第275回目は「ドラキュラ」です。
1992年のアメリカ・イギリス・ルーマニア合作のホラー映画です。
*以降ネタバレ注意です。
私はヴァンパイアものの映画が好きなのです。
ヴァンパイアの元祖といえば、やはりドラキュラでしょう。
厳密に言えば、ヴァンパイア自体はもっと昔から伝承として伝えられてきたので、元祖とは言えないですけど。
作品としてヴァンパイアのイメージを決定づけたのはブラム・ストーカー原作のドラキュラに他なりません。
私にとっては、子供の頃に見たアニメ「闇の帝王吸血鬼ドラキュラ」が最初でした。
ただし、内容は全く記憶にありません。
その後、アニメ「怪物くん」でドラキュラ、フランケン、オオカミ男が登場し、親しみが湧くようになりました。
あと、ゲームでは「悪魔城ドラキュラ」なんていうのもありました。
出典 駿河屋
この様にヴァンパイア=ドラキュラという構図は長い間、受け継がれてきたのです。
中にはドラキュラがヴァンパイアの始祖であるとする作品もあり、私もすっかりその様にインプットされていたのであります。
最近ではヴァンパイアも多種多様になりまして、ドラキュラの名前も聞かなくなってきました。
私としては寂しい気もします。
さて、今回の「ドラキュラ」はブラム・ストーカーの原作にかなり忠実に実写化されたそうです。
私は原作を読んだことはありませんけど。
なかなかに見応えのある作品となっていました。
物語は1462年のルーマニアのトランシルバニアから始まります。
トランシルバニア城の城主ドラクルはトルコ軍との戦争に出征していました。
そして、城に残されたドラクルの最愛の妻エリザベータのもとにドラクルの訃報がもたされます。
司祭から自殺した者の魂は神に救われないと聞かされたドラクルは神を呪ってしまいます。
時は流れて1897年。
イギリスに住む弁護士ジョナサンはドラキュラ伯爵からの依頼で、ルーマニアのトランシルバニア城に向かいました。
ドラキュラ伯爵がイギリスの土地を購入する手続きのためでした。
ドラキュラ伯爵はジョナサンの持つ婚約者ミナの写真を見つけます。
ミナはドラキュラ伯爵の亡き妻に瓜二つでした。
そしてドラキュラ伯爵はジョナサンからミナを奪いとることにしました。
果たして、ジョナサンとミナの運命は?
ドラキュラ伯爵の正体とは?
是非、観てみてください。
ヴァンパイアものが好きな人は必見です。
実に妖しく美しい映像でした。
ヴァンパイアの不気味さが見事に映像化されています。
ドラキュラはコウモリ、オオカミ、ネズミなどに変身できると聞いていましたが、そのあたりも見事でした。
ドラキュラの力が堪能できて満足です。
ストーリー面では若干、ドラキュラに同情的になってしまいました。
見方によってはドラキュラとミナのラブストーリーと見れなくもないのですが。
ちょっとドラキュラを応援したくなってしまいました。
どちらかというと人間の味方のヴァン・ヘルシング教授の方が恐ろしく感じました。
ジョナサンにはドラキュラ伯爵が美女ヴァンパイア3人を当てがったので、ミアを譲ってくれても良かったのではないでしょうか。
その気になれば、ドラキュラ伯爵はジョナサンを殺すことだってできたのに。
ひょっとしたらドラキュラ伯爵は案外良いヤツなのではないでしょうか。
とは言え、ヴァンパイアなので人間を捕食しているので、やはり見逃すわけにはいかないでしょうか。
ひょっとしたらミアを手に入れたら改心して、血を吸わずにトマトジュースで我慢する様になったかもしれません。
残念なことです。
モンスターホラー映画としてではなく、恋愛映画として観てみてはいかがでしょうか。
ヴァンパイアものが好きな人にはオススメです。
因みに私は「悪魔城ドラキュラ」の主人公シモン・ベルモンド(桜玉吉 画)に似ていると言われていました。