カズマの日記

映画の感想と雑談

シャアとびんぼっちゃま編

子供の頃、私はシャアになりたかった。

f:id:kazuma_kazama:20200228000623j:image

出典Amazon.co.jp


子供の頃のある日、駅の近くで、私は見知らぬ女性に声をかけられた。

 


「坊ちゃん!カズマ坊ちゃん!」

 


どうやら私を知っているようだが、私には覚えがない。

 


それどころか、私は坊ちゃんなどと呼ばれる身分ではなかった。

 


貧しくはなかったが、決して金持ちというわけでもなかった。

 


正直言って気持ちの悪い女性ではあるが、なんとなく興味がわいて話を伺うことにした。

 


その女性の話によると、私の祖父は会社を経営していたらしい。

 


そして、その共同経営者がZ家だったのですが、株式操作によって会社を乗っ取ったと言うのです。

 


その話を聞いた私は

 


「シャアだ!私はシャアになれる!」

 


凄まじく高揚した私は早速家に帰って、その女性の話を父に話した。

 


その女性の話は本当だった。

 


「復讐だ!復讐しよう!」

私はいきりたってまくし立てた。

 


ところが父はタバコをふかしながら笑った。

 


「復讐なんかにかまけてるほど、人生は長くないぞ。そんな暇があったら外で遊んでこい」

 


父はそう言った。

 


その当時は納得のいかないこともあったが、

今は私は父の言う通りだったと思う。

 


なぜならば、復讐に明け暮れたシャアは全然幸せではないからだ。

 


もちろん私に復讐するだけの才覚がなかっただけでもあるが、無駄なことに時間を費やさなくて良かった。

 


妻と猫のミュウの生活で充分幸せなので、祖父の無念など些細なことなのです。

 


私にはそんなドラマチックな過去があるというだけで、満足なのだ。

 


そして、そんな境遇にありながら、拗ねたりひねたりせずに笑っている父は立派だと思う。

 


そんなこんなで、私はシャアを応援しているのだ。

 


シャアはもう1人の私なのである。

 


現実の私は「びんぼっちゃま」だが、

心はシャアなのだ。

 


だから私はガンダムをシャアの視点から観てしまう。

 


ガンダムの最後でシャアがアムロを倒した時は嬉しかった。

 


え?

 


アムロが勝ったって?

 


私にはシャアが勝った様にしか見えませんでしたが……。

 


つづく