カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

ファイトクラブ

 

 

 

第37回目はファイトクラブです。

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*以降ネタバレ注意です。

 


1999年のアメリカ映画です。

 


最近は、ミニマリストなんていう人が増えていますが、残念ながら私は物欲が大きく、物が捨てられないタイプなのです。

 


物に支配されている。

 


そんな自分から解放する。

 


という内容の映画です。

 


主人公は大手自動車会社に勤務するエリートで、高級な家具や食器、ブランドのスーツなどを買い揃える物欲主義者であった。

 


なに不自由ない暮らしだったが、主人公は不眠症に悩まされていた。

 


そんなある日、主人公は自宅マンションをがガス爆発で吹っ飛ばされ、全てを失ってしまう。

 


主人公は飛行機で隣りに座って知り合った石鹸のセールスマンのタイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)を頼る。

 


タイラーは主人公とは真逆の性格で、物に縛られず、住処も廃屋に住んでおり、自由な存在だった。

 


主人公とタイラーは憂さ晴らしに殴り合いを始める。

 


次第に人が集まり、いつしかファイトクラブと呼ばれる秘密の集まりとなっていた。

 


どんどん人が増えていき、殴り合いだけでなく、犯罪からテロへとエスカレートして行く。

 


主人公とタイラーの間に徐々に亀裂が入り、主人公はテロを阻止しようとする。

 


ストーリーはそんなところです。

 


私も若い頃は夜は眠れず、友人たちと深夜徘徊をしていた。

 


生活に不満があるわけではないが、何か満たされないものがあった。

 


居場所を求めていたのだろうか。

 


流石に犯罪やテロはしなかったが、暇を持て余していた。

 


だから、主人公の気持ちも解らないではない。

 


思いっきり殴り合いでもして、スカッとしたいというのもあったと思う。

 


幸い、今の私には妻も猫もいるので、居場所があるのだけれど。

 


世の中には居場所がなくて、犯罪に手を染めるものもいるのだろう。

 


そんな危うい人たちの映画です。

 


果たして主人公は自分の居場所を見つけられるでしょうか。

 


前半は辛いかもしれませんが、最後まで観ればなかなかに面白い映画だと思います。

 


前半、ところどころノイズが入るのですが、最初は気に留めていませんでした。

 


後半ノイズの正体が解って、見直すと「なるほど!」と感心してしまいます。

 


社会に不満があったり、自分の居場所を探している人にはオススメの映画かな。

 


でもタイラーに共感しちゃう人は危ないかも。

オール・ユー・ニード・イズ・キル

 

 

 

第36回目はオール・ユー・ニード・イズ・キルです。

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*以降ネタバレ注意です。

 


2014年のアメリカ映画で、しかも原作は日本のライトノベルです。

 


未知の宇宙生物ギタイに侵略された地球が舞台。

 


トム・クルーズ扮するウィリアム・ケイジ少佐は最前線に行くことを命令される。

 


しかし、ケイジ少佐は逃亡しようとして逮捕され、二等兵扱いで前線に送られることになった。

 


ケイジは戦場に到着後、あっという間に殺されてしまう。

 


ところが、気がつくと時間が最前線に出発する前、基地に到着したところまで戻っていた。

 


いわゆるタイムリープものの作品なのだ。

 


主人公は何度も何度も同じ日を経験して、少しずつ未来へと前進して行く。

 


設定に少し疑問は感じるが、面白い。

 


どうやら私はタイムリープものが好きな様だ。

 


何度も同じシーンをやり直して、経験を積み突破口を開く。

 


そして未経験の時間に到達しては死んでしまう。

 


それの繰り返し。

 


それがテンポ良く描かれて、退屈させない。

 


段々と何回も死ぬトム・クルーズが笑えてくる。

 


そして後半はタイムリープの設定を活かした、緊張感のある展開になる。

 


娯楽作品として充分楽しめます。

 


それにしても日本の原作小説がハリウッドで映画化されるなんて凄い事だ。

 


有名な小説やアニメなら前例がないわけでもないが、無名のライトノベルなんだから驚きです。

 


これから日本原作の映画が増えて行く様ですが、この映画を観ると期待が高まります。

ジョンQー最後の決断ー

 

 

 

第35回目はジョンQー最後の決断ー

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以降ネタバレ注意です。

 


2002年のアメリカ映画。

 


主演デンゼル・ワシントン

 


主人公のジョンQは経済的に苦しい生活を送っていた。

 


正社員だった仕事もパートタイマーの様な扱いにされる。

 


そんな時、ジョンQの息子マイクが心臓発作で倒れた。

 


マイクには心臓移植が必要だった。

 


しかし、手術には高額な医療費が必要であり、しかも会社の都合で保険がグレードの低いものに変えられていて、心臓移植に対応していないというのだ。

 


ジョンQは家具などを売って、お金を用意したが、まるで足りず。

 


病院は強制退院させると言ってきた。

 


ジョンQは病院を占拠し、人質を取って息子の治療を要求する。

 


そこでジョンQがした最後の決断とは。

 


この映画はアメリカ社会における医療問題、保険問題を批判する内容となっている。

 


