第219回目は「シン・ゴジラ」です。
2016年の日本の特撮怪獣映画です。
*以降ネタバレ注意です。
実は、私は「シン・ゴジラ」を観る前は完全に拒絶していました。
「シン・ゴジラ」のビジュアルを見た瞬間に不快感に襲われました。
「なんだよ、この病気みたいなゴジラはよ〜」
そんなふうに思っていました。
監督が庵野秀明というのも、どうかと思っていました。
なんか、エヴァっぽい何かを観せられそうな気がして嫌な気持ちになっていました。
ところが、実際に観てみると。
めちゃくちゃ面白かったです。
正直なところ、ゴジラ映画の中でも最高の作品です。
邦画としてもトップクラスに含まれるのではないでしょうか。
私は完全に庵野秀明監督をみくびっていました。
素晴らしかったです。
すでに私は20回ほど鑑賞してしまいました。
何度も観れるし、飽きないですね。
ゴジラファンにはもちろん、ゴジラを観たことがない人にもオススメです。
さて、物語は東京湾の海中で水蒸気爆発が起こるところから始まります。
政府は海底火山の噴火によるものと推測するが。
内閣官房副長官の矢口蘭堂は目撃証言による未知の巨大生物の存在を主張する。
政府は矢口の言葉に耳を貸さなかったが、直ぐにテレビ中継で巨大生物の尻尾らしき物が報道される。
政府は巨大生物の対策に追われ、矢口は対策の責任者となる。
果たして巨大生物の正体とは(まあ、ゴジラなんだけど)?
矢口は巨大生物から日本を護れるのでしょうか?
是非、観てみてください。
ゴジラファンあるいは特撮ファンには、たまらない作品になっていると思います。
印象としては初代「ゴジラ」及び1984年版「ゴジラ」をミックスしたような作品です。
それだけにゴジラの良いとこ取りをした作品と言えなくもないです。
良いところと言えば、まずゴジラです。
あんなに嫌だったゴジラも、観賞後は美しささえ感じるようになりました。
作中でゴジラが成長するのですが、そこがまた面白いのです。
例えば第二形態のゴジラ(通称蒲田くん)ですが、まるで魚類の様な水棲生物という感じです。
最初は気持ち悪かったですが、今は可愛いとさえ思っています。
瞬時に成長進化するゴジラという設定は新しいと思いました。
成体のゴジラは歴代ゴジラの中でも最強の攻撃力を誇っています。
一番の見どころと言うべき火炎放射のシーンは度肝を抜かれました。
そして、恐ろしくも美しい。
最強のゴジラです。
でも、防御力は最低の部類に入ります。
ただし、適応能力と言いますか、進化のスピードが恐ろしいです。
ゴジラファン必見です。
続いてドラマパートですが、登場人物が凝っています。
メインキャストからチョイ役まで、名だたる顔触れが揃っています。
ちょっと頼りないけど決断力のある総理大臣や、自衛隊出動にノリノリな防衛大臣など魅力がいっぱいです。
政治家の討論シーンが半分くらいを占めていますが、早口でテンポよく進んで退屈しません。
この映画はゴジラ対日本政府なのです。
政府がいかにゴジラに対応するかが、描かれています。
ある意味、リアリティを感じました。
もちろん自衛隊も活躍します。
この映画の自衛隊はかなり強そうです。
そしてかなりカッコ良く描かれています。
自衛隊ファンや政治ファンにも見応えがあると思います。
凄い映画です。
さて、私的には大絶賛だったのですが、それだけに惜しいシーンがいくつかありました。
そんなに気にするほどではないのですが、言ってしまいたいと思います。
まず、CGが少し変。
特に後半の電車の挙動が変な気がします。
単に私の知識不足かもしれませんが。
そんなふうに動くか疑問です。
まあ、些細なことです。
それよりも重要なことはヒロインが石原さとみだということです。
いや、石原さとみが悪いわけでも下手なわけでもありません。
ただ、可愛い過ぎるだけです。
もし、石原さとみの役を真木よう子か、吉瀬美智子が演じていれば、この映画はもっと完成された映画になったような気がします。
ただし、その場合は笑うところがないと言いますか、気を抜くところが無い映画になってしまったかもしれません。
石原さとみで正解だったのかもしれません。
まあ、これに関しては私の個人的な趣味の話です。
美しさは罪ですな。
それ以外は完璧だったと思います。
正直「シン・ゴジラ」を超えるゴジラは今後、現れない様な気がします。
まだ、観ていない人は是非、観てみて下さい。