第285回目は「ケープ・フィアー」です。
出典U-NEXT
1991年のアメリカのサスペンス映画です。
1962年の「恐怖の岬」のリメイク作品です。
弁護士というのは大変な仕事だと思います。
この映画に関して言うと、悪人の弁護をする弁護士の話なのですが。
法律上は殺人犯でもなんでも、弁護士をつけないといけないし、弁護士は依頼人のために全力を尽くさないといけないし。
素人の私からすると悪人の弁護なんて、真っ平ごめんというところですが、弁護士というのはそう簡単にいかないものらしいです。
弁護士のいない裁判なんてきっとロクなもんじゃないですから。
この映画はロバート・デ・ニーロ演じる少女暴行犯マックス・ケイディが、自分の弁護士に復讐する物語です。
えっ?
弁護士に復讐するの?
私は最初疑問に思いました。
裁判官や検事に復讐するのは分からんでもないですが。
弁護士に復讐は珍しいと思いました。
しかし知り合いの弁護士によると、依頼人から恨まれることは非常に多々あるそうです。
買った負けたや、もっと金をふんだくれただろう、などという不満は弁護士にも向けられるそうです。
お金を払っているのだから、希望が叶わないとそう思うかもしれませんね。
気の毒な話です。
大抵は逆恨みとしか言いようがありません。
が、しかしこの映画は逆恨みではなく、純恨みなのです。
少女暴行犯のマックスが悪いのは間違いありませんが、弁護士のサム・ボーデンに非がないとは言えません。
復讐を肯定するわけではありませんが、復讐されても仕方のないことだと思います。
そんな救いようのない映画ですが、機会があれば観てみてください。
物語は少女暴行の罪で、14年間服役していたマックス・ケイディが出所するところから始まります。
マックスには出所後、どうしてもやらなければならないことがありました。
それは自ら弁護士であるサム・ボーデンに復讐することです。
マックスは服役中に、読み書きや法律の勉強をして、自らを弁護できるまでに成長していました。
その過程で、サムがマックスに有利な証拠を揉み消していた事実にたどり着きました。
その証拠があれば無罪にはならなくとも刑期は14年より短かったかもしれません。
マックスは服役中、囚人たちに酷い目にあわされたこともあり、サムに対する復讐心をたぎらせていました。
果たしてマックスは復讐を遂げられるのでしょうか?
サムは復讐から逃げ切ることができるでしょうか?
是非一度、観てみてください。
この映画の見どころは、やはりマックス演じるロバート・デ・ニーロのサイコっぷりではないでしょうか。
凶悪かつ知的な犯罪者ぶりは見事だと思います。
この映画で私はロバート・デ・ニーロ=怖いという認識を持ってしまいました。
決してそんなことはないのですが、ロバート・デ・ニーロに悪役俳優のレッテルを貼ってしまったのです。
そして、弁護士サムのクズっぷりが、また堪りません。
証拠は隠蔽するし、浮気はするし、ロクな奴じゃありません。
とっとと復讐されてしまえばいいのに。
とは言え、サムの家族に罪はありません。
マックスは最初は嫌がらせから始まり、遂には妻のレイ、娘のダニエルにまで魔の手を伸ばしてきます。
流石にそれは許せません。
マックスとサムの戦いを是非観ていただきたいです。
あと、娘のダニエル(ジュリエット・ルイス)にも注目です。
娘がいるとほんと大変というか心配ですね。
後半にやっと「ケープ・フィアー」というところに行くんですが、やや不自然に感じました。
警察に行けばいいのに。
どちらにせよ、サムは弁護士資格剥奪ですね。
それだけでマックスの復讐は完結したと言えるかもしれません。