カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

時をかける少女

 

 

第109回目は時をかける少女です。

f:id:kazuma_kazama:20200425143705j:image

出典Amazon.co.jp


1983年の邦画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私にとっては初めて観たタイムリープを扱った作品だったと思います。

 


タイムリープという言葉も最近シュタインズゲートで知ったつもりでしたが、そんな昔に使われていたんですね。

 


小さい頃に観た以来だったので、断片的にしか覚えていませんでした。

 


私の記憶は非常に美化されていて、綺麗な映像だったように思っていたのですが、今観るとさすがに古さを感じました。

 


しかし、古き良き時代の映画です。

 


舞台が広島の尾道であり、街並みや色調が印象的でフィルムの古さがノスタルジーを感じさせます。

 


物語は高校1年の三月、学校主催のスキー合宿から始まります。

 


登場人物は平凡な女子高生の芳山和子、

醤油醸造所のお坊ちゃんの堀川吾郎、

植物採取が趣味の変わり者の深町一夫の

幼馴染みであり同級生の3人が主軸となります。

 


このシーンはモノクロで、徐々に色が着き始めるという演出がなされていて、意味ありげになっています。

 


時は移って2年生の新学期4月16日土曜日。

 


和子、吾郎、一夫は理科室の掃除当番となっていました。

 


理科準備室には最近、ドロボウが入るということで鍵が新たに付けられたところでした。

 


理科室の掃除を終えて、教室にカバンを取りに行く五郎と一夫。

 


1人残った和子は理科準備室からの物音に気づき、おそるおそる鍵を開けて中に入ります。

 


理科準備室の中には誰も居ませんでしたが、フラスコが割れて白い煙が立ち込めました。

 


和子は煙を吸い込み、気を失ってしまいます。

 


それはラベンダーの香りでした。

 


保険室で目を覚ました和子ですが、特に異常はなく家に帰ることになります。

 


帰りに和子は一夫の家に寄ります。

 


そこには温室があってラベンダーが栽培されていました。

 


違和感を覚えつつも4月18日月曜日を迎え、和子は登校します。

 


授業と部活を釈然としないまま過ごして、帰宅。

 


そして、夜半に地震が起こり吾郎の家の近くで火災が発生します。

 


心配で火災現場を見に来た和子は、同じく様子を見に来た一夫と会いました。

 


出火は小さかったようで現場を後にしますが、和子は帰り道に1人きりになったところを何者かに襲われます。

 


気がついた時は自宅のベッドで何事も無かったようでした。

 


19日火曜日、和子は吾郎と登校中、頭上に屋根瓦が落ちてくるという事故に遭遇します。

 


しかし、気がつくとまた、自宅のベッドの上でした。

 


でも、それは18日月曜日の朝でした。

 


というストーリーです。

 

 

 

 


思春期の女子高生の不安を表現しているのでしょうか、全体的に薄気味悪い雰囲気です。

 


タイムリープの能力を手に入れた和子ですが、それ以上に特に何かが起こるわけではありません。

 


ただ、日常ではなくなった世界を、元に戻そうとするだけです。

 


同じ日を2回繰り返すというのは面白い発想ですよね。

 


原作者、筒井康隆は凄いと思います。

 


重きは、和子、吾郎、一夫の三角関係に置かれています。

 


幼馴染みから恋愛に発展するかしないかというところです。

 


単にタイムリープという特殊能力についてだけではなく、過去よりも今が大事とメッセージを伝えています。

 


和子が過去に「ありがとう、さようなら」というシーンは残酷で感動しました。

 

 

 

ラストまで楽しめる良い映画でした。

 


日本で最も多く映像化されている作品であると聞いたことがありますが、この1983年版をお勧めしておきます。

 


機会があれば観てみて下さい。

 


ついでに不満点も2点言っておきたいです。

 


作品全体は面白くて、好きな人が多いのも納得です。

 


しかし、役者の演技はイマイチだと私は感じました。

 


擁護するならば、これは昭和映画の弱点でもあるのです。

 


個人的な意見ですが、役者は悪くないと思います。

 


問題なのは脚本、台詞です。

 


日本には口語と文語というものがあります。

 


いわゆる話し言葉と書き言葉です。

 


おそらく台詞が書き言葉なので、話すと不自然なのです。

 


変な言い回しだったり、感情のない言葉だったりします。

 


文字で読むと美しく感じると思います。

 


私が思うに脚本家が優秀で脚本が高尚であればあるほど、この傾向は強いのではないかと思います。

 


役者は棒読みにならざるをえなかったと私は考えています。

 


決して原田知世が可愛いからと言って弁護しているのではありません、裁判長!

