第318回目は「ヤングガン」です。
1988年のアメリカの西部劇映画です。
子供の頃、私は銃が好きでした。
毎日のようにオモチャの銃を持ち歩き、出会った友人たちと、激しい撃ち合いをくりひろげていました。
当時の主な武器はいわゆる銀玉鉄砲と呼ばれるもので、バネで弾を飛ばす威力の弱い銃でした。
弾の価格は安くて、撃っても撃っても無くならないほどでした。
町内のあちこちに弾を隠して、補給しながら戦っていました。
しかし時代は移り変わり、BB弾が登場し空気圧で弾を飛ばすエアガンへと進化していきました。
もちろんエアガンは高価で、危険であるため、私は手に入れることができませんでした。
結局、エアガンを手に入れた友人の一人勝ちになってしまい、私たちの西部劇時代は幕を閉じてしまったのです。
兵器の進歩が平和をもたらすというのは、ある意味真理なのかもしれません。
私たちは銃を捨てました。
しかしながら、当時の私たちは馬の代わりに自転車を乗り回すヤングガンだったのです。
荒野の七人やクリント・イーストウッドになりきっていました。
それゆえに西部劇というのは、少年時代を思い出すようなジャンルの映画なのです。
中でもこの「ヤングガン」という映画は、懐かしい友人を思い出すような作品です。
西部劇が好きな人、もしくは西部劇に興味がない人も是非一度観てみてください。
大勢に追われながらウィリアム(ビリー)・H・ボニーは町に流れて来ました。
ビリーは牧場主のタンストールにかくまわれ、一時の平和を手に入れます。
タンストールは流れ者の青年たちを養いながら教育をほどこしていました。
しかし、ある時対立するマーフィー一味にタンストールが殺されてしまいます。
復讐のために、保安官となるビリーとその仲間たちですが…。
果たしてタンストールの仇は撃てるのでしょうか?
ビリーの運命は?
是非一度、観てみてください。
よく無法者なんて言葉を聞きますが、とにかく無茶苦茶です。
これが実話だというのだから驚きです。
アメリカはよく国家として、成り立ったものです。
それと銃が規制できなかったのも頷けます。
もちろんビリーも実在の人物で、ビリー・ザ・キッドという通り名で呼ばれていました。
私はこの名前をどこで知ったのか、もはや覚えていませんが、有名なので知っている方も多いのではないでしょうか?
とにかくイカれた野郎です。
まったく映画を観ていると、とある友人を思い出します。
ビリーを演じているのはエミリオ・エステベスです。
なんとチャーリー・シーンの兄なんだそうです。
ちなみにチャーリー・シーンも出演しています。
エミリオの狂気に満ちた演技は賞賛に値します。
一方、キーファー・サザーランドも出演しています。
キーファーといえば、どちらかと言うとならず者のような気がしますが、今回は良識派です。
その辺もキーファーの演技力と言ったところでしょうか。
何にせよ、自分の少年時代を思い出します。
さて、
続編の「ヤングガン2」も観てみました。
1990年の正当な続編です。
冒頭で自動車が出て来て、ちょっと戸惑いましたが、安心してください。
ちゃんとした続編です。
前作から数十年後、老人になった自称ビリーの回想から始まります。
内容は前作から21歳でビリーが死ぬまでとなっています。
えっ?
じゃあ、冒頭の老人は誰なんだって?
実は史実ではビリーは21歳で死んだことになっています。
しかし、のちにビリーを名乗る老人が現れたのですが、裁判では老人がビリー本人であるとは認められませんでした。
果たして老人は本物か偽物か?
歴史の真実はいかに?
是非一度観てみてください。
ちなみに、とある友人がビリー・ザ・キッドだとするならば、さしずめ私はパット・ギャレットだな。
などと感慨深く観てしまうのでした。