第99回目はロミオ+ジュリエットです。
*以降ネタバレ注意です。
1996年のアメリカ映画です。
シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」が原作で台詞もそのまま使われているらしい。
私は本場の「ロミオとジュリエット」は観たことがありません。
知っているのは童話にアレンジされたものだけでした。
本格的なものはこの「ロミオ+ジュリエット」が初めてです。
ただしこの作品は14世紀ではなく現代劇にアレンジされています。
舞台もイタリアではなく、南米ブラジルになっています。
なかなかの違和感です。
架空の町ヴェローナ・ビーチの二大ギャング、モンタギュー家とキャピュレット家の抗争という設定になっています。
現代劇にするのは良いとして、なんでブラジルなんでしょうね。
イタリアのマフィア抗争で良かったんじゃないでしょうか?
ロケ地の問題でしょうか?
有名な話なので、あらすじはご存知の方も多いと思いますが、簡単に書いておきます。
モンタギュー家のロミオは仇敵キャピュレット家の仮装パーティーに忍び込み、そこでキャピュレット家の娘ジュリエットに一目惚れします。
その翌日、密かに結婚式を挙げるロミオとジュリエットですが、抗争によりロミオはジュリエットの従兄弟のティボルトを殺害してしまいます。
ロミオは追放刑となってしまいます。
一方のジュリエットは親の決めた婚約者と結婚することになります。
そこで、ロミオとジュリエットの結婚式を行ったロレンス神父は一計を案じます。
しかし、それが文学史上最大の男女のすれ違いとなってしまいます。
さて、この物語は悲劇なのですが、私はあまり悲しくは思いませんでした。
こういうのをなんと言えば良いのか解りませんが、非常に残念な気持ちになりました。
結末が酷いので、むしろ怒りさえ覚えます。
それほど良い作品ということです。
出来が悪くて残念というのではありません。
若さゆえのあやまちとしか言いようがありません。
それ故に、この結末を認めたくないのです。
最初から結末は知ってましたけどね。
そのほか、全体的には違和感の多い映画でした。
まず、ギャング設定ですが、登場人物がどいつもコイツもチンピラです。
ゴッドファーザー的な渋めのマフィアなら似合うと思うのですが。
マフィアの抗争というよりは、本当にチンピラの喧嘩です。
そうなってくると、ロミオもチンピラに見えて来ます。
銃撃戦もコミカルでコメディっぽいです。
一方、ジュリエットはめちゃくちゃ美人です。
女優はクレア・デインズですが、ジュリエットを演じるに相応わしいでしょう。
ロミオはレオナルド・ディカプリオです。
2人が水槽越しに出会うシーンは美しい。
そりゃ、一目惚れしますわ。
こんな可愛い娘をモンタギュー家のチンピラ小せがれにやれるものかと思ってしまいます。
ロミオ目線で映画を観ればいいのですが、
私はジュリエットパパの目線で観てしまったので、ロミオを許すわけにはいきません。
パパの言う通り、マトモな男性と結婚した方が良いと思います。
時代が中世なら、そうは思わなかったかもしれません。
私がジュリエットパパなら、ロミオをショットガンで吹っ飛ばしているところです。
結婚で両家の仲を取り持つどころか、全面戦争です。
それから、ロレンス神父もタトゥーが入っていて、薬物を調合しているので、そのスジの人にしか見えません。
そんなこんなで、感動するはずが、ちょっと気持ちが削がれてしまいました。
映画自体は面白いですし、一見の価値はあると思います。
できれば、ちゃんとしたロミオとジュリエットを観てからの方が良いような気がします。
まあ、ジュリエットが可愛いので、ぜひ観て下さい。
ところで、モンタギュー家とキャピュレット家は何故、代々仲が悪いのでしょうか。
勝手に想像してみました。
ここからは私の妄想です。
モンタギューとキャピュレットはその昔は仲良しの親友同士でした。
しかし、お互いの名前を変だと思っていました。
そこでキャピュレットはモンタギューに
門田牛(モンタギュウ)というあだ名をつけました。
モンタギューも負けじとあだ名を考えキャピュレットの語感から、
カプリチョーザ(気まぐれ屋)とあだ名をつけました。
それ以来両家の仲は険悪になってしまいました。
そんな些細なことが巡り巡って、こんな悲劇になるなんて……。
いや、私の妄想なので、気にしないで下さい。