第293回目は「恋は舞い降りた。」です。
1997年の日本のクリスマス映画です。
*以降ネタバレ注意です。
今年のクリスマス・イヴは日曜日ですね。
と思っていたらまさかの休日出勤となりました。
「おいおい、よせやい!クリスマスに働いてるのなんてサンタクロースくらいなもんだぜ」
とコブラのように反論してみても、強制出勤となってしまいました。
まあ、実際にはサンタ以外にもたくさんの方々が働いているとは思いますが。
ところで、クリスマスが何の日かご存知でしょうか?
クリスマスは広くイエス・キリストの誕生日として知られています。
厳密にはキリストの誕生日ではないのですが、キリストの誕生をお祝いする日となっています。
他にもローマのミトラ神の誕生日とキリスト教に吸収され、キリストの誕生日ということにしたという説もあります。
宗教的にはそんなところですが、実際には商業的な意味合いの方が重要な気がしています。
ケーキ食ってプレゼント貰ったりあげたりして、明石家サンタを観ながら、人の不幸を笑っちゃう日なのです。
何はともあれ、幸せな時間を過ごして欲しいという、思いの詰まった日なのだと思います。
さて、この映画はそんな幸せとは何かを考えさせられる作品です。
幸せって何なんでしょうね。
愛なのか?
金なのか?
人それぞれだとは思いますけど、難しい問題だと思います。
そんな一例として、この映画はいい作品なのではないかと思います。
物語は、ホストの神崎啓一郎が不慮の事故で亡くなるところから始まります。
実はこの事故は天使(死神)によって引き起こされたものでした。
ところが、神崎は天使の人違いで、殺されてしまったのです。
仕方がないので、天使はデスノートに神崎の名前を書き換えようとしますが、
神崎の猛反発にあい、生き返るための取引をすることになりました。
それは不幸な女性を1人、幸せにすることでした。
神崎は四つの願いを叶える力を与えられ、試練に挑戦します。
しかし選ばれた不幸な女性、幸坂マチ子は、なかなかに手強い不幸の持ち主でした。
果たして神崎は生き返ることができるのでしょうか?
マチ子は幸せになれるのでしょうか?
是非、観てみてください。
この映画はクリスマス映画の中でも、最も騒がしい映画です。
主人公を演じる唐沢寿明がうるさいだけかもしれませんが、必死の演技が笑わせてくれます。
また天使を演じる玉置浩二の飄々とした演技も見どころです。
こいつは絶対、死神です。
マチ子を演じる江角マキコも、不幸とまではいかない幸せじゃない感を出していて、とても良かったです。
幸せが人それぞれあるように、不幸も人それぞれなのでしょう。
「不幸にしがみついていること、自体が不幸なのさ」なんてコブラは言いますけど、
それを理解し合うということはとても難しいことのように思います。
四つも願いが叶うなら、幸せになれそうな気もしますが、本当のところ私は自信がありません。
例えばお金持ちになったところで、本当に幸せかどうかは分からない気がします。
この映画には四つ葉のクローバーが幸せの象徴として出てきます。
私は思うのですが、四つ葉のクローバーは不幸なのではないでしょうか?
四つ葉のクローバーは陽当たり環境の悪いところで生まれるそうです。
にも関わらず、人間に真っ先に摘み取られてしまいます。
なんか可哀想じゃないですか?
まあ、クローバーが可哀想かどうかなんて人間の主観ですけど。
誰かを少しでも幸せにできたら、クローバーも幸せなのでしょうか?
人間には他人の幸せを妬む心もありますが、
他人の幸せを観て、自分も幸せになれる心も持っています。
映画を観て感動するのもこの一種かも知れません。
この映画を観て少し幸せな気分になってくれればいいなと思います。
そういう気持ちって、神様からのプレゼントかもしれませんね。
なんちゃって。