 


さて、不満点をもう一つ。

 


エキストラのバレーボール部員が下手すぎ。

 


あまりにも下手過ぎて目が釘付けになってしまいました。

 


いかん!

 


彼女らは高校1年で、初めてバレーボールを手に取った新入部員に違いない!

 


全然不自然じゃないぞ!

 


そう自分に言い聞かせて、ストーリーに集中し直しました。

 


不満点は以上です。

 


セットや特殊効果の粗さもありますが、それは時代の物なので、ある意味見どころではあります。

 


ついでにもう一つ。

 


和子は弓道部なのですが、弓道場がなく校庭で練習しています。

 


的の後方には上段ではありますが通学路があります。

 


とっても危険です。

 


因みに私が通っていた高校の弓道部の的の後ろはテニスコートでした。

 


とっても危険です。

天使のくれた時間

 

 

第108回目は天使のくれた時間です。

f:id:kazuma_kazama:20200421172121j:image

出典amazon.co.jp


2000年のアメリカ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


テーマは平たく言えば、

 


「仕事を取るか愛を取るか」です。

 


物語は13年前(1987年)の空港から始まります。

 


成功のためにロンドンへ研修に旅立つジャックと、それを見送るロウスクールに通うケイト。

 


ジャックとケイトは恋人同士で、それはしばしの別れだったのかも知れない。

 


ところが、ケイトは突然嫌な予感がすると言ってジャックを引き止めます。

 


しかし、ジャックは旅立ってしまいます。

 


時は流れて現在(2000年)ジャックはニューヨークで成功し、とある企業の社長になっていました。

 

 

高級マンションの最上階に暮らし、フェラーリを乗り回し、美女をはべらす様な大金持ちになっていました。

 

 

ケイトとは空港で、別れたままになっています。

 


家庭は持っておらず、仕事一筋でクリスマスまで仕事です。

 


日本ではクリスマスは普通に仕事ですが、アメリカでは異様な光景の様です。

 


そんなクリスマスイブの夜中、黒人青年のキャッシュに出会います。

 


字幕ではキャッシュの名前もジャックになっていて混乱しましたが、正解はキャッシュだそうです。

 


キャッシュは宝くじが当たったと換金に来ましたが、店員が偽造だと言って取り合ってくれません。

 


銃を取り出して取り乱すキャッシュに、ジャックはその宝くじを買い取ると申し出ます。

 


なんとかその場を収めたジャックはキャッシュを強盗の道から救い出し、ついでに人生のアドバイスを始めた。

 


自分は成功者で全てを持っていると言うジャックに、キャッシュは疑問符を投げかける。

 


そんなこんなで、キャッシュと別れたジャックは高級マンションの自宅に戻り、1人で深い眠りにつきます。

 

 

 

翌朝、目が覚めるとそこは高級マンションではなく一軒家で、隣には別れたはずのケイトが寝ていた。

 


しかも子供が2人いて犬まで飼っています。

 


慌てて、ニューヨークの自宅に行くが、マンションのガードマンに入れてもらえず。

 


会社に行っても社長は別の人物になっていました。

 


どうやら13年前、空港でケイトと別れないという選択肢をした場合の、パラレルワールドに来てしまったようです。

 


ジャックは戸惑いながらも、その世界に順応していき、家族や愛の大切さを知っていきます。

 


しかし、元の贅沢な生活も忘れられないジャックは仕事を取るのか、

 


家庭を取るのか、

 


