第220回目はGODZILLA(2014)です。
2014年のハリウッド版ゴジラ映画です。
*以降ネタバレ注意です。
非常に遺憾であります。
なかなか評価が難しく、あまり出来の良い作品とは言えませんでした。
しかし、一人のゴジラファンとして語らなければならないと感じた次第です。
もちろん良いところも有ります。
ゴジラなど怪獣は生物的で、動きに躍動感があります。
破壊された建物の崩壊具合もリアリティがあって見栄えが抜群です。
あとはねー……。
とにかく映像的には綺麗で、申し分ない出来でした。
ただ、ストーリー部分が弱い感じがします。
物語は1999年、フィリピンの石炭採掘場から始まります。
崩落事故の調査に訪れた芹沢博士は恐竜の化石と巨大な卵を発見します。
一方、日本では巨大な地震により原子力発電所が倒壊する事故が発生していました。
それから、15年後。
閉鎖隔離された原子力発電所に隠された秘密とフィリピンの事故が繋がります。
果たして原子力発電所の秘密とは?
卵の正体は?
是非一度みてみてください。
とは、言ったものの。
正直、私はゴジラファン以外にはオススメしません。
逆にゴジラファンには絶対観て欲しいのです。
いかに、この作品がゴジラ的ではないのかということを確認して欲しいのです。
あくまで、ここからの話は私の個人的な見解です。
普通に観れば普通に楽しい映画だとは思います。
さて、
ゴジラ映画とは核兵器や放射能の恐ろしさを伝えるというのが根底にあります。
その分、ゴジラや怪獣は核兵器の化身として恐ろしくなければなりません。
ゴジラはヒーローであってはいけないのです。
とは言え、昭和ゴジラも後半はヒーロー化していたので、私がめくじらを立てるのもおかしな話なんですけども。
問題は1954年のビキニ環礁の水爆実験を正当化していることや、米軍が安易に核兵器を使用するところにあります。
ゴジラ映画とは反核映画であるべきだと個人的には思っています。
しかし、これでは真逆な感じがします。
もちろん、これは私が受けた印象であって、穿った見方をしていると言えなくもないです。
その点を気にしなければ、まあまあ面白い映画だったと思います。
ここから、もう少しネタバレですが、この作品には、ゴジラ以外にムートーという怪獣が出てきます。
私はこの映画のタイトルが「ゴジラVSムートー」だったら素直に受け入れられたかもしれません。
本筋のほとんどがムートーの話です。
ゴジラはどちらかというと脇に配置されています。
その為、ゴジラについての解説が少な過ぎます。
話の流れでゴジラとムートーが天敵同士なのはわかりますが。
ゴジラとムートーが戦う理由としては弱いと思います。
明らかにゴジラをヒーローに仕立て上げようとしています。
いかにも商業的というか、アメリカ的な感じもしました。
ゴジラをシリーズ化するためにも必要な措置だったのでしょう。
出番は少ないものもゴジラの格好良さは伝わったと思います。
1番印象に残ったのは芹沢博士役の渡辺謙でした。
主役ではありませんが、ほぼ主役と言っても良いでしょう。
あとムートーのデザインも良かったと思います。
昆虫タイプの怪獣は特撮では上手く表現できないのですが。
さすがハリウッドです。
見事な生物感です。
そんなこんなで私の中で評価が半々の作品でした。
どちらかと言うと1994年のハリウッド版ゴジラの方が面白かったように思います。
この作品は昭和ゴジラの怪獣プロレスをリブートしたと考えれば納得のいく仕上がりだと思います。
今後の続編がなんだかんだで、楽しみです。
是非ゴジラファンには観て欲しいです。