低所得者層が満足に医療を受けられない仕組みになっているようだ。

 


聞いた話によると、盲腸の手術に実費で500万円かかるそうらしい。

 


これでは私も盲腸で死なねばならなかっただろう。

 


日本では高額医療費制度などが整備されているので、よほどのことがなければなんとかなりそうだが、それでも心配は残る。

 


よくアメリカの選挙報道などで、保険問題を耳にするので、アメリカならではの深刻なストーリーなのだろう。

 


さらに問題なのははジョンQがとった短絡的な行動だ。

 


拳銃の問題もそうだが、貧富の差などや、学力の問題もあるだろう。

 


ジョンQの判断はあまり頭が良いとは言い難い。

 


しかし、この映画の良いところは登場人物がジョンQに協力的であることだ。

 


事情を知った野次馬もジョンQを応援している。

 


なんとなくアメリカらしい。

 


それならば切羽詰まった状況なので思いつかないのも仕方ないが、冷静に考えれば寄付を募ればなんとかなったのではないだろうか?

 


それは楽観的過ぎるだろうか?

 


やはりヤルしかないのだろうか?

 


そんな状況になって私はジョンQの様になれるのだろうか?

 


なれそうにないと思うのは私に子供がいないからだろうか?

 


私は怖い。

 


いざという時に命を掛けられない自分がいる。

 


批判を覚悟で言えば、私は臆病者で、自分の命が惜しい。

 


そして、それと同時にいざという時に、命を顧みない向こう見ずな自分がいることも知っている。

 


それはそれで、私は怖いのである。

 


ジョンQの様に人はなれるのか?

 


ジョンQは正しい事をしたのだろうか?

 


色々と考えさせられる映画です。

 


一度、観てみてください。

 

 

 

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

 

 

 

第34回目はファウンダー[ハンバーガー帝国のヒミツ]です。

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2016年のアメリカ映画です。

 


さて、問題です。

 


マクドナルドは何屋さんでしょうか?

 


高校の時社会の先生が出題した問題だった。

 


ハンバーガー屋さん」

 


普通はそう答えますよね。

 


正解は不動産屋さんだそうです。

 


真実はこの映画を観て確認して下さい。

 


主人公マイケル・キートン扮するレイ・クロックはミルクシェイク用ミキサーの販売を生業としていた。

 


売り上げはサッパリだったが、とあるドライブインから、大量の注文を受けた。

 


そのドライブインこそ、元祖マクドナルドであった。

 


当時のドライブインといえば、ローラースケートを履いたウェイトレスがお客さんのクルマまで注文を取りに来て、商品を運んで来るのが一般的な様だが、

マクドナルドは現在のスタイルで、カウンターでオーダーすると直ぐに商品を受け取れるシステムをすでに実践していた。

 


このシステムに深く感銘を受けたレイは経営者のマクドナルド兄弟にフランチャイズを持ちかける。

 


マクドナルド兄弟はチェーン店展開には乗り気ではなかったが、レイの熱意に押されて、契約を交わしてしまった。

 


それが、元祖マクドナルドの不幸と現在のマクドナルドの栄光の始まりだった。

 


マクドナルド兄弟はメニューや材料にこだわりを持っていたが、レイは経営のためなら、多少の品質の劣化はいとわない。

 


様々な意見の相違が、やがてレイとマクドナルド兄弟の溝を深くしていく。

 


この映画は実話を元にしているので、高校時代に先生から聞いた話通りだった。

 


レイは悪党である。

 


マクドナルド兄弟の理念、信念を捻じ曲げ、売り上げのために品質を落としてしまった。

 


「こんな経営者の作ったハンバーガーなんて食えないよ」そう思ってしまう。

 


しかし、私は映画を観ているうちに、どっぷりとレイに共感してしまうのだ。

 


奥さんに対する仕打ちは許せないが、レイの経営者としての執念が私に高揚感を与えてくれる。

 


最近観た、どんなアクション映画や冒険映画よりもテンションが上がった。

 


ただのタチの悪い経営者なのだが、世界制服を企む様などんな悪役よりも魅力的だった。

 


実話ならではの後味の悪い結末も、受け入れてしまう。

 


それほどレイの悪党ぶりが小気味良いのだ。

 


気に入った。

 


私はこの映画を何回も観ることだろう。

 


マクドナルドを頬張りながら。

エクスプローラーズ

 

 

 

第33回目はエクスプローラーズです。

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*以降ネタバレ注意です。

 


1985年のアメリカの子供向けのジュブナイル映画です。

 


イーサン・ホークリヴァー・フェニックスのデビュー作でもあります。

 


ある夜、イーサン・ホーク扮するベンジャミンは不思議な夢を見る。

 


夢で観た電子回路図面をリヴァー・フェニックス扮する友人ウォルフガング・ミュラーに見せる。

 


パソコンに詳しいウォルフガングは回路図をプログラムし、謎の球体を発現させる。

 


球体の中は気密された空洞のバリアの様なもので、パソコンで座標を入力すると自由に動かすことができた。

 


もう1人の友人ダレンと3人でガラクタから手作りで宇宙船を作り、球体の中に入れて飛行する。

 


宇宙船は宇宙へと向かい、そこで宇宙人と接触する。

 


というストーリーだ。

 


皆さんは宇宙人を信じているだろうか?

