カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

ゴジラ(1984年版)

第86回目はゴジラ(1984年版)です。

f:id:kazuma_kazama:20200117231519j:image

出典amazon.co.jp


*以降ネタバレ注意です。

 


小学生の頃、私はゴジラが好きではあったのですが、実はゴジラの映画は好きではなかったのです。

 


私が持っていたゴジラの白黒写真集にはとても恐ろしく迫力のある怪獣として写っていたのに。

 


いざ映画を観るとどうだろう。

 


まるで、コメディのようなコミカルなゴジラがいて幻滅した。

 


私が思い描いていたゴジラと違和感があったのです。

 


その当時は初代ゴジラを観ることができなかったので、私はゴジラ映画がむしろ嫌いになっていました。

 


そんな時に現れたのが1984年版ゴジラでした。

 


このゴジラこそが私の理想のゴジラでした。

 


私にとってのゴジラはやはり人類の敵でなければならなかったのです。

 


当時、テレビで放送されたこの映画を私はビデオに録画して何回も観ました。

 


今回は初めてノーカット版で、観たので記憶にないシーンがいくつかありました。

 


設定としては初代ゴジラの30年後で2作目から15作目まではなかったものとして作られています。

 


私もそのつもりで鑑賞しました。

 


初代のゴジラは戦後間もなくの世相を反映しており、水爆実験などをストーリーに盛り込んでいた。

 


今作は冷戦時代のゴジラで当時の核事情が、かなり取り入れられています。

 


まず最初にゴジラソ連原子力潜水艦を襲います。

 


これはゴジラの脅威とともに、ソ連の原潜が日本近海をウロチョロしているという危険性を示しています。

 


そして、ゴジラは井浜原子力発電所を襲います。

 


これも原子力発電の危険性に警鐘を鳴らすシーンだと思います。

 


ただしゴジラ放射能を吸収するという設定のため恐怖感は不発のような気がしました。

 


次はアメリカ、ソ連ゴジラ殲滅に核兵器を使用したがっているというシーン。

 


現実では第二次世界大戦以降実戦では核兵器は使われておらず、機会があれば使うのではないかという緊迫感のあるシーンです。

 


その後、ソ連の核ミサイルが誤って発射されるのですが、沖縄の嘉手納基地から米軍の迎撃ミサイルが発射されます。

 


このシーンも沖縄米軍基地の問題に触れていると言ってもいいでしょう。

 


それなりに忖度したシーンではありますけど。

 


と、いうように反核というゴジラのメッセージが随所に散りばめられています。

 


さて、ゴジラとの決戦ですが、スーパーXという戦闘機が切り札として出てきます。

 


戦闘機といっても、見た目は亀の甲羅のような形で、今ふうに言うなら有人戦闘ドローンという感じです。

 


私はこのスーパーXの戦闘が大好きです。

 


スーパーXにはカドミウム弾という武器が装備されています。

 


カドミウムとは核分裂を抑える元素らしく、ゴジラのエネルギー源である体内原子炉を無力化させようというのです。

 


これは面白い設定だと思います。

 


メッセージ的には人類が核をコントロールできるかどうか、というところです。

 


ゴジラの口の中にカドミウム弾を撃ち込みます。

 


ゴジラは抵抗して口を閉ざします。

 


しかし、照明弾を打ち上げると、ゴジラは反射的に咆哮を上げ口を開けてしまいます。

 


そこを狙ってカドミウム弾発射!

 


実に面白い戦いです。

 


私は実は怪獣同士が戦うことに魅力を感じないのです。

 


やはり、ゴジラと戦うべきは人間です。

 


私はゴジラ史上最高の戦闘シーンだと思っています。

 


一方、人間ドラマの方では生物物理学者の林田教授と奥村兄妹そして、雑誌記者の牧がゴジラの帰巣本能を利用した超音波誘導作戦を進めて行く。

 


この作戦も私は好きだった。

 


ゴジラの生物としての魅力を引き出しているように思えました。

 


一番現実的な気がします。

 


さて、ゴジラの新宿観光を食い止めるのは、核兵器カドミウム弾か帰巣本能か、是非映画を観て確かめてみて下さい。

 


今まで、興味はあるけどゴジラを観たことがない人、もしくはどれを観ればいいか判らない人は初代ゴジラ1984年版ゴジラを観る事をオススメします。

 


そこからゴジラが気に入れば、ゴジラビオランテから古い順に観ていく事をオススメします。

 


完全にゴジラにハマったら、古い昭和ゴジラを観て行って下さい。

 


その方が飽きずに観ることが出来るでしょう。