シン・ウルトラマン鑑賞記念として、10年前2012年にmixiに投稿した記事を再投稿しています。
いよいよ、最終話となりました。
ですが、内容はウルトラマンの第1話をもとにしています。
第6話ウルトラ損保第1号
「カズマ…、カズマ…。」
カズマ
「誰です?」
「私はM78星雲から来た宇宙人だ。」
カズマ
「地球に、いや私に何の用です?」
「最近、地球では怪獣が頻繁に現われてるそうじゃないか?」
カズマ
「それがどうしたんですか?」
「そこでだ。我々が提供するウルトラ怪獣損害保険サービスに加入しないか?」
カズマ
「何です?それ?」
「簡単に言えば、保険料を納めてくれれば、怪獣を私が退治しようと言うわけだ。」
カズマ
「怪獣を退治していただけるのはありがたいですが、保険料はどれくらいになるんです?高いんじゃないですか?」
「ハッハッハ、心配には及ばない。確かに金額は高いが、地球を担保に…、いやいや地球を我々の母星、光の国に帰属するという書類にサインすれば、資源を保険料として、納めることができるんだ」
カズマ
「そんな、地球を売り渡すようなマネはできません」
「何も侵略しようって訳じゃない。光の国連合に加盟していれば、ほかの宇宙人は簡単に手出しできないし。怪獣に滅ぼされるよりはいいだろう?」
カズマ
「それはそうですが。」
「では、早速この書類にサインを。あっ六枚複写なんで、しっかり強めに書いて」
カズマ
「待ってください。地球はまだ私の物じゃないんですよ。私が勝手に決める訳にはいきません」
「んー、例えばカズマが世界征服を企んでいるとしよう」
カズマ
「なっなっ何を言ってるんです。私がそんなこと考えるわけないでしょう」
「まーまー例えば。で、それを我々が手伝うとしよう」
カズマ
「ホントですか?」
「例えばだって。で、征服がなった後なら契約は有りだろう?」
カズマ
「それならばアリかも」
「じゃ、間は省略してサインしても有効でいんじゃね」
カズマ
「訳がわかりません」
「ハッハッハ、宇宙では不思議な事が普通に、まかり通るのだよ。松本零士も言っている」
カズマ
「要するに、変ってことですね。」
「慣れだよ、慣れ。どうせ怪獣に滅ぼされればお終いなんだし、ここは地球のためだと思ってサインしなさい」
カズマ
「解りました。とりあえず契約内容を確認します」
「宇宙国際法では、太陽系の一番外側の惑星の一番外側の衛星の公転軌道で太陽から最も離れた場所を半径とした球状のエリアが地球人のテリトリーとなり、この内側に侵入した怪獣は私が退治する。また、怪獣退治経費を含む保険料として、太陽系で地球人がまだ開拓していない惑星資源の最大30%まで換金して支払っていただく。悪い話じゃないだろう?」
カズマ
「結構、取るんですね」
「怪獣の与える被害から見れば良心的だと思うが?」
カズマ
「侵略宇宙人はどうなるんです?」
「最近は侵略なんて、不粋なマネをする奴はいないよ」
カズマ
「そうなんですか?」
「ただし、移民してくる宇宙人には気をつけた方がいい。奴らは合法的に入り込み、繁殖して最終的に乗っ取ってしまうからな」
カズマ
「それを侵略って言うんじゃないですか?」
「宇宙国際法では合法なんだな」
カズマ
「失礼ですが、もし怪獣を退治できなければ、どうするんです?あなたが逆に怪獣に倒された場合?」
「そんなことは有り得ないが、万が一の場合は代わりのウルトラマンが派遣される」
カズマ
「では、ウルトラマンが倒せなかった怪獣を我々が倒したら?」
「そんなことはウルトラマンの名誉にかけて断言するが、有り得ない。もし地球人が我々の倒せなかった怪獣を倒したなら、契約不履行として、そこまで支払っていただいた保険料は全部お返しする!」
カズマ
「解りました。そこまで言うならサインしましょう」
「おっ、さすがカズマ。話が分かる」
カズマ
「本当に、信用しますよ」
「はいっ、まいど。これで地球はワシのもん。あーいや、光の国の一部になったよって、ワシらも兄弟みたいなもんや。仲良くやりまひょー」
カズマ
「サインした途端、関西弁に」
「まー、打ち解けたってことやん。ほな、早速ベムラーのやつ、パチコーンいわしてきたるわ」
カズマ
「えっ、ベムラーって怪獣の名前、知ってるんですね」
「よー知ってんでー。なんちゅーても専門家やさかいな」
カズマ
「じゃ、なんで最近、地球に怪獣が沢山現れるか解ります?」
「あー、地球の近くで逃がしてしもたからや」
カズマ
「えっ誰が?」
「……シュワッチ!」
カズマ
「あーっ!待てこらー!」
以上です。
ご愛読有り難うございました。
カズマ
「……もしもし、わたしです。……ええ、契約内容は確認しました。……はい、契約不履行の際、返金は私の口座に。……もちろん、あなたが私を地球代表に推薦してくださったお陰です。……後は例のモノを手配していただくだけです。……無重力弾の存在は知られておりません。……では、手筈通りに……、ミスター・ゼットン」
お終い。