はたまた両方を手にすることができるのか、

 


というストーリーです。

 


どんな結末になるのか是非観てみてください。

 


アメリカではクリスマスに奇跡が起こるというのは定番のようです。

 


映画の見どころは、ジャックは贅沢が染み付いて、庶民の生活に馴染めず四苦八苦するところです。

 


庶民と言っても、タイヤショップの偉いさんのようなので、充分お金は持ってそうです。

 


それにしても、13年の記憶がない状態を受け入れたのだから見事な順応力です。

 


あとケイトが可愛いというか魅力的です。

 


娘のアニーもなかなか良い感じです。

 


ジャックは幸せな家族と友人を手に入れてラッキーです。

 


人間には運命を変えるような選択肢に迫られる瞬間があると思いますが、私にもあったのでしょうか。

 


瞬間的にはやり直したい場面は何ヶ所もありますが、私が思うに、私は1番自分らしい選択肢を進んで来たように思います。

 


妻と猫のミュウがいる人生で正解だったと思います。

 


もし妻と出会っていなければ、私はいつまでも人の気持ちが解らない、エゴイストになっていたと思います。

 


映画のようなお金持ちにはなってないと思いますが。

 


だから、この映画は私とは真逆の主観の映画でした。

 


天使がやって来て、大金持ちの社長にしてやると言ってもお断りするところです。

 


運命に翻弄されて来たならともかく、自分で選んできたので私は満足です。

 


でもまぁ、ちょっと体験するくらいなら良いかな。

 

 

 

 

 

 

マイノリティ・リポート

 

 

第107回目はマイノリティ・リポートです。

 

f:id:kazuma_kazama:20200410190630j:image

出典Amazon.co.jp

 


2002年のアメリカのSF映画です。

 


舞台は2054年の近未来のアメリカです。

 


その時代ではプリコグと呼ばれる超能力者が犯罪を予知して、未然に防ぐという捜査法が試行されていた。

 


主人公は犯罪予防局の捜査官ジョン・アンダートン。

 


ジョンは6年前に息子を誘拐されて以来、仕事にのめり込んで、夫婦間も疎遠になっているほどだった。

 


そんな最中、司法省調査員ダニー・ウィットワーが犯罪予防システムの完全性を視察にやってきた。

 


犯罪予防率は100%で、システムに問題がなければ全国で導入される事になる。

 


果たしてシステムに欠陥はあるのだろうか。

 


そしてプリコグが次に予知した事件の犯人は意外な人物だった。

 


システムを肯定するジョンとシステムに懐疑的なダニーの対決や如何に、という物語です。

 


ストーリーは面白いです。

 


ですが、そもそもの設定に無理があるような気がします。

 


先ずプリコグの存在ですが、設定自体は面白いです。

 


薬物中毒の子供が副作用で、予知能力を身につける。

 


それを犯罪防止に利用するのはいいでしょう。

 


しかし、プリコグは3人しかいなくて、3人で1つの事件を予知します。

 


かなりの負担です。

 


プリコグは見る限りシステムに軟禁状態です。

 


まるで機械のように扱われています。

 


果たしてプリコグに人権はあるのでしょうか?

 


給料は出るのでしょうか?

 


テスト地域をプリコグ3人が予知しているようですが全国区になるとどうなるのでしょうか?

 


プリコグは3人だけしかいないようです。

 


となると、プリコグを増産しなければならないでしょう。

 


プリコグの作り方は簡単、子供を薬物中毒にして、治療して予知能力を発現させる。

 


ただし、能力の発現は偶発的で確実ではないのです。

 


全国展開は難しいと言えるでしょう。

 


それ以前に人道的な意味で肯定されるはずがありません。

 


しかも予知能力のような得体の知れない物に依存したシステムですから怪しい物です。

 


さらに殺人事件を予知して、未然に防ぐのですが、犯人はいったい何の罪で逮捕されるのでしょう。

 


殺人未遂でしょうか。

 


映画の中で犯人はろくに裁判もせずに、冷凍睡眠の様な感じでカプセルに閉じ込められてしまいます。

 


それも6年間で1108件も未遂犯が監禁拘束されています。

 


恐ろしい未来です。

 


そんなシステムに欠陥はないのでしょうか?

