カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

仮面ライダーBLACK SUN

 

 

 

第274回目は「仮面ライダーBLACK SUN」です。

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2022年の日本の特撮ドラマです。

 


本作は1987年放送の「仮面ライダーBLACK」のリメイク作品となっています。

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仮面ライダーBLACK」の放送時、私は中学生でしたが、かなりハマっていました。

 


その当時ではめっぽうカッコいい仮面ライダーでした。

 


仮面ライダーBLACK(ブラックサン)とライバルのシャドームーンの存在が設定として新しかったのです。

 


敵の組織であるゴルゴムや、中ボスの三神官、ラスボスの創世王というワードもカッコ良かったです。

 


ブラックサンとシャドームーンは世紀王と呼ばれ、戦いあって次期創世王となるという設定が作品を盛り上げる設定になっていました。

 


BLACKのスーツもカッコよかったのです。

 


それまでの仮面ライダーのジャージ感がなく全身がプロテクターのようでした。

 


全てがカッコいい仮面ライダーです。

 


せいぜいバイクの「バトルホッパーがダサいくらいです。

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まあ、バトルホッパーも後半には愛着が湧いてきましたけどね。

 


機会があれば一度観てみてください。

 


さて今回の「仮面ライダーBLACK SUN」ですが、私はかなり面白かったです。

 


予想では石ノ森章太郎の原作漫画に寄せるのではないかと思われていましたが、オリジナルストーリーでした。

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しかし、なかなか深い作品となっています。

 


仮面ライダーの変身シーンでこれほど感動したことはありません。

 


仮面ライダーファンは是非、観てください。

 


物語は2022年、世界は怪人と人間が共存する世界になっていました。

 


怪人が普通に街を歩き、学校に通ったり結婚したりしています。

 


しかし、怪人差別が激しく怪人たちは肩身の狭い思いをしていました。

 


ある日、人間の和泉葵は国連で人間と怪人の平等を訴えるスピーチをしていました。

 


しかし、そのスピーチが元で命を狙われることになりました。

 


一方、怪人である南光太郎は荒みきって、世捨て人のような生活を送っていました。

 


そんな光太郎のもとに和泉葵殺害の依頼が届きます。

 


しかし、光太郎は葵の持つネックレスを見て殺害をためらいました。

 


ネックレスと光太郎の接触は、ゴルゴム党に囚われていた秋月信彦に伝わりました。

 


ゴルゴムを脱走した伸彦は光太郎の元に向かいます。

 


光太郎と信彦は幼い頃に、両親によって怪人にされた幼馴染です。

 


光太郎はブラックサン、信彦はシャドームーンと呼ばれるバッタ怪人でした。

 


2人は50年前の因縁とゴルゴムとの決着をつける為に戦いに身を投じていきます。

 


果たして光太郎と信彦、そして葵の運命は?

 


是非、観てください。

 


私は結構、感動しました。

 


もう既に3周観ています。

 


今作は世界征服などというスケールの大きな話ではありません。

 


テーマとしては身近な差別を扱った内容となっています。

 


人間より怪人の方が優れていそうなのに、怪人は人間に差別されているのです。

 


怪人と人間が共存しているのにも驚きですが、怪人が弱いことに更に驚きました。

 


冒頭にハエ怪人が出てきますが、警察官にいとも簡単に射殺されてしまいます。

 


この世界観を受け入れるのには少し時間がかかりました。

 


差別の内容はかなりハードになっています。

 


これまでの仮面ライダー作品とは一線を画す作品であると思います。

 


仮面ライダーの見た目も、まさにバッタ怪人という感じです。

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正義のヒーローという感じではありません。

 


戦いかたも華麗なキックやパンチではなく、ボコボコに殴り合う喧嘩戦法(噛みつき攻撃あり)です。

 


そこがまた生々しさがあってよかったと思います。

 


ストーリーは2022年を軸に進みますが、1972年、2002年の出来事を随所に織り交ぜながら進んでいきます。

 


おもに1972年はゴルゴム党の結成がメインで描かれています。

 


この作り方も非常に良かったと思います。

 


50年の因縁が交錯するストーリーに引き込まれました。

 


全10話なので、一気に観てしまいました。

 


ストーリー、ヴィジュアル、音楽のどれを取っても良くできていると感じました。

 


正直なところかなり感動してしまいました。

 


やっぱり友達同士争うのは悲しいことですね。

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リメイクでありながら、斬新な仮面ライダーなので、是非観て欲しいです。

 


私としては好きな作品ではありますが、ツッコミどころもたくさんあります。

 


まずは、そもそもこの戦いが無意味であること。

 


冷静に考えれば、戦いを避けて50年ほど海外に旅行に出掛けていれば、自然に解決したはずです。

 


よくよく考えれば殴り合う前にもっと話し合えば、解決した問題だったように思います。

 


何も血を流す必要はなかったのではないでしょうか?

 


結局のところ最終的に勝つのは暴力であるという結論に、至っているところは悲しい結末であるとしか言いようがありません。

 


現実でも差別をなくすには暴力しかないと訴えているような気がします。

 


かなり問題作です。

 


しかし、それだけに観る価値があると私は思います。

 


この鑑賞後のモヤモヤ感は意義のあるモヤモヤだと思います。

 


ブラックサンとシャドームーン、そしてゴルゴムの皆さんが、仲良くできる未来を放棄してしまったことが悲しすぎます。

 


皆さんにも是非、このモヤモヤを味わって欲しいと思います。

 


仮面ライダーファンは必見です。

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