第114回目は宇宙戦争です。
*以降ネタバレ注意です。
ストーリーは宇宙人が操るロボットから、ただ逃げるだけというシンプルなもの。
主人公はトム・クルーズ扮する貨物の荷下ろし労働者のレイ。
レイには離婚した妻がいる。
元妻がボストンに帰省する間、2人の子供であるロビーとレイチェルを預かることになる。
レイはひとり暮らしで、元妻が再婚済み。
しかも子供は元妻が引き取っているのだから、おそらくレイはダメ夫だったのだろう。
おまけに子供たちも全く懐いておらず、レイチェルがピーナッツアレルギーであることも知らないダメ親父なのだ。
冒頭でレイのダメっぷりがしっかり描かれているので、キャラクターに入りやすいと思います。
約束は守れないし、自己中心的で好奇心旺盛で周りを振り回すタイプです。
そんなある日、雷鳴が鳴り響きます。
落雷によって停電となり、時計や車まで動作しなくなってしまいました。
好奇心から落雷現場に向かったレイですが、落雷地点の地中からロボットが出現し襲われることになります。
ロボットは人間を原子分解する様な殺人光線を発射してきます。
命からがら逃げ伸びたレイは子供たちを連れて元妻がいるボストンへと向かいます。
調べたところによるとレイの住むベイヨンからボストンまでは車で7時間くらいの距離らしいです。
レイたちは無事に辿り着くことができるのでしょうか?
是非観てみてください。
|
この映画は最初から最後まで見どころ満載です。
単純に宇宙人と戦うものではなく、親子の絆というものがメインになっています。
宇宙戦争というタイトルから、宇宙人との派手なドンパチを期待している人はガッカリするかもしれません。
とにかく宇宙人のロボット(作中ではトライポッドと呼ばれています)が凶悪でかなりの威圧感があります。
バリアーをまとっていて地球人の攻撃を全く受け付けません。
SFながらホラー級の怖さを感じました。
序盤の無差別殺戮から、中盤では人間を捕獲して、血液を肥料としてバラまくという恐ろしい攻撃をしてきます。
こういう話の通じない宇宙人が1番怖いですね。
そして、この宇宙人は映画史上1、2を争うほどのバカです。
感動すら覚えます。
この宇宙人のバカさ加減は是非とも一度観ておいて欲しいものです。
さて、人間側の方ですが、宇宙人の攻撃で完全にパニック状態となります。
レイたちも初っぱなから車を盗んだりしますが、ほかの人たちも略奪をいとわない状態です。
私たち日本人からすると極限状態という感じですが。
最近のアメリカ情勢を見ていると割と普通の光景なのかもしれません。
ともあれ生きるためには非情にならなければならない瞬間もやってきます。
それほど恐ろしい敵なのです。
主人公がトム・クルーズなのでなんとかしてくれそうですが、なんともなりません。
そんなヤラレっぱなしの映画です。
その分、緊迫感は最高だと思います。
この映画は古典にして名作だと思います。
さて、ついでに1953年版の宇宙戦争も観てみました。
ストーリー展開はほぼ同じですが、家族愛とかを掘り下げる内容ではありませんでした。
宇宙人のUFOもチャチくて、昭和の日本の特撮くらいの出来映えで、物足りなく感じました。
緊迫感も小さく、わりと呑気な侵略に思えます。
印象としては宗教的要素が濃い目でした。
古典映画として1度くらい観ても良いかもしれませんが、
観るなら断然2005年版を先に見ることをお勧めします。