 


是非、観てみて下さい。

 


映画の世界は今から30年後、公開当時からは50年後の世界です。

 


なんというか、丁度いい未来感です。

 


車が上下に移動するのはまだまだ先になりそうですが、街中のいたるところにカメラが設置してあり瞳の虹彩認証によって人物を特定できるようになっています。

 


良いかどうかは別として、優れた管理社会です。

 


ショッピングセンターも未来感があって、瞳で個人を特定してAIがセールスをしてきます。

 


便利なようですが、私は居心地が悪そうな気がします。

 


トータル・リコール」に出てくる好みの夢を見させる施設もでて来ます。

 


原作者が同じフィリップ・k・ディックなので、なんだか面白いです。

 


そのほかでは、お巡りさんが空を飛んでいたり、小型のロボットで捜査したりしています。

 


その辺りも丁度良い未来感のような気がします。

 


私が1番気にいったのは、傘が現代と同じで何の進歩もしていないことです。

 


傘はもうこれ以上便利にならないのでしょうか?

 


資本主義国では広告関係が発展するというのがリアリティがあると思います。

 


スラム街があって、薬物が氾濫しているところも未来的です。

 


その一方でディストピアのような管理社会を導入しようとするところが、魅力的な作品に仕上げていると感じます。

 

 

 

近未来ものが好きな人には外せない作品です。

 


色調もこだわっていて、青みがかったような色合いになっています。

 


そこが近未来でありながら、寂れた世界観を演出しているように感じました。

 


この映画で最も印象に残るシーンはネタバレしない程度に言うと、転がる目玉とカビたサンドイッチです。

 


どちらもハラハラドキドキのシーンです。

 


どんなシーンかは是非観て確認してみてください。

 


ところでマイノリティ(少数派)という言葉は、この映画で初めて知りました。

 


因みに反対語のマジョリティ(多数派)という言葉は、アイドルグループ欅坂46の「サイレント・マジョリティ」という歌で初めて知りました。

 

 

 

 

ファイナル・カウントダウン

 

 

第106回目はファイナル・カウントダウンです。

 

f:id:kazuma_kazama:20200406065742j:image

出典Amazon.co.jp

 


1980年のアメリカ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


1980年の作品の割には古臭く感じました。

 


70年台前半くらいの趣があります。

 


原子力空母のニミッツF-14が登場します。

 


物語は空母ニミッツが謎の嵐に包まれ、1941年にタイムスリップしてしまうというストーリー。

 


その日は1941年12月6日で太平洋戦争の開戦の前日でした。

 


つまり日本海軍の真珠湾攻撃の前日です。

 


偵察機連合艦隊の姿を捕捉して、ニミッツは2つの選択肢を迫られます。

 


このまま何もせずに真珠湾攻撃を黙認するか、それとも歴史に介入して連合艦隊を撃破するか。

 


なかなか心踊るシチュエーションです。

 


果たして司令官の決断やいかに。

 


機会があれば観てみて下さい。

 


ぶっちゃけて言いますと

 


ネタバレですが

 


割とガッカリしました。

 


先ずタイトルのファイナル・カウントダウン感がありません。

 


タイトル負けしています。

 


内容が少々薄いような気がします。

 


ドラマパートももっと苦悩や葛藤があったり、タイムスリップしてパニックを起こしたりと色々あっても良いと思います。

 


ところが司令官は冷静で乗組員も統率が取れていて面白味に欠けているような気がします。

 


私としてはF-14零戦350機の空戦を期待していたのですが、拍子抜けしてしまいました。

 


一応、零戦との戦闘もあるにはあります。

 


F-14やコルセアの総出撃のシーンはテンションが上がりますが。

 


なんか惜しい作品です。

 


せっかく良い設定なのに勿体無い感じもしました。

 


戦国自衛隊ジパングなどのような作品を期待していると、ガッカリするかもしれません。

 


