かれこれ15年くらい前のクリスマスのこと。
※当時、姪っ子は5、6歳くらい。
姪っ子
「サンタの正体が分かったような気がするー」
私
「それは言ってはダメ!」
姪っ子
「なんでなん?」
私
「サンタの正体を知っているということは大人になったってことだから、プレゼントを貰えなくなるよ!」
姪っ子
「そうなの?」
そこで私は自分の子供頃に一度だけサンタが来た時の話をすることにしました。
私の実家はサンタどころかクリスマスとも無縁の純和風の家庭だった。
とりわけ貧乏という訳ではないが、ケーキもチキンも無いような家だったのだ。
当時、純真無垢だった私は(同じく5、6歳の頃)両親にこんこんと世の中にはクリスマスというものがあって、真夜中にサンタクロースがプレゼントを持ってくると説明した。
父
「それは外国の話」
私
「でも友達の家には来てる」
父
「ウチには煙突がないから」
私
「友達の家にも煙突なんかない」
父
「ヨソはヨソ、ウチはウチ」
結局それか!
しかし、その年のクリスマスはサンタが来てくれることになった。
純真無垢な私は大喜びしました。
そして、サンタをとっ捕まえてやろうと計画しました。
と言ってもただ起きて待っているだけなのですが。
しかし睡魔には勝てず、真夜中にすっかり眠りこけていた私ですが、微かな気配に目を覚ましました。
そして、サンタと目が合いました。
サンタは照れくさそうに
「もう、ええやろ」
と言ってプレゼントを置いて去りました。
それ以来、サンタがウチに来ることはありませんでした。
私
「というわけで、サンタの正体を知ってしまったらプレゼントを貰えなくなるぞ!」
姪っ子
「そうなん?」
私
「サンタが来るような時間に起きている子供は悪い子に決まってるやろ!」
姪っ子
「ヒィ〜!」
姪っ子はサンタの秘密を守り、しばらくサンタからプレゼントを貰い続けた。
うらやましい限りである。
サンタを信じていた時期があるというのは幸せなことだと思う。
私も一度だけだが、本物のサンタに会えて幸せだったと思う。
プレゼントに何を貰ったかはもう覚えていないが、お礼に父の盆栽にワタで雪化粧をほどこし、クリスマスデコレーションをしておいた。
サンタクロースが喜んだかどうかは定かではないけれど……。
メリークリスマス