第21回目はポセイドンアドベンチャーです。
*以降ネタバレ注意です。
1972年の作品です。
主演はジーン・ハックマン。
豪華客船ポセイドン号が地中海を航行中に、地震による津波より転覆してしまう。
乗船客たちは生死を別ける決断を迫られ、脱出を試みるという話。
元々、老朽化しているポセイドン号はバラストタンクに異常があり、転覆しやすい状態にあった。
そこに津波を食らったため、呆気なくひっくり返った。
180度、逆さまになるシーンが見せ場なのだろうけど、あまりできは良くない。
大晦日の晩餐会のシーンなのだが、テーブルは床に固定されているので良いのだが、椅子が天井(逆さまになった床)に張り付いたままになっている。
とにかくいろいろ不自然だ。
見どころと言えば言えなくもないか。
逆さまになった状態で、乗船客たちは最初の選択を迫られる。
1、このままジッとして救援を待つ。
2、水没する前に上部(この場合は船底)に移動する。
意見は2つに別れた。
この移動する派を仕切っているのが主人公のスコット牧師だ。
とにかく、このスコット牧師が怖い。
命がけで必死なのはわかるが、怒りっぽいわ強引だわで、嫌な感じなのだ。
とてもリーダーにしたいと思えない人物だ。
だが、映画を観ながら、私も上部に移動するのは賛成だった。
結果、牧師を含む10人程が上部に移動した。
その直後、大食堂は水没してしまう。
スコット牧師はサッサと割り切って先に進む。
次の選択肢は
1、船首に向かう
2、船尾に向かう
別の生存者グループに遭遇し、彼らは船首に向かうという。
スコット牧師は船尾のスクリュー附近の船底の鉄板が薄いので、船尾に向かうべきだと主張する。
映画を観ながら、私も船尾に移動することに賛成だった。
なぜなら、船首よりも船尾の方が幅が広いので空気だまりが多く、沈むなら船首から沈む筈だからだ。
映画の中でも既に船首方向の傾斜が下りになっている。
本当にこの判断が正しいかは判らないが、そんな気がする。
生死を分かつ判断というのは難しいものだ。
実際の話でトンネルの中を登るケーブルカーで火災が起きた。
トンネルなので、乗客は上へ逃げるか、下へ逃げるかの2択しかない。
火の手は下方で距離が長く、上方の距離は短い。
乗客は上に向かって避難しようとしたが、ある人が言った。
「下に向かって逃げろ」
下は火の手が上がり、避難が困難に思え、何人かは出口が近い上方へ向かった。
結果、下方に逃げた人は助かり、上方に逃げた人は助からなかった。
火災の煙が上に向かって行ったため、窒息してしまったのだ。
私も危機に際しては冷静に判断ができるようになりたい。
スコット牧師のような統率力も行動力もないが、正しい判断ができればいいと思う。
もしポセイドンアドベンチャーを観ることがあったら、自分だったらどうするか考えながら観ると面白いと思います。