第53回目はゼブラーマンです。
*以降ネタバレ注意です。
2004年の日本映画です。
奇しくも前回紹介したデビルマンと同年の公開であり、表と裏、陰と陽、不動明と飛鳥了のような存在である。
鳴かず飛ばずのデビルマンに対して、ゼブラーマンは何気に評価が高かったように思います。
哀川翔の主演100作目記念として制作されました。
なぜゼブラーマンなのか不思議ではありますが、やって正解だったと思います。
哀川翔扮する主人公、市川新市は冴えない中年小学校教師。
趣味は少年時代に観たTV番組ゼブラーマンのコスチュームを自作すること、いわゆるコスプレである。
ある