カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

戦国自衛隊

第181回目は「戦国自衛隊」です。

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出典amazon.co.jp

 


1979年の日本のSF時代劇です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


戦国時代に自衛隊がタイムスリップしたら、どれくらい戦えるのか?

 


そんな架空戦記です。

 


割と好きな映画です。

 


物語は伊庭義明 三等陸尉が率いる自衛隊の一部隊が戦国時代にタイムスリップしてしまうところから始まります。

 


やがて、当地の武将である長尾景虎と親密になり、ともに天下を目指すというストーリーです。

 


前半はタイムスリップに困惑しながらも、順応していく過程が描かれます。

 


後半は自衛隊VS武田信玄の戦いとなります。

 


合戦シーンは見応えがあります。

 


私はこの映画が好きであると同時に、不満も沢山あります。

 


戦国武将の描写は抜群に面白いのですが、自衛隊の演出が若干物足りない感じがします。

 


武田信玄の軍隊の戦法は迫力もあり、強さも恐ろしさも感じます。

 


ところが、自衛隊があまりにも弱そうです。

 


規律は乱れ、士気は低く、メンタルも弱い。

 


到底、自衛隊とは思えません。

 


タイムスリップしてパニックになっているのかも知れませんが、どうにもだらしのない感じがします。

 


それに戦術面でも、余程自衛隊らしくない戦いをします。

 


好戦的な時点で自衛隊らしくないですけど。

 


自衛隊の戦力は戦車が一台とヘリコプターが一機(戦闘ヘリではない)とジープやトラックのみ。

 


兵員は僅か16名。

 


対して武田軍は2万人。

 


まともに戦って勝てるはずがありません。

 


戦いの基本は戦力と補給と情報です。

 


そのいずれもが自衛隊は武田軍に劣っています。

 


燃料も銃弾も無限にあるわけではありません。

 


にもかかわらず、武田軍に正面衝突してしまいます。

 


無理、無茶、無策の三拍子です。

 


いくらマシンガンで連射が出来ても、30発も撃てばマガジンチェンジをしなければなりません。

 


マガジンも何個も持てませんし。

 


その隙に騎馬隊はどんどん接近してきます。

 


近接戦闘になれば不利は明白です。

 


これは、あまりにも近代戦闘らしくありません。

 


私の素人考えでは、先ずヘリコプターで本陣を探して武田信玄の所在を特定します。

 


そこに戦車で長距離射撃を加えます。

 


これが最善の策だと思います。

 


ヘリコプターから直接爆弾を落とせば良いのかも知れません。

 


この戦い方の方が理にかなっていると思います。

 


しかし、それでは映画としての絵面的に盛り上がりに欠けてしまいます。

 


自衛隊と戦国武将の合戦を描きたいわけですから、やむを得ないでしょう。

 


せめて10倍くらいの戦力があれば、もっといい勝負になったかもしれません。

 


しかし、それでも合戦シーンは屁理屈抜きなら見事です。

 


騎馬隊、鉄砲隊の使い方が満点です。

 


そして、なんだかんだ指揮官の伊庭義明の活躍に目を奪われてしまいます。

 


伊庭義明が戦国時代に魅了されていく過程がこの映画の見どころなのです。

 


自衛隊の戦いと言うよりは伊庭義明個人の私闘なのです。

 


伊庭義明の盟友となった長尾景虎との交流もまた感動するところです。

 


これもまた戦国ならではの演出だと思います。

 


それなりに残酷で女性の扱いが酷かったりと、批判する部分も多いですが、私はなかなか面白いと感じました。

 


興味ある人は是非一度、観てみてください。

 


あと長尾景虎がお茶目で面白かったです。

 


こんな長尾景虎は見た事がありません。

 


伊庭義明と長尾景虎の時代を超えた友情が良かったです。

 


♫友達になれたらいい〜

         それ以上は望まないさ〜♫