古い作品と割り切って観れば悪くないのですが。

 


1980年の作品でこの内容じゃ物足りない気がします。

 


1975年だったら最高だったかもしれません。

 


しかし、ラストは割とスッとするような感じがします。

 


不思議なんですが、最終的に面白かったんですよ。

 


頭から気を抜かずに観れば、なかなかに良い映画でした。

 


終わり良ければ全て良し的な感じです。

デイズ・オブ・サンダー

 

 

第105回目はデイズ・オブ・サンダーです。

 

f:id:kazuma_kazama:20200405142841j:image

出典Amazon.co.jp


1990年のアメリカ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


アメリカのNASCARストックカーレースを題材にした作品。

 


ストーリーは型破りで無鉄砲なレーサーのコール・トリクルが、NASCARデイトナ500で優勝を目指すというもの。

 


最近、テレビでF1レースって放送されてなくないですか?

 


モータースポーツの人気がなくなってきたのでしょうか。

 


この映画はF1ではなくてストックカーレースです。

 


正式には何というのか知りませんが、ストックカーという名称で私は認識しています。

 


F1と違って同じトラックをグルグル周るんです。

 


F1はチームによってマシンの性能差が決定的に違うのですが、ストックカーの方がマシンの性能差が少なく、よりドライバーとピットクルーの技量に勝敗がかかっていると思います。

 


日本では中継などは全くと言っていいほどないと思います。

 


BSか専門チャンネルなら放送しているかもしれません。

 


私も昔にテレビで観たことがあります。

 


モータースポーツもしくは車を題材にした映画はそこそこにあると思いますが、ストックカーを題材にした映画はデイズ・オブ・サンダーだけだと思います。

 


レースシーンは迫力があり、本物さながらの映像になっています。

 


クラッシュや接触などストックカーの見どころ満載のレースシーンです。

 


一方ドラマパートでは、ドライバーのコールとメカニックチームのハリーの師弟関係と友情が描かれます。

 


さらにライバルのラウディとの対決とそこから芽生える友情も見どころです。

 


病院や公道でも競争するシーンがなかなかいい感じです。

 


あと神経外科医のクレアとの恋ですね。

 


このデイズ・オブ・サンダーはレースものでありながら、青春ものであり、女医とのラブロマンスでもあります。

 


音楽もこだわったおしゃれなトレンディドラマです。

 


前回、紹介したトップガンとほぼ同じ設定と展開です。

 


戦闘機が車になっただけと言っても過言ではないでしょう。

 


主演トム・クルーズ、監督トニー・スコットで、トップガンと同じなので意図して作られてたのだと思われます。

 


主人公コールは天才肌のレーサーで技術は優秀なのだが、無謀な運転をする問題のあるドライバーです。

 


レース中の事故で入院してしまい、そこで知り合ったのが、美人女医のクレアです。

 


パイロットとかレーサーだと簡単に恋に落ちちゃうんだなと思ってしまいます。

 


一方、メカニックチーフのハリーとのやり取りが、レースシーンの盛り上げになっています。

 


ライバルのラウディが嫌な走りをするんですが、そこがあとになって良く思えてきます。

 


事故をキッカケに一時期走れなくなるコールですが、クレアとラウディのお陰で立ち直ります。

 


レースと恋愛とツボを押さえた優秀な作品です。

 


トップガンが好きな人は是非、観てみて下さい。

 


ところで、ストックカーといえばデイトナUSAというゲームをご存知でしょうか。

 


ゲームセンターにあった大型筐体です。

 


映画と同じでトラックを40台で周るんです。

 


最終コーナーがキツくてスピードコントロールが難しいというところも映画と同じです。

 


ハンドルを握り、アクセルを全開にして束の間のレーサー気分を味わっていました。

 


40台を一気に抜いて一位になった時は興奮しました。

 


今、見ればそんなにリアルな映像でもないのですが、デイズ・オブ・サンダーの世界でした。

 


ゲームセンターで見かけたら、一度プレイしてみてください。

 


