第316回目は「天使のくれた時間」です。
2000年のアメリカのクリスマス映画です。
皆さんには、運命の分岐点だったという瞬間があったでしょうか?
私としては、それなりに順当に進んできたような気もします。
もちろん、あの時こうしておけば良かったと思うところは何箇所もありますが、それほど大きな分岐点とは言えないと思います。
強いて言えば、あの時Beingの音楽スクールに通っていれば今頃、私はスターになっていたに違いありません。
大金持ちになって我が世の春を謳歌していたことでしょう。
しかし、そうしていれば今ある幸せは手に入らなかったかもしれません。
まあ、これで良かったのでしょう。
さて、この映画はあるカップルが空港で別れるシーンから始まります。
ジャックはロンドンの銀行に研修に旅立つところでした。
恋人のケイトはロウスクールに通っておりアメリカに残ります。
出国の寸前、ケイトはジャックを引き止めますが、出世にかかった研修にジャックはケイトとの別れを選択します。
それから13年後、ジャックは大手投資会社の社長に登り詰めていました。
超金持ちで、女にも不自由なく暮らしていました。
クリスマスも仕事でいっぱいのジャックですが、ある時コンビニでトラブルに巻き込まれてしまいます。
銃を取り出した黒人キャッシュを説得するジャックは、「自分はなんでも持っている」と言ってしまいます。
その翌日ジャックは目覚めると、見知らぬ家で、恋人だったケイトと結婚しており、子供までいる世界線になっていました。
果たしてこれは夢なのか?
それとも天使のくれた時間なのか?
キャッシュは天使だったのか?
是非、クリスマスに観てみてください。
突然、違う人生になっていたらというシチュエーションはよくある話ですが、
いかにその世界に順応するかが、その作品の見せどころだと思います。
この作品は結構順応するまでに時間をかけて丁寧に描かれている気がしました。
ジャックを演じているのはニコラス・ケイジなのですが、あの困った顔が見事にハマっています。
恋人ケイト役はティア・レオーニが演じています。
他の作品でも見たことがあるようですが、記憶に残っていませんでした。
しかし、今作ではキュートな演技で、今まで気づかなかったのが不思議なくらい印象的でした。
また、娘アニー役のマッケンジー・ヴェガも好印象でした。
なかなか演技が上手な子役です。
なんだかんだで人生のやり直しを体験したジャックですが、
どっちに転んでも、社長なんですよね。
大手投資会社か、タイヤ屋さんの社長では全然レベルが違うのかもしれませんが。
ジャックが愛を持っていないわけでもないと思います。
ただ、投資会社のジャックは基本的に嫌なヤツなんですよ。
愛以前にもっと大事なものを失ってしまっていたのではないでしょうか。
そういう意味では共感できる映画です。
僕が人生をやり直すには幼稚園くらいでないと、取り戻せないような気がします。
さて、今日はクリスマスなので、是非観てみてください。