カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

TENET テネット

 

 

 

第183回目は「TENET」です。

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出典Amazon.co.jp


2020年のアメリカのSF映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


インターステラー 」に続いて「TENET」について語りたいと思います。

 


この映画も設定が難解で、エントロピーだとか難しい言葉が次々と出て来ますが、ふんわりと雰囲気で観ても充分に楽しめます。

 


もちろん物理学とかに詳しい人の方が楽しめるのだと思いますが、全然大丈夫です。

 


私は物理学などはチンプンカンプンなので、理屈は映像的な面白さだけ感じれれば、それでOKです。

 


ストーリーは単純で面白いし、科学的なところは無視しても全然楽しめます。

 


物語はウクライナキエフにあるオペラハウスでテロが発生するところから始まります。

 


主人公はCIAのエージェントで、あるミッションのために、テロの事件現場に潜入します。

 


その後、主人公は謎の組織「TENET」に引き抜かれます。

 


そこで主人公は「逆行銃」の存在を知らされます。

 


逆行銃とは弾痕から銃へと弾が帰って来る不思議な銃です。

 


どういう原理かは解りませんが、時間が逆転する弾が発射される銃です。

 


それは未来から持ち込まれた物なのです。

 


未来人の陰謀を暴くために主人公は逆行弾の出どころを頼りに捜査を始めます。

 


果たして、主人公は未来人の陰謀を阻止することができるのでしょうか?

 


是非一度、観てみてください。

 


すみませんが、今回はネタバレ強めになっていますので、ご注意ください。

 


まず、冒頭のテロのシーンですが、導入部分としては最高だと思います。

 


緊張感を高めつつ、頭の中に疑問符が現れ好奇心も高まります。

 


次に逆行銃や未来人の説明になるのですが、正直なところ、あまり上手な説明だとは思えませんでした。

 


エントロピーを減少させると時間が過去に戻るなんて説明されて

「ハイ、そうですか」

ってなりますか?

 


物理学に詳しい人ならば、人工的にエントロピーを減少させることができれば過去に逆行できるというのは常識のようですが、普通の人にはサッパリ解らないでしょう。

 


そもそもエントロピーって何だよって話です。

 


私が子供のころ「ダンジョンズ&ドラゴンズ」というテーブルトークRPGにハマっていたのですが、その時もエントロピーが全く理解できませんでした。

 


ちょっとしたトラウマです。

 


しかし、安心してください

エントロピーに深い意味はありません。

 


「へぇ」

ぐらいのつもりで聞いて下さい。

 


理解出来ないから映画を途中で挫折するなどという必要は全くありません。

 


逆行銃も雰囲気で楽しんで下さい。

 


さて、ここからがネタバレ強です。

 


この映画の最大の見どころである逆行世界について話したいと思います。

 


できればここから先は映画を観てから読むか、多少のネタバレは平気という人が読んでください。

 


実はこの映画にはタイムマシンが出てきます。

 


そのタイムマシンは回転ドアと呼ばれる設備で、我々の住む順行世界と時間が過去に戻る逆行世界に繋がっていて双方向に行き来することができます。

 


言葉の表現が間違っていますが、順行世界と逆行世界は同じ世界です。

 


パラレルワールドでもなければ、世界線が違うわけでもありません。

 


逆行世界に入れば世界が過去に遡っているように見えるのです。

 


車や歩く人が後ろ向きに進んでいたりします。

 


ビデオを逆再生したような世界です。

 


ちょっと言葉では説明できませんが、逆行世界を通って過去に戻ることができるのです。

 


逆行世界では1秒過去に戻るのに1秒掛かるのです。

 


回転ドアを通って過去へ行ったり未来に行ったりするわけです。

 


しかし過去を変えることはできません。

 


すでに過去で起こったことは起こってしまっているのです。

 


その辺りが視覚的に面白く表現されているので、是非観て欲しいところです。

 


多分、色々と矛盾するところもあると思いますが、抜群に面白いと思います。

 


順行と逆行が同時進行するシーンなどは、脳をフル回転させても混乱します。

 


とっても刺激的な映像になっているので、見応え抜群です。

 


その他には、友情や家族の絆がテーマになっていてドラマ部分もしっかりと魅せてくれます。

 


私は「TENET」と「インターステラー 」は同じ世界なのではないかと勝手に思っています。

 


インターステラー 」では滅亡寸前の地球から脱出しようとするアメリカの姿が描かれています。

 


「TENET」では滅亡寸前の地球の時間を逆行させて過去に向かうロシアの姿が描かれています。

 


両作品ともに未来人の影響を受けるというところは同じです。

 


インターステラー 」のテーマは「起こり得ることは起こり得る」でしたが、

 


「TENET」は「起こったことは起こった」です。

 


インターステラー 」と「TENET」は表裏一体の双子のような作品だと思います。

 


何よりも時間や物理学を題材にしているところが同じです。

 


なので、私は「TENET」の未来が「インターステラー 」だと思っています。

 


その方が何だか面白くないですか?

 


最後に私の「TENET」に関する疑問を書いておきたいと思います。

 


例えば

 


回転ドアの順行側と逆行側に時計を置いておきます。

 


0:00分に観測者Aが回転ドアで順行から逆行に時計を持って行きます。

 


逆行側と順行側の時計はそれぞれ0:00のはずです。

 


1分後、

 


順行から持ってきた時計は0:01分になります。

 


逆行側にあった時計は過去に向かうので、23:59分になります。

 


さらに1分後

 


観測者Bが新たに時計を持って順行から逆行へ回転ドアを通過します。

 


Aの時計とBの時計は当然0:02分です。

 


ところが逆行にあった時計は23:58になっているはずです。

 


本来はBの時計と同じ0:02分であるはずです。

 


この調子で行くと一年後に観測者Cが順行から逆行へ回転ドアを通過すると、1年前にタイムスリップすることになってしまいます。

 


よね?

 


私は物理学には詳しくないので、見当違いなことを言ってるのかもしれませんが。

 


この考えでいくと、回転ドアのシステムは崩壊してしまいます。

 


ということは、観測してない間は逆行世界の時間は順行していて、観測すると逆行し始めるのでしょうか?

 


さて、私は何を言ってるのでしょうか?

 


自分でも理解できません。

 


そもそも映画の方もエントロピーやら逆行弾なんて回りくどい説明じゃなく。

 


タイムマシンがあるなら、タイムマシンで説明してくれればスムーズに話が進んだように思います。

 


まっ「起こってしまったことは、起こってしまった」ので仕方ありません。

 


とりあえず、細かいことは忘れて「TENET」を楽しんでみてください。