第315回目は「終わりに見た街」です。
出典テレビ朝日
2024年9月に放送された終戦記念TVドラマです。
この作品は3度目の映像化です。
1度目は1982年でした。
当時、まだ子供だった私にトラウマを植え付けた作品です。
私の核兵器恐怖症は、この作品が少なからず影響していると思います。
というのも、この映画のシチュエーションに似た夢を何度も見てしまうからです。
それほど印象的な作品でした。
さて、そんなドラマがリメイクされたわけですが、私は自分のトラウマと対決するために鑑賞することにしたのです。
大人になってから観たら大したことはないだろうと思っていました。
確かに恐怖は感じませんでしたが、理不尽さは相変わらずでした。
物語は現代の一家族が戦時中の昭和19年に、タイムスリップしてしまうところから始まります。
現代人の感覚と戦時中の人々の思考にギャップを感じつつ、翻弄されていきます。
なんとか時代に馴染んでいく家族ですが、次第に戦争の被害を避けるために歴史を変えることを思い付きます。
果たして一家は現代に帰れるのでしょうか?
歴史は変えられるのでしょうか?
是非、観てみてください。
今回のリメイク版の主人公は大泉洋が演じています。
戦争時代に翻弄される姿がよく似合います。
大泉洋は僕の中で、最近は評価が急上昇中です。
もう1人、主人公の相方として堤真一が出演しています。
こちらは戦争時代に順応し、飄々と生き抜いていこうとします。
このコンビがなかなか秀逸です。
見事にマッチングしたキャスティングだと思いました。
この2人の軽妙なやり取りが、物語を上手く運んで行くのです。
さて、
皆さんは、もしも第二次世界大戦で日本が勝利していたらと、考えたことはあるでしょうか?
私も考えないではありませんが。
結論としては、結果的に戦争に負けて良かったのだろうと思っています。
もしも、日本帝国のような軍国主義が今も続いていたらと思うとゾッとします。
戦争で失ったものは多くあるとは思いますが、平和を手に入れられたことは良かったのだろうと思います。
たとえ、敵国に押し付けられたものだとしてもね。
もちろんそれは現代人だから言えるわけで、
戦時中に生きていたらとても言えなかったでしょう。
私が、もし戦時中にタイムスリップしてしまったなら、まず山本五十六に会うことを目標とするでしょう。
そして、この戦争が勝てないこと、未来の日本がどうなっているかを語るでしょう。
そして大事なことは、現代では某国がアメリカの敵になっていると言うことです。
つまり、日本は未来に向けてアメリカと共存の道を歩むべきだったのです。
たとえ日本が占領した領土を、アメリカに献上したとしてもです。
しかしながら、それではこのドラマのような結末になる可能性は否定できません。
あの戦争は負けるべきだったのか?
それとも勝てるならば、勝つべきだったのでしょうか?
そんなことを考えさせられる作品です。
おそらく10年後か20年後かに、またリメイクされるかもしれないので、機会があれば是非、観てみてください。