第55回目はシンドバッド7回目の航海です。
*以降ネタバレ注意です。
1958年のアメリカ映画です。
厳密にはシンバッドなんだけれど、日本人に浸透しているシンドバッドで表記されているようだ。
私は怪物と戦ったり、財宝を探したりする冒険ものが好きだ。
その中で最も古いものがシンドバッドではないだろうか。
古いのだけれど、普通に楽しく鑑賞できました。
今の映像で目が肥えてしまうと、キツイかも知れませんが、その当時の良さが感じられます。
特にレイ・ハリーハウゼンのストップモーションアニメの技術が素晴らしい。
今のCGからすれば幼稚かも知れないが、昔は人形を一コマずつ、少しずつ動かしながら撮影し、人間パートと合成していたのだ。
きっと今、やれと言われてやる人もいなければ、できる人もいないだろう。
人形だというのは、判るのだがフィルムの古さもあって、違和感を感じない。
それほど凄い技術なのだ。
合成などがチャチで観ていられないという人は残念だが、特撮技術が大好きな人には申し分ない作品だと思う。
ストーリーもチャチャっと進んで飽きさせない。
特撮映画の教科書のような作品です。
ついでに続編も紹介しておきます。
2作目はシンドバッド黄金の航海。
1973年の映画です。
1作目よりも冒険色が強くなっていて楽しい。
しかし、敵が相変わらず魔術師でワンパターンに思えなくもないです。
コアな特撮ファンなら一度は観たことがあるカーリーの像が動いて戦う有名なシーンがあります。
特撮も面白いしストーリーも楽しめる古き良き作品です。
3作目はシンドバッド虎の目大冒険です。
1977年の映画です。
またしても、敵が魔術師です。
大冒険と言うほどの大冒険ではないような気がします。
この作品は前2作に比べて、少し長めなのですが、少々間延びしたように感じました。
特撮部分は申し分なく面白いです。
この3作はそれぞれ繋がりがなく、主人公はシンドバッドなのですが、同一人物ではないかも知れません。
シンドバッドという名前は船乗りの主人公といえばみんなシンドバッドというノリのようです。
王子様の名前はみんなチャーミング王子というのと同じ感覚です。
シンドバッドといえばアラビアンナイトですが、原典には含まれてはいなかったらしく、あとから追加で組み込まれたそうです。
私がアラビアンナイトで思い浮かぶのはアラジン、アリババ、シンドバッドですが、確かどれも追加のエピソードだったはずです。
古い特撮に興味があって、アラビアンナイトが好きならばお勧めです。