないものもゴジラの格好良さは伝わったと思います。

 


1番印象に残ったのは芹沢博士役の渡辺謙でした。

 


主役ではありませんが、ほぼ主役と言っても良いでしょう。

 


あとムートーのデザインも良かったと思います。

 


昆虫タイプの怪獣は特撮では上手く表現できないのですが。

 


さすがハリウッドです。

 


見事な生物感です。

 


そんなこんなで私の中で評価が半々の作品でした。

 


どちらかと言うと1994年のハリウッド版ゴジラの方が面白かったように思います。

 


この作品は昭和ゴジラの怪獣プロレスをリブートしたと考えれば納得のいく仕上がりだと思います。

 


今後の続編がなんだかんだで、楽しみです。

 


是非ゴジラファンには観て欲しいです。

 

 

シン・ゴジラ

 

 

第219回目は「シン・ゴジラ」です。

 

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2016年の日本の特撮怪獣映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


実は、私は「シン・ゴジラ」を観る前は完全に拒絶していました。

 


シン・ゴジラ」のビジュアルを見た瞬間に不快感に襲われました。

 


「なんだよ、この病気みたいなゴジラはよ〜」

 


そんなふうに思っていました。

 


監督が庵野秀明というのも、どうかと思っていました。

 


なんか、エヴァっぽい何かを観せられそうな気がして嫌な気持ちになっていました。

 


ところが、実際に観てみると。

 


めちゃくちゃ面白かったです。

 


正直なところ、ゴジラ映画の中でも最高の作品です。

 


邦画としてもトップクラスに含まれるのではないでしょうか。

 


私は完全に庵野秀明監督をみくびっていました。

 


素晴らしかったです。

 


すでに私は20回ほど鑑賞してしまいました。

 


何度も観れるし、飽きないですね。

 


ゴジラファンにはもちろん、ゴジラを観たことがない人にもオススメです。

 


さて、物語は東京湾の海中で水蒸気爆発が起こるところから始まります。

 


政府は海底火山の噴火によるものと推測するが。

 


内閣官房副長官矢口蘭堂は目撃証言による未知の巨大生物の存在を主張する。

 


政府は矢口の言葉に耳を貸さなかったが、直ぐにテレビ中継で巨大生物の尻尾らしき物が報道される。

 


政府は巨大生物の対策に追われ、矢口は対策の責任者となる。

 


果たして巨大生物の正体とは(まあ、ゴジラなんだけど)?

 


矢口は巨大生物から日本を護れるのでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


ゴジラファンあるいは特撮ファンには、たまらない作品になっていると思います。

 


印象としては初代「ゴジラ」及び1984年版「ゴジラ」をミックスしたような作品です。

 


それだけにゴジラの良いとこ取りをした作品と言えなくもないです。

 


良いところと言えば、まずゴジラです。

 


あんなに嫌だったゴジラも、観賞後は美しささえ感じるようになりました。

 


作中でゴジラが成長するのですが、そこがまた面白いのです。

 


例えば第二形態のゴジラ(通称蒲田くん)ですが、まるで魚類の様な水棲生物という感じです。

 


最初は気持ち悪かったですが、今は可愛いとさえ思っています。

 


瞬時に成長進化するゴジラという設定は新しいと思いました。

 


成体のゴジラは歴代ゴジラの中でも最強の攻撃力を誇っています。

 


一番の見どころと言うべき火炎放射のシーンは度肝を抜かれました。

 


そして、恐ろしくも美しい。

 


最強のゴジラです。

 


でも、防御力は最低の部類に入ります。

 


ただし、適応能力と言いますか、進化のスピードが恐ろしいです。

 


ゴジラファン必見です。

 


続いてドラマパートですが、登場人物が凝っています。

 


メインキャストからチョイ役まで、名だたる顔触れが揃っています。

 


ちょっと頼りないけど決断力のある総理大臣や、自衛隊出動にノリノリな防衛大臣など魅力がいっぱいです。

 


政治家の討論シーンが半分くらいを占めていますが、早口でテンポよく進んで退屈しません。

 


この映画はゴジラ対日本政府なのです。

 


政府がいかにゴジラに対応するかが、描かれています。

 


ある意味、リアリティを感じました。

 


もちろん自衛隊も活躍します。

 


この映画の自衛隊はかなり強そうです。

 


そしてかなりカッコ良く描かれています。

 


自衛隊ファンや政治ファンにも見応えがあると思います。

 


