カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

機動戦士ガンダム ZZ

 

 

第301回目は「機動戦士ガンダム ZZ」です。

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出典U-NEXT


1986年の日本のSFアニメです。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


前作「機動戦士Zガンダム 」の続編として制作されました。

 


一転してガンダム のイメージからは程遠いコメディタッチの作品になっています。

 


ただ、コメディ路線は前半だけで、後半はかなりシビアな展開が続き、むしろ残酷なのではないかという気がします。

 


コメディガンダム が受け付けないということで、前半で観るのをやめてしまった人はちょっともったいないかもしれません。

 


しかし、世間では「観なくても良いガンダム 」「なかったことになっているガンダム 」と呼ばれることもあるのも事実です。

 


現に私も、そう思っていました。

 


しかしながら、最近見直したところ、やはりそれなりに面白いとは感じました。

 


最も私が気に入らなかった点は、シャアが登場しないということでした。

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出典U-NEXT


非常に残念ですが、受け入れるにはかなりの時間が必要でした。

 


とは言え、本放送ではそれなりに楽しんで観ていましたけどね。

 


最終回まで観たら、納得いかなかったという感じです。

 


というのも、本来の宇宙世紀の歴史から見ると、この作品はサイドストーリーの様な物なのです。

 


本筋はネオジオンハマーン・カーングレミー・トトの方なのです。

 


主人公ジュドー・アーシタの主観で話が進むので、全体的な概要が掴めません。

 


それゆえに、子供っぽい作品になってしまっているとも言えます。

 


そういうところを理解していれば、充分楽しめる作品だと思います。

 


物語は「機動戦士Zガンダム 」の直後から始まります。

 


敵であったティターンズはほぼ壊滅し、エウーゴもほぼほぼ壊滅状態となっていました。

 


結局のところ、アクシズ(ネオジオン軍)が漁夫の利を得たという結果となっていました。

 


エウーゴの旗艦アーガマは修理のため、コロニーサイド1のシャングリラに寄港します。

 


そこで、ジャンク屋で働くジュドーら少年たちと遭遇します。

 


ジュドーらはアーガマからZガンダム を盗みだし、お金に変えようと企んでいました。

 


紆余曲折あって、ジュドーアーガマにクルーとして迎えられます。

 


そして、そこにネオジオン軍の新造戦艦が迫ります。

 


果たしてアーガマは無事に脱出できるのでしょうか?

 


ジュドーたちの運命は?

 


興味があったら観てみてください。

 


さて、ここからは「ZZ」を肯定的に紹介しておきたいと思います。

 


まず「Zガンダム 」において、大人たちがほぼ戦死してしまった状態である、という認識が必要です。

 


それゆえに、ジュドーたちのような子供を現地徴用しなければならない事態となっています。

 


作中を観ればエウーゴと呼ばれる戦力は、旗艦アーガマ1隻だけと言っても過言ではありません。

 


ティターンズとの戦いで壊滅状態ということもありますが、地球連邦軍に帰属したという様に思われます。

 


政治的な意味ではティターンズが勝とうが、エウーゴが勝とうが地球連邦政府が美味しいところを持って行ってしまうのです。

 


アーガマネオジオン軍に対抗する最後の砦というよりは、ネオジオンの目を逸らすための人身御供的な存在となっています。

 


裏で地球連邦政府ネオジオンと取引をしていました。

 


アーガマはその間の時間稼ぎの囮部隊ということです。

 


唯一の救いは月面企業アナハイムエレクトロニクスの支援が受けられたことです。

 


アナハイムエレクトロニクスは、エウーゴの母体ともいう存在なので、アーガマ支援は当然でしょう。

 


こういった事情で、アーガマ単独行動と理由が成立しているわけです。

 


現実にも、ある地域では少年兵ばかりということもあるので、ジュドーたちも成り行きで戦争に参加するということはあり得るでしょう。

 


一方、ネオジオン側が戦力を温存していたと言っても、若い兵士ばかりというのは前作から引き続き、更に子供の様なエルピー・プルなども登用しなければならなくなっています。

 


戦力的にも、おそらく地球圏全域を支配するには少なすぎるのでしょう。

 


結果的ににはアーガマといい勝負となっています。

 


そんなこんなで、話に違和感はあっても不自然ではない様な気がします。

 


あとはハマーン・カーングレミー・トトが何を考えているのか解りづらいということでしょうか?

 


ハマーンはいつから、あんなに乙女チックになったのでしょうか?

 


それとも私が誤解していただけで、最初から乙女チックだったのでしょうか?

 


好きな男を追いかけて宇宙の果てからやって来たにも関わらず、フラれて若い男に走る。

 


あり得る話です。

 


登場人物の前半と後半の心境の変化というのは重要だと思います。

 


それを全部飲み込めたら、「機動戦士ガンダム ZZ」は面白い作品であると言い切れると思います。

 


一度は観ることをオススメしておきます。

 


納得いくか、いかないかは五分五分といったところでしょう。

 


ただ宇宙世紀の歴史を補完するには、「機動戦士ガンダム センチネル」のアニメ化と

 


シャアを主人公とした「裏ガンダム ZZ」が必要です。

 


それさえあれば「機動戦士ガンダム ZZ」は間違いなく受け入れられるでしょう。