シン・ウルトラマン鑑賞記念として、10年前2012年にmixiに投稿した記事を再投稿しています。
すでに飽きられているかもしれませんが、今回はダダと対決します。
第4話人間標本5と6
ダダA
ダダ
「ダッダー」
カズマ
「あれ?ダダさんじゃありませんか」
ダダ
「ダッダー(何処かでお会いしました?)」
カズマ
「失礼しました。よく日本橋のフィギュアショップでお見掛けしたので、つい」
ダダ
「ダッダー(そうでしたか)」
カズマ
「で、何か相談ですか?」
ダダ
「ダッダー(実はとても困ったことになったんです)」
カズマ
「どうしたんです?」
ダダ
「ダッダー(私、フィギュアのバイヤーをやってるんですけど。)」
カズマ
「あっ、それでよくフィギュアショップにいらっしゃるんですね」
ダダ
「ダッダー(いやっ、それは個人的な趣味でして。私が扱ってるのは、このミクロ化機銃で人間を小さくしてフィギュアとして売るんですよ)」
カズマ
「そんな仕事をなさってるんですか?」
ダダ
「ダッダー(ところがですよ。ミクロ化した人間の能力測定器を破壊されてしまったんです。あぁっ、もう締め切りが迫っているのに)」
カズマ
「修理の申し込みですか?」
ダダ
「ダッダー(実は会社の金を遣い込んでしまって、もう修理代も払えない状態なんです。)」
カズマ
「一体、何に使ったんです?」
ダダ
「ダッダー(ついついフィギュアを集めてる内に、借金が膨らんで、こうなったら人間をフィギュアにして売るしかないんです。どうか協力してくださいよ)」
カズマ
「申し訳ございませんが、そういった件には協力できない決まりなんです」
ダダ
「ダッダー(そこを何とか。そうだ、この書類を見てください)」
カズマ
「何です?」
ダダ
「ダッダー(調査捕人許可証です。調査のための捕人は認められてるんですよね)」
カズマ
「でも、これ非公式な上に、完全に商業目的ですよね」
ダダ
「ダッダー(そこを何とかお願いします。優秀な人間を紹介してくれるだけで良いんです。能力測定器が壊れてるんで、可能な限り優秀な人材でお願いします。でないと買い取って貰えないんです」
カズマ
「そう言われましても……いや、私はダメですよ。そんな目で見ないでください」
ダダ
「ダッダー(解ってます。政府関係や公務員は調査捕人の対象外ですから。それに……いや、何でもありません)」
カズマ
「そうですか。仕方ありません。解りました。お引き受けしましょう。ただし、ターゲットはこちらで捕獲します。ミクロ化機銃を貸していただけますね」
ダダ
「ダッダー(どうぞ、ヨロシクお願いします)」
カズマ
「任せて下さい」
ダダ
「ダッダー(あれ?腕、ケガしてますね?)」
カズマ
「あっこれ?先日ちょっと機械いじりをしてたら切っちゃいましてね。大丈夫。問題ありませんよ。また後日、取りに来て下さい」
ダダ
「ダッダー(ヨロシクお願いします。ではまた後日)」
カズマ
「もしもし、ターゲットの確認お願いします。」
ダダB
ダダ
「ダッダー(こんにちは。例の件どうなりました?)」
カズマ
「ご用意できてますよ。こちらがA元首相で、こちらがM元首相です。首相になる程ですから、能力値は問題ないでしょう」
ダダ
「ダッダー(いや、政府関係はマズいんですけど)」
カズマ
「心配ありません。彼らは前回の選挙で落選していますので、規制対象外です」
ダダ
「ダッダー(そうでしたか、ありがとうございます。でも、本当に良かったんですか?)」
カズマ
「何をいまさら、構いませんよ。彼らは首相時代に調査捕人協定に自ら調印したんですから、彼らも本望でしょう」
ダダ
「ダッダー(なるほど)」
カズマ
「あっダダさん?あれ?そういえば、お顔が少し……」
ダダ
「ダッダー(実はあれから何度か命を狙われまして、変装しているんです)」
カズマ
「一体だれが?」
ダダ
「ダッダー(スペドベですよ、スペドベ。スペースドーベルマン、反捕人団体ですよ。もう何とかしてくださいよ)」
カズマ
「解りました。そちらの方も何とかしましょう」
ダダ
「ダッダー(頼みますよ。でも、これで本社に帰れます。ありがとうございます)」
カズマ
「どういたしまして。お気を付けてお帰りください」
ダダ
「ダッダー(ご恩は忘れません。それじゃ、さようなら)」
カズマ
「もしもし、例のモノ、見つかりましたよ。ええ、よろしくお願いします」
ダダC
カズマ
「あれ?ダダさん?ダダさんですよね」
ダダ
「ダッダー(シーッ、大きな声で呼ばないでください。顔、また変えたのに何で解ったんです?)」
カズマ
「髪形ですかね。まだ命狙われてるんですか?」
ダダ
「ダッダー(実は本社からも追われてまして。)」
カズマ
「なんでまた?」
ダダ
「ダッダー(せっかくやってもらって言うのもなんなんですが、例の元首相、能力値が低かったんです)」
カズマ
「えっ、申し訳ありません。私のせいなんですね。」
ダダ
「ダッダー(いえいえ、気にしないで下さい。元はと言えば私が会社の金に手をつけたのが悪かったんです)」
カズマ
「でも、それで命を狙われるなんて酷いじゃないですか」
ダダ
「ダッダー(そうでしょう。しかも死にたくなければウルトラマンをフィギュアにしてこいなんて無茶振りをしてきたんで、逃げ出したんです)」
カズマ
「ウルトラマンってあの。」
ダダ
「ダッダー(そう狙った獲物は3分以内に必ず仕留める、宇宙の殺し屋ウルトラマンです)」
カズマ
「それはメチャクチャですね」
ダダ
「ダッダー(でしょう。私はもう足を洗って、普通のフィギュアのブローカーになるって決めたんです)」
カズマ
「じゃ、今日は買い付けに日本橋にいらしたんですか?」
ダダ
「ダッダー(ええ、日本のフィギュアは人気がありますから、特にケロン人にはよく売れるんです。今日は何か掘り出し物がないか探しに来たんです)」
カズマ
「それなら角のイエサブに行ってみてはどうです?今日は良いものが、たくさんありましたよ。ちょうど私も頼まれモノを探しに行って来たところです」
ダダ
「ダッダー(何から何までご親切に。あっそうだ。返品された元首相は家に戻しておきましたから)」
カズマ
「そうですか、別によろしかったんですよ」
ダダ
「ダッダー(そういうわけにも行きませんよ。ではまた、何処かでお会いしましょう)」
カズマ
「さようなら」
カズマ
「もしもし、例のモノは角のイエサブにあります。今なら間に合うはずです。では……」
おしまい