第200回目は「スターウォーズ7・8・9」です。
今回は200回記念というわけで、「スターウォーズ続三部作」について語っていきたいと思います。
*以降ネタバレ注意です。
完全に全部語ってしまうので、ネタバレが気になる人は是非、「エピソード7・8・9」を観てから読んでください。
さて、ご覧になられた方は、どんな感想だったでしょうか?
聞くところによると不評の様ですね。
特にエピソード8が不評らしく
「作り直せ!」という抗議やら署名が殺到したそうです。
初代主人公のルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルも納得いかなかったそうです。
正直なところ、私もあまり出来はよろしくないと思っています。
しかし、シリーズの完結作としては最高だったと思います。
矛盾しているかもしれませんが、出来は悪いが最高です。
中には「こんなのスターウォーズじゃない!」という人もいると思います。
そうです。
正解です。
この続三部作はこれまでの「スターウォーズ」をぶっ壊すために作られたのです。
良くも悪くもです。
多分、多くの人が拒否反応を示したのではないでしょうか。
私も受け入れ難い心境でした。
しかし、全てを受け入れた瞬間、一気に素晴らしい作品に生まれ変わりました。
心境の変化を順を追って語っていきたいと思います。
まず、
「エピソード7 ・フォースの覚醒」です。
2015年のアメリカの作品です。
主人公はジャンクパーツ漁りの女性のレイ、パイロットのポー、脱走兵のフィンです。
銀河帝国の崩壊から30年が経っていました。
平和になったのかと思ったら、帝国の残党が「ファースト・オーダー」という軍事組織を起こし、銀河を支配しようとしていました。
かつて、同盟軍として活躍したレイア・スカイウォーカーは「レジスタンス」を組織して「ファースト・オーダー」と戦っていました。
レイアは行方不明の兄ルークを探していましたが、ようやく手がかりを見つけようとしていました。
パイロットのポーはルークが住む星の宇宙地図を手に入れました。
しかし「ファースト・オーダー」の指揮官カイロ・レンに捕らえられてしまいます。
ポーは地図のデータをロボットのBB-8に託して逃がしていました。
BB-8はその後、ジャンクパーツ漁りのレイと出会います。
一方、ポーは脱走兵のフィンに助けられます。
レイ、ポー、フィン、BB-8の冒険はどうなるのでしょうか?
カイロ・レンの正体は?
ルークの行方は?
是非観てみてください。
「エピソード7」は一作目である「エピソード4」のストーリーをなぞらえている展開になっています。
レイたち新キャラがメインで活躍しますが、ハン・ソロやチューバッカなども登場して盛り上がります。
完全に世代交代がテーマになっている様で、その辺りは賛否両論あるそうです。
新キャラの魅力不足が理由にあるかもしれません。
しかし、BB-8は優秀です。
残念なことに、適役のカイロ・レンが小物感があって、物足りなさを感じます。
剣術もイマイチでした。
どちらかと言うと、チャンバラよりもフォースに重きを置いている様です。
驚いたところはフィンがライトセーバーを使えることでした。
「ライトセーバーってジェダイ(もしくはシス)だけが使えるんじゃないんだね」
私にとっては違和感がありました。
しかし、それには訳があったのです。
それはまた後で説明します。
とにかく「エピソード7」は観て欲しいです。
観なきゃ始まらないという気がします。
続いて「エピソード8・最後のジェダイ」です。
2017年の作品です。
やっとこさ出てきたルークは世捨て人になっていました。
正義の為に戦ってきたルークでしたが、すっかり別人になっていました。
これにはガッカリしたファンが大勢いた様です。
ルークはもはや弟子を取らず、最後のジェダイとなることを望んでいました。
もの凄い失望感です。
しかしこれには事情があるのです。
それも後で説明します。
一方、主人公のフィンやポーは不毛な戦いを続けていました。
正直なところ、かなりストレスが溜まります。
何もかもが上手くいかないという展開が、評価をかなり下げていると思います。
私もかなり辛かった印象があります。