ところで、トップガンとデイズ・オブ・サンダーが似ているので、この文章も前回のトップガンの回の文面に似せてみました。

 


手抜きではないですよ。

 

 

 

トップガン

 

 

第104回目はトップガンです。

 

f:id:kazuma_kazama:20200404021429j:image

出典Amazon.co.jp


1986年のアメリカ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


アメリカ海軍の戦闘機F-14トムキャットを題材にした作品。


f:id:kazuma_kazama:20200404021554j:image
出典Amazon.co.jp


ストーリーは型破りで無鉄砲なパイロットのマーヴェリックがアメリカ海軍機戦闘機兵器学校、通称トップガンにて訓練に励むというもの。

 


トップガンは実際にあったそうです。

 


上位1%のエリートパイロットが参加し、さらに1番優秀なパイロットがトップガンの称号を得るそうです。

 


戦闘機を題材にした映画はあまりないように思います。

 


私の記憶する限りでは最も成功した航空アクション映画だと思います。

 


航空シーンは単調になりがちですが、この映画では、見事に迫力のあるシーンになっています。

 


現在は退役していますが、F-14は個人的には今でもアメリカの戦闘機の中では1番カッコいいと思います。

 


今は使われていないギミックで可変翼を備えています。

f:id:kazuma_kazama:20200404021633j:image

出典Amazon.co.jp


空母からの発艦シーンなど、見どころ満載です。

 


朝焼けや夕焼けの茜色のシーンが多く映像へのこだわりが見受けられます。

 


この映画の成功はドラマパートにあると言えます。

 


軍事面に重きを置いていると、ミリタリーマニアにしか受けなかったでしょう。

 


このトップガンは戦闘機ものでありながら、青春学園ものであり、教官とのラブロマンスでもあります。

 


音楽もこだわったおしゃれなトレンディドラマです。

 


設定も日本のアニメにありそうな感じです。

 


主人公マーヴェリックは勘で飛ぶ天才肌のパイロットで技術は優秀なのだが、素行不良で問題のあるパイロットです。

 


入校の前日のパーティーで、女性をナンパするチャラい面も見せます。

 


で、そのナンパした相手が、美人教官のチャーリーだったという王道パターンです。

 


文章にすると安っぽい気がしますが、いい感じです。

 


マーヴェリックと同じ戦闘機に乗るグースとの友情もなかなかの見どころです。

 


ライバルのアイスマンとの競争をもう少し描いて欲しかった気がします。

 


昔観たときはアイスマンが嫌なヤツだった印象がありましたが、あらためて観るとマーヴェリックが嫌なヤツで、アイスマンが正論を言っているということに気がつきました。

 


私も歳をとったんですね。

 


チームワークを乱すマーヴェリックがカッコよく思えなくなって来ました。

 


チャーリーも挫折したマーヴェリックをとっとと見切りをつけて、復活したらヨリを戻してくる嫌な女と思っていましたが、今は理解できます。

 


大人の恋愛です。

 


戦闘機と恋愛とツボを押さえた優秀な作品です。

 


是非、観てみて下さい。

 


ところで、F-14といえばアフターバーナーというゲームをご存知でしょうか。

 


ゲームセンターで、座席がコックピットのようになっていて、操縦桿に合わせて座席が稼働するという当時は画期的な筐体でした。

 


トップガンに憧れる友人達と隣町のゲームセンターに通っていました。

 


ワンゲーム200円と高額なので、あまりできませんでしたが、コンティニューは100円なので、誰かがゲームオーバーになったらすかさずコックピットに乗り込んでコンティニューするんです。

 


操縦桿を握り、スロットルレバーを全開にして束の間のパイロット気分を味わっていました。

 


今、見ればそんなにリアルな映像でもないのですが、トップガンの世界でした。

 


少年時代の憧れの空でした。

 


それほどF-14はカッコ良かったんですね。

 


今年、トップガンの続編が公開されるそうです。

 


そちらも楽しみです。

 

 

 

ブラック・スワン

 

 

