第212回目は「秘密の花園」です。
1993年のアメリカの映画です。
*以降ネタバレ注意です。
前回と同じく児童文学映画の「秘密の花園」を観てみました。
※前記事 「リトル・プリンセス」(原作 小公女)
原作は「小公女」と同じくフランシス・ホジソン・バーネットの著作です。
相変わらず、原作は読んだことがありません。
あらすじを母に聞いたことがあるくらいです。
「秘密の花園」というタイトルに、いかがわしさを感じるのは私だけでしょうか?
そう聞こえるのは私の心が汚れているからでしょうか。
ごく普通の児童文学映画でした。
家族で観ても大丈夫でしょう。
ただ、全体的な雰囲気が暗いのが残念です。
この映画のテーマはいかに家族の死を受け入れるか、ということです。
それは非常に難しい事だとは思いますが、死を乗り越えていく姿が描かれています。
そういう意味では重たい映画です。
物語はセーラと同じくインドで暮らしていた少女メアリーが主人公です。
メアリーはあまり両親に愛情を注がれていなかったために、ワガママに育ちました。
ある日、地震による火災でメアリーは両親を亡くしてしまいます。
その後、メアリーはイギリスに住む叔父に引き取られました。
叔父は妻(メアリーの母の妹)の死に心を病んでおり、病弱な息子のコリンともコミュニケーションを取れない状態でした。
メアリーとも壁を作ってしまいます。
メアリーは叔父の館で半軟禁状態でしたが、こっそりと抜け出したりして、自由奔放に過ごしていました。
ある時、メアリーは亡くなった叔母の閉鎖された庭園を発見します。
全く手入れされておらず、荒れ放題の庭園でした。
メアリーはコリンと牧童のディコンと共に庭園の再生に取り組みます。
そして秘密の花園が再生した時……。
是非、一度観てみてください。
この物語は意外にも、メアリーが両親の死を克服するのではなく、叔父のクレイブンが妻の死を受け入れるかが主題の映画でした。
元々、愛情の薄かったメアリーは案外早々に立ち直ってしまいます。
それはそれで良いことだと思います。
因みに、私の妄想ではメアリーと小公女セーラはインドで友達だったことになっています。
メアリーとセーラは性格が正反対で面白いです。
メアリーの方がワガママで、おてんばという感じです。
しかも、かなりの貴族階級だと思われます。
根っからのお嬢様育ちです。
出来れば「リトル・プリンセス」と見比べてみて欲しいです。
メアリー、ディコン、コリンの三角関係がほんわかしていて面白いです。
しかし、ディコンの方が分が悪い気がします。
コリンは従兄弟ですけど貴族ですから、平民のディコンは勝ち目がありません。
そうなってくると、花園再建を手伝うだけ手伝わされて、捨てられるディコンが可哀想。
ですけど、勝負はまだまだこれからです。
そもそも、メアリーやコリンが好きな相手と結婚できるとも限りません。
貴族ですから、政略結婚の道具にされるなんてことは往々にして、ありえるかもしれません。
どうなるかは判りませんが、幸せになって欲しいものです。
さて、実は私は作品としての「秘密の花園」の出来はイマイチに感じました。
花園がもっと美しければ、最高の作品になったかもしれません。
やはり花が満開の花園を想像するじゃないですか。
でも実際は三分咲きくらいだった気がします。
もちろん、そこはストーリー上重要ではないのですけど。
花園が家族の絆になることが美しいのであって、花園自体はキッカケに過ぎないのです。
でもね、ちょっとガッカリでした。
あとは叔父のクレイブンがクズ野郎だということです。
妻を亡くしたことは同情しますが、息子のコリンに対して育児放棄をしています。
それには理由もあるのですが。
「納得いくか、バカヤロー!」という気がします。
一応、ハッピーエンドなので文句はありませんが、クレイブンは信用できません。
都合よく手のひらを返したとしか思えません。
それでもコリンが幸せならしょうがないか。
ちょっと引っ掛かる場面もありますが、お子様と鑑賞することをお勧めします。
ところで、
10年くらい前に母親に聞いた「秘密の花園」あ
らすじですが。
母
「お母さんが亡くなってな、お母さんの庭に入るねん」
私
「ふむふむ」
母
「そこに殺人鬼がおってな。殺されてしまうねん」
私
「えぇっ?」
母
「で、その殺人犯が不思議な力持ってて病気とか治すねん」
母の語る衝撃のあらすじに絶句してしまいました。
しかし今回、母のあらすじが間違いであり、どうやら母が「グリーンマイル」と勘違いしていることが解りました。
母はちょいちょい複数の映画がごっちゃになった話を聞かせてくれるので、私は大好きです。