しかし、この作品も「エピソード5」になぞらえたストーリーであると考えると、なかなか深いものがあると思います。
この作品も続三部作を理解する上で重要な作品なので、是非観てください。
最後は「エピソード9・スカイウォーカーの夜明け」です。
出典Amazon.co.jo
2019年の作品です。
スターウォーズといえば冒頭に字幕でさわりのストーリーが流れるのが有名だと思いますが。
なんと、衝撃のネタバレが語られます。
それは言っちゃダメでしょう。
映画のストーリー上で語るべきだと思います。
ちょっと制作者のセンスを疑ってしまいます。
さて、最後の作品なので私も内容を細かく語りませんが、最終決戦です。
「ファースト・オーダー」を影から操る黒幕とその軍隊「ファイナル・オーダー」が世界を支配しようとしています。
レイたちは敵の本拠地エクセゴルを探して冒険をします。
エクセゴルには真の敵である黒幕が潜んでいます。
多少ヘンテコな展開ですが、スターウォーズらしいと言えなくもないと思います。
単体の作品としては評価は低いかもしれませんが、「スターウォーズ」としては最高のエンディングだった様に思います。
やはり「エピソード6」を踏襲した内容でした。
正直なところ「エピソード6」で完結しておいた方が綺麗に終わっていると思います。
そう思っている人は多いかもしれません。
蛇足であるとか、
こんな未来は見たくなかったとか、
続三部作は無かったことにしたいとか。
そういう気持ちは全部わかります。
しかし、全てを受け入れると「スターウォーズ」の世界が一層深いものになると思います。
だから、最後まで是非観て欲しいと思います。
続三部作を受け入れるも拒絶するも自由ですが、私なりの解釈を語ってみたいと思います。
なぜフィンはライトセーバーを使えるのか?
なぜルークは世捨て人になったのか?
では、先ずライトセーバーについてですが、実は誰でも使える武器だったのです。
ジェダイにしか扱えないというのは、私の錯覚でした。
確かにジェダイにしか扱えないとは誰も言ってませんでした。
もしかして、私だけが勘違いしていたのでしょうか?
いや、作品の雰囲気がそう思い込ませていた様な気がします。
実はフォースもジェダイやシスだけの技ではありません。
フォースは多かれ少なかれ誰もが持っているものなのです。
ジェダイの技だと錯覚してしまったのも、やはり意識的に誘導された様な気がします。
ジェダイやシスはフォースに特化していて、フォースを使うものを仲間にして管理してきました。
極端に言えば、フォースを独占してきたわけです。
その過程で、フォースを正義の為に使うという思想が生まれ、コントロールしてきた訳です。
しかし、それはあくまでジェダイ側の視点によるものです。
つまりジェダイが正義、シスが悪というのはジェダイが勝手に作り上げた思想なのです。
視聴者も、もちろんジェダイが正義だと思って観ています。
ところが続三部作では正義と悪がねじれてしまっています。
ジェダイが必ずしも正義ではないし、シスが悪とも限らないでしょう。
そこにルークが弟子を取らず、最後のジェダイとなろうとしている理由があったのです。
ジェダイが正義ではないという事実に気づいてしまったのです。
それは視聴者が受け入れられない事実であったかもしれません。
ライトセーバーはただの武器で。
フォースは誰でも使えて、
ジェダイは正義じゃない。
つまり、これまでの設定を
「スターウォーズ」を
ブチ壊してしまったのです。
よくもやってくれたな!
しかし、私はこれはこれで良かったのだと思っています。
今は勧善懲悪という時代でもないし、血筋や育ちで、正義や悪が決まるものではないと思います。
そういうメッセージが、この続三部作に込められていたのだと思っています。
いろいろな意味で、凄い作品になったと思います。
良い意味で、ここまで設定を覆す作品は稀だと思います。
確かに、残念な展開などもありますが、無かった事にはできないと感じました。
さすが「スターウォーズ」です。
どうか、少しでもこの続三部作が受け入れられる様に祈っています。
これからも「スターウォーズ」は続くらしいので楽しみです。
フォースと共にあらんことを。