第65回目はヒートです。
*以降ネタバレ注意です。
1995年のアメリカ映画です。
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロという二大スターの対決です。
なんか2人はライバルというイメージがありませんか?
私は2人の映画をあまり観たことはないです。
どちらかといえばデ・ニーロの方が観たことがある気がします。
今回、ヒートを観るのは2回目なのですが、初めて観た時と印象が違うような気がする。
前回観たのはもう20年前の話だし、私も若かったので、当たり前かもしれない。
当時はアル・パチーノもデ・ニーロも格好良く、ストーリーも面白く感じた気がする。
中盤の銃撃戦も息を飲む迫力だったように思います。
ロバート・デ・ニーロ扮するニールは窃盗団のリーダーで、それを追う刑事がアル・パチーノ扮するヴィンセントです。
ニールは犯罪者であることから、家庭を持っていなかったが、恋人を作ってしまいます。
一方ヴィンセントは3度目の結婚をしていますが、刑事の仕事に没頭して家庭環境は良くありません。
そんな2人がある種の共感を持つというところが見どころだと思います。
泥棒を仕事といっていのかは判りませんが、仕事にかける矜持と情熱が感じられます。
若い頃はそういうのがカッコよく感じたのだと思う。
ところが、今観るとそんなに良く思わなかったのです。
まずヴィンセントですが、ニールを逮捕するチャンスが2回あったにもかかわらず、逃してしまいます。
詳しくは映画を観て欲しいですが、この警察のやり口が気に入りません。
私自身が歳を重ねて、警察に不信感を持っているからかも知れません。
いや、私は何も悪いことはしてませんよ。
私は被害者だったのですが、そんな小さなしょうもない事件は捜査しないと、門前払いされたのでした。
それはいいとして、
映画の捜査方針は納得がいきません。
とっととニールを逮捕していれば、あんな結末にはならなかったはずである。
もちろん、それでは映画にならないが。
またニールはニールで、犯罪のプロと呼ばれるもヘマが多すぎ。
切れ者なのか、何なのかキャラがブレているように感じました。
まず、泥棒の仕事の間隔が狭すぎ。
問題を抱えたまま、次の仕事にかかりますかね。
もっとしっかり計画的に泥棒した方が良いと思う。
後半の行き当たりばったりも気になります。
そこが魅力的なのかもしれませんが。
そして捜査が情報屋だのみであることがあまり面白く感じませんでした。
証拠を集めて犯人を追い詰めて行くのが刑事ものの面白いところだと思うのですが。
情報屋が優秀すぎ。
と、まあ悪いとこばかり書いてしまったが、基本的には面白い。
結構、切ない映画なんだ。
誰も幸せじゃない話です。
犯罪者は家族、恋人も不幸にしてしまう。
仕事熱心な刑事の家族も幸せじゃない。
そんな中、ヴィンセントとニールが交わした握手だけが仕事バカ同士の生き方を讃えあって正当化したような気がします。
一応、この映画を高く評価しているけど、上手く褒められなかったな。
クライムサスペンスが好きな人は是非観てみて下さい。