第63回目はワイアット・アープです。
*以降ネタバレ注意です。
ワイアット・アープは実在の保安官で、ほかにも「OK牧場の決闘」や「トゥームストーン」など多数の映画の題材になっています。
と、言っても、どれも観たことないんですけどね。
映画はワイアット・アープの半生を描いた伝記になっています。
どこまで事実なのかは判りませんが、私が思い描いていた人物像とは違う感じでした。
私のイメージでは西部のならず者を撃ち倒していく正義感溢れた保安官だったのだが。
そう単純ではないらしい。
ワイアットは若いうちに妻を亡くし、自暴自棄になって、馬泥棒へと身を落とす。
裁判で縛り首になるところを保釈されて、州ごえをして逃亡する。
そんなこんなで、ダッヂシティーの保安官となるのだが、正義のためというよりは生活のためだった。
善良な保安官というより、暴力保安官という感じだ。
最もそのくらいでなければ西部では生きていけないのだろう。
それに女も囲っていた。
結婚もせずに養っているのだが、新しい若い娘に入れ込んで、ないがしろにする。
割と酷い男だ。
後半は正義感よりも私怨で戦いに臨んでいる。
ワイアット・アープといえば早撃ちだが、映画を観ていると、どうやら素早く銃を抜いて銃で殴るのが得意のようだ。
ところで聞いた話では当時の銃の有効射程距離は3メートルほどだったという。
そのせいか銃撃シーンではもの凄く接近戦である。
その分、迫力のあるシーンにもなっている。
いわゆるOK牧場の決闘のシーンも接近戦であり、圧巻のシーンとなっている。
ちなみにOK牧場は本当は牧場ではなく実際はOKコラルという馬の預かり場であることは有名な話である、
決闘後ワイアットは殺人罪で裁判にかけられたりと波乱万丈の人生となるのだが、興味のある人は観てみてもいい映画だと思う。
3時間10分と長い映画だけどね。
そのほかにも、父親、兄弟の家族の絆や、親友ドク・ホリデイとの友情など見所は随所にあると思います。
これだけ銃撃戦をくぐり抜けて、ワイアット・アープは銃による傷はかすり傷ひとつ負わなかったそうである。
人生は失うことの方が多い、だからそこで挫けてはいけないというメッセージの映画でした。