第169回目は「告白」です。
2010年の日本のサスペンス映画です。
*以降ネタバレ注意です。
私にはドラマなどで、どうしても嫌いというか、納得のいかないシーンがあります。
例えば、刑事ドラマで3件の連続殺人事件が起こったとします。
犯人は殺された恋人の復讐をしようとしています。
法の目をかいくぐった恋人の仇を自分の手で裁こうというのです。
そして犯人は、最後の復讐相手を追い詰めます。
犯人は銃を復讐相手に向けていますが、なかなか撃ちません。
刑事ドラマで、よくあるシチュエーションです。
「今撃てよ!すぐ撃てよ!早く撃てよ!」
テレビの前で私は声援を送ってしまいます。
そこにギリギリ刑事がやってきます。
刑事
「やめろ!そんなことをしても、恋人は喜ばないぞ!」
私
「騙されるなー!撃ってしまえー!」
家族はドン引き。
しかし、犯人は銃を降ろしてしまいます。
刑事はしたり顔で犯人を逮捕します。
ドラマはここで一件落着となります。
犯人は逮捕されてめでたしめでたし。
しかしその後、犯人はどうなるでしょうか?
犯人はすでに3件の計画殺人を犯しています。
一方、復讐相手は証拠がないので立件できそうにありません。
つまり、正義が法によって裁かれ、悪が生き残る結末です。
例えばですが、そんなドラマ観たことありませんか?
仇が必ず法で裁かれるとは限りません。
私は復讐を成し遂げるべきだと思います。
それから罪を償えば良いと思います。
本来ならば法に則った復讐を考えるべきですけど、法で裁けないのならやむを得ません。
ヤってしまいましょう。
と、言いたいところですが、復讐は出来ないでしょう。
それが現実です。
だから、せめてドラマの中では復讐は成し遂げられるべきだと思います。
ところで、金田一耕助は優秀な探偵だと思います。
いつも、ほぼ復讐が完結してから、事件の真相をあばくので。
ひょっとしたらワザとかもしれないです。
横溝正史も復讐は完遂されるべきだと思っているかもしれません。
さて、映画「告白」ですが、壮絶な復讐の物語でした。
とある中学の終業式の日、担任教師の森口悠子はクラスの生徒にある告白を始める。
悠子はシングルマザーでしたが、娘を亡くしてしまいました。
警察は事故と判断しましたが、悠子は犯人を突き止めました。
それは悠子のクラスの生徒でした。
悠子は警察に訴えることはしませんでした。
何故なら、犯人は14歳で少年法に守られ裁かれないからです。
ところで、何故悠子は結婚しなかったのか。
悠子の婚約者はHIVに感染していたために結婚を断念したそうです。
悠子は婚約者の血液を犯人の牛乳(紙パック)に混ぜておいたと告白します。
クラスはパニックにおちいりました。
悠子の復讐のが始まりました。
果たして犯人の生徒の運命は?
悠子の復讐の行方は?
是非、観てみてください。
この映画は今年観た映画の中では1番重たい内容だった様に思います。
少年による殺人、少年法の在り方、復讐の是非など考えさせられる点が凝縮されています。
個人的に私は少年法は不要だと考えています。
ついでに言えば39条も不要ですが。
考えさせられる映画です。
世の中には法でで裁けない、もしくは裁かれない事件が多々存在しています。
イジメやパワハラなどもその部類でしょう。
そんな世の中に疑問を抱いている人には是非観て欲しいです。
私は犯人の少年には全く同情しませんでした。
しかし、復讐でここまでやられるとは、想像もできませんでした。
それで行けば私の考えなど、序の口の可愛いものでした。
非常に恐ろしい映画だった様に感じました。
これで、ちょっとは犯人の中学生も反省するでしょうか?
私はそうはならないと思います。
いっそ中学生の方に、是非観ていただきたいです。
この映画で、命の重さと責任の重さを感じとって欲しいです。
命の大切さを知ることで、真っ当な人生を歩むことができるでしょう。
なんてね。