第209回目は「トロイ」です。
2004年のアメリカの歴史戦争映画です。
*以降ネタバレ注意です。
私は神話が好きです。
中でも、ギリシャ神話は面白いエピソードが沢山あるので、興味が尽きません。
ギリシャ神話は、それこそ世界の成り立ちから始まり、神々の時代を経て、人間の時代へ移り変わるところが面白いのです。
この映画は人間の時代の「トロイア戦争」を題材にしています。
ひと昔前は神話として信じられていましたが、19世紀末ごろにシュリーマンによってトロイア遺跡が発見され、史実として認知されるようになりました。
もっとも細かいところは想像なのだと思いますが、トロイア戦争があったのは確かでしょう。
この映画は神話のストーリーをベースにしつつ、神話的要素を排除した歴史映画として作られています。
神話では女神ヘラとアテネとアフロディーテの3人が誰が一番美しいかで、論争になります。
そこでトロイアのパリスが判定することになりました。
結果としてアフロディーテが優勝することになりました。
パリスは謝礼として、世界一の美女を手に入れることになりました。
しかしその美女は人妻でした。
だいぶ簡単に書きましたが、トロイア戦争にはこのような神話的導入部分があります。
この部分はカットして、史実として映画にしています。
それはそれで、良い作品になったと思います。
物語は敵国同士であったトロイとスパルタによる和平が結ばれた日から始まります。
スパルタのメネラオス王とトロイの王子ヘクトルが和平交渉している間に、ヘクトルの弟パリスはメネラオスの妻と密通していました。
あろうことか、トロイに帰国する際、パリスはヘレンをさらってしまいます。
ヘクトルはパリスに激怒しますが、ヘレンをメネラオス王に返すにも手遅れだと判断しました。
こうしてヘクトル達は逃げる様にトロイへと帰りました。
こうしてスパルタとトロイの和平は脆くも崩れ去り、戦争へと発展します。
主人公のアキレスはスパルタ側の傭兵として戦争に参加することになります。
果たしてトロイとスパルタ(ギリシャ連合軍)、勝利の栄冠はどちらに?
アキレス、ヘクトル、パリス、ヘレンの運命は?
是非、観てみてください。
剣劇アクションが好きな人にはオススメです。
トロイは巨大な城壁になっており、難攻不落の城塞国家になっています。
なので、古代の攻城戦がたっぷり楽しめます。
序盤の上陸シーンも、古代のノルマンディ上陸作戦という感じで、迫力があります。
アキレスの個人的な戦果も見どころですが、彼が率いる傭兵団の活躍も圧巻です。
あと、全編にわたる愛憎劇が見どころでしょうか?
親子愛や兄弟愛なども描かれています。
パリスとヘレンの略奪愛ですが。
パリスを応援するか、許さないかで映画の見え方は随分と変わってしまうでしょう。
私はパリスを許さない派です。
やっぱり人妻に手を出すのは良くないですし。
ましてや戦争を招く様な行動を許すわけにはいきません。
たとえヘレンが夫を愛していないとしても、許されないでしょう。
パリスとヘレンの純愛物語として観れなくもないですが、私には難しいです。
忘れていけないのは「トロイの木馬」です。
なかなかの再現度で私は気に入っています。
多少、私の知っている神話とは違う部分もありますが、それはそれで楽しめる作品だったと思います。
結末には釈然としない人が多いかも知れません。
私はまあまあ受け入れられました。
163分(ディレクターズカット版は196分)と長めの映画ですが、退屈はしませんでした。
攻城戦のじれったさがあって、長さも面白さのウチかと思います。
戦記物が好きな人にはオススメしておきます。
ところで、ギリシャ神話の最後がどうなるのかご存知ですか?
私も最近知ったのですが。
で、その末裔であるロムルスとレムスという兄弟へと繋がっていきます。
そのロムルスとレムスが作った街はローマとなりました。
凄くないですか?
私は感動しました。
ギリシャ神話から、ローマの歴史が始まるなんて、素敵じゃあーりませんか。
歴史の1ページとして、是非観て欲しい映画です。