 


私は存在は否定はしないが、地球に来ているかどうかは懐疑的である。

 


姪っ子に宇宙人はいるの?何しに来ているの?と聞かれれば、私は

 


「宇宙人はいると思うよ。宇宙人はUFOで地球の電波を拾って、映画とかアニメとかを観てるんだよ。だから襲って来たりしないんだよ」と答えています。

 


この映画にはそんな感じの宇宙人が出てきます。

 


もの凄く子供向けなので、大人が観るには物足りなく、少々退屈な映画かもしれません。

 


お子様がいる方は一緒に観ても良いかもしれません。

 


夢と空想があって良いと思います。

 


妻がリヴァー・フェニックスのファンなのでDVDを所持しています。

 


私もリヴァー・フェニックスの映画は結構好きなものが多いです。

 


彼の生涯を想うと、この作品も思い入れがあるものとなっています。

ゼロ・グラビティ

 

 

 

第32回目はゼロ・グラビティです。

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*以降ネタバレ注意です。

 

2013年のアメリカ映画です。

 

宇宙飛行士の物語です。

 


宇宙空間で人工衛星の修理中の主人公ライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)はロシアの人工衛星爆破事故に遭遇する。

 


人工衛星の破片が流星のように襲いかかり、シャトルは破壊され、国際宇宙ステーションから地球に帰還することを試みる。

 


ストーリーはそれだけ。

 


90分ほどの短い映画だが、内容の密度は濃い。

 


私は過去にこれほどまでリアリティのある宇宙の映画を観たことがない。

 


無重力の浮遊感や無音の宇宙空間を見事に映像化している。

 


酸素の残量や推進剤の残量などが無くなって行き、次々と危機的状況が襲って来るので、息もつかせぬスリリングな映像になっている。

 


いかに宇宙が危険で、宇宙飛行士が優秀であるかがうかがえる。

 


もちろん私は宇宙の知識などほとんどないのですが、実際に映画のとおりに違いないと信じ込ませるほどのクォリティの高さなのです。

 


登場人物は3人しかおらず、ほとんど宇宙服に身を包んでいるので顔も映りません。

 


ほとんどサンドラ・ブロックの1人芝居です。

 


わずかの顔出しシーンしかないですが、ジョージ・クルーニーがめちゃくちゃカッコイイです。

 


宇宙に興味のある人は絶対観るべき映画です。

 


宇宙に興味のない人にもお勧めしておきます。

 


宇宙から見た地球の美しい映像を見るだけでも価値があると思います。

 


最近は月旅行や宇宙飛行など(数億円かかるらしいですけど)行けるようになったそうです。

 


この映画を観ると

 


「絶対に宇宙には行きたくない」

と思ってしまいます。

 


SFは好きですが、私には宇宙は遠すぎます。

 


飛行機も怖い方なので。

 

 

ハイジ アルプスの物語

 

 

 

第31回目はハイジアルプスの物語です。

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*以降ネタバレ注意です。

 


2015年のスイス・ドイツ合作映画です。

 


ハイジといえば日本のアニメ「アルプスの少女ハイジ」が有名だ。

 

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私は原作を読んだことがないので、解らないが、アニメとほぼ同じだった。

 


同じ原作を元にしているのだから当たり前なのだが、あまりにも同じなのだ。

 


明らかにアニメ版を意識した実写化としか思えないのである。

 


そうでなければ、よほどアニメ版が原作に忠実に作られているということなのだろう。

 


私はアニメの実写化にはあまり肯定的ではないのだけれど、この映画は完璧な実写化であったと思います。

 


アニメ版ハイジ52話を2時間にまとめた感じです。

 


展開がものすごく早い。

 


だが、決して悪くはない。

 


アニメ版のことは忘れて、映画を評価しても実に良い出来だと思います。

 


スイス・アルプスの自然が美しく、フランクフルトはせせこましくて汚い。

 


山と都会の比較を撮ることで、フランクフルトが別世界であることが強調されている。

 


そりゃハイジもホームシックになってしまう。

 


子役のハイジとクララはものすごく可愛い。

 


これはアニメファンも異論はないのではないだろうか。

 


おんじやロッテンマイヤーさんやセバスチャン、チネッテ、クララのおばあさんもアニメ版の雰囲気がある。

 


クララの父親のゼーゼマンはチョットだけ嫌な感じである。

 


おっと、映画鑑賞三原則第三条、原作と比較しないに抵触してしまった。

 


アニメはアニメ、映画は映画だ。

 


ハイジが好きな人は是非観ることをお勧めしておきます。

 


そうそうアニメで有名なラスト付近の「クララのバカー!」のシーンがない。

 


そのためアニメファンには物足りない結末になるかもしれません。

 


心の狭い映画ファンも「なんじゃそりゃ?」

と思うかも。

 


そして私は「なんじゃそりゃ?」と思ったのでありました。

 


とにかく、宮崎駿高畑勲は凄いということです。