第103回目はブラック・スワンです。

 

f:id:kazuma_kazama:20200401212823j:image

出典amazon.co.jp


2010年のアメリカ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


白鳥の湖」を演じるバレリーナの物語です。

 


こういう舞台演目を最後に披露して終わるスタイルの映画は結構ありますね。

 


日本で言うとスイングガールとかウォーターボーイズなんかが、それに当たると思います。

 


しかし、それらとは違ってこのブラック・スワン、中身はサイコスリラーになっているので、注意が必要です。

 


痛々しいシーンもちょこちょこ出てきます。

 


美しいバレエの映画だと思ってウッカリ観てしまうと痛い目にあいます。

 


さて、バレエには関心のない私ですが、

白鳥の湖」はなんとなく知っています。

 


まず「白鳥の湖」のストーリーから簡単に紹介したいと思います。

 


主人公はオデット姫。

 


ある日、オデット姫は悪魔に白鳥の姿に変えられてしまいます。

 


その頃、王子が結婚相手を探すために舞踏会を開きます。

 


ある晩、王子は湖で白鳥に遭い、夜になると魔法が解けて元のオデット姫の姿に戻るのを目撃します。

 


王子はオデット姫に舞踏会に来るように誘います。

 


ところが、それを知った悪魔はオデット姫を捕らえ、代わりに悪魔の娘のオディールを差し向けます。

 


オディールは魔法でオデット姫の姿をしており、王子は見抜けずにオディールに求婚してしまいます。

 


失意の中オデット姫は命を絶ってしまいます。

 


だいたいこんなストーリーです。

 


白鳥の湖にはハッピーエンド版や王子とオデット姫の心中エンド版などがあるそうですが、本作では原典の自殺版が採用されています。

 


さて、映画のストーリーです。

 


主人公は若手バレリーナのニナ。

 


ニナは清純で美しくバレエの技術も完璧でした。

 


まさにオデット姫を演じるに相応わしい女性でした。

 


しかし、白鳥の湖ではオデット(白鳥)とオディール(黒鳥)の両方を演じるなければなりません。

 


オディールは妖艶で魅惑的でなければいけません。

 


しかし、清純派のニナには黒鳥を演じるだけの表現力がありませんでした。

 


振り付け師のトマにダメ出しをされて、ニナはプレッシャーを感じます。

 


セクハラも受けます。

 


官能的な演技にニナは戸惑います。

 


一方、ニナには元バレリーナの母親がいます。

 


この母親が、自分の夢を子供に押し付ける典型的なステージママで、ニナに精神的な抑圧をかけています。

 


異様な娘への執着心が感じられます。

 


というか、バレエを諦めた怨念です。

 


母親がニナにはプレッシャーだったのです。

 


さて、バレエ団にはベテランバレリーナのベスがいましたが、バレエ団のイメージチェンジのために引退させられました。

 


ニナはベスから主役を奪ってしまった形になり、そのこともプレッシャーになっていました。

 


さらに妖艶で魅惑的な黒鳥に相応わしいリリーが入団してきます。

 


ニナはリリーに主役を奪われてしまうのではないかと恐れます。

 


母親、振り付け師、ベテラン、新人と四方からプレッシャーをかけられ、ニナは精神崩壊していきます。

 


自傷行為、幻覚など様々な現象がニナを襲いますが、果たしてニナは無事に演じることができるのでしょうか。

 


是非観てみて下さい。

 


108分と短めですが、充分に面白いと思います。

 


バレエに興味がない人でも楽しめます。

 


逆にバレエ経験者が観たら、どんな感想なのか興味があります。

 


全体的には暗くて薄気味悪く、出血もあるので、苦手な人もいるかもしれません。

 


でも、精神的倒錯が描かれていて引き込まれてしまいます。

 


ラストのバレエのシーンは短いですが見応えがあります。

 


白鳥から黒鳥に変貌するところも良かったと思います。

 


効果音などの演出も、現実感を狂わせるような感じです。

 


多分、私はバレエを鑑賞することはないと思いますが、バレエの良さが感じられます。

 


最後にの最後でニナがどうなったととらえるかで映画の評価が分かれる気がします。