凄い映画です。

 


さて、私的には大絶賛だったのですが、それだけに惜しいシーンがいくつかありました。

 


そんなに気にするほどではないのですが、言ってしまいたいと思います。

 


まず、CGが少し変。

 


特に後半の電車の挙動が変な気がします。

 


単に私の知識不足かもしれませんが。

 


そんなふうに動くか疑問です。

 


まあ、些細なことです。

 


それよりも重要なことはヒロインが石原さとみだということです。

 


いや、石原さとみが悪いわけでも下手なわけでもありません。

 


ただ、可愛い過ぎるだけです。

 


もし、石原さとみの役を真木よう子か、吉瀬美智子が演じていれば、この映画はもっと完成された映画になったような気がします。

 


ただし、その場合は笑うところがないと言いますか、気を抜くところが無い映画になってしまったかもしれません。

 


石原さとみで正解だったのかもしれません。

 


まあ、これに関しては私の個人的な趣味の話です。

 


美しさは罪ですな。

 


それ以外は完璧だったと思います。

 


正直「シン・ゴジラ」を超えるゴジラは今後、現れない様な気がします。

 


まだ、観ていない人は是非、観てみて下さい。

 

 

 

火花

 

 

218回目は「火花」です。

 

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2017年の日本のヒューマンドラマ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


お笑い芸人ピースの又吉直樹が書いた小説の映画化です。

 


実は私は、お笑い芸人を尊敬しています。

 


彼らは脚本家であり、演出家であり、監督であり、演者なのです。

 


4、5分のショーではありますが、より完成度が求められていると思います。

 


私はある種の美しさを、漫才やコントに求めてしまっています。

 


言い換えれば私はお笑いを芸術だと思っています。

 


もちろん面白いお笑い芸人がいれば、面白くない芸人もいます。

 


何様のつもりか解りませんが、私のお笑い芸人を見る目はとてつもなく厳しくなってしまいました。

 


そうこうしているうちに私はお笑いで、笑えなくなっていました。

 


笑えなくなった原因はもう一つあります。

 


私は大笑いすると、ゲロを吐いてしまうのです。

 


大笑いを我慢している間に、笑えなくなってしまったのです。

 


それでもお笑いを楽しんでいます。

 


漫才一本は映画一本に匹敵すると考えています。

 


さて、この映画はそんなお笑い芸人の人生を描いた作品です。

 


物語は熱海の花火大会から始まります。

 


お笑いコンビ「スパークス」の徳永は花火大会の地方営業に来ていました。

 


しかし「スパークス」は全くウケませんでした。

 


「仇とったるわ」と次に登場したのはお笑いコンビの「あほんだら」

 


徳永は「あほんだら」の神谷の情熱に心打たれて、弟子入りを申し出ます。

 


晴れて神谷の弟子となった徳永ですが、お笑い芸人の道は厳しく、様々な葛藤にさいなまれます。

 


果たして徳永はお笑い芸人として成功するでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


久々に感動しました。

 


売れないお笑い芸人の心情を見事に描いていたと思います。

 


監督もお笑い芸人の板尾創路なので、リアリティがあったのかもしれません。

 


自分の芸風を守るか、芸風を曲げてウケを狙うか。

 


芸人ならではの葛藤が見事に描かれていたと思います。

 


夢に賭ける情熱も感じ取れました。

 


私たちがテレビで見るお笑い芸人はほんのひと握りで、華やかな一面だけなのでしょう。

 


大輪の花火を上げる者もいれば、線香花火のような芸人もいます。中には火もつかないような湿気った芸人もいるでしょう。

 


大半がお笑い芸人だけでは食えない状況だと聞いたことがあります。

 


それでも続けているなんて、凄いことだと思います。

 


感動した要因にはもう一つ理由があります。

 


私の古い友人がお笑い芸人をやっています。

 


幼稚園から中学まで一緒でした。

 


彼をテレビで見たのは20年以上前に2回だけです。

 


多分、ほとんど誰も知らないような無名の芸人です。

 


それでも、ずっと芸人を続けているので、私は密かに尊敬しています。

 


「火花」を観ていると、そんな彼を思い出します。

 


今日も何処かで誰かが、夢に向かって火花を散らしているのでしょう。

 


私はどちらかというと、怖くて火が着けられない臆病者です。

 


だからこそ、憧れてしまうのかもしれません。

 


お笑い芸人が好きな人には、是非とも観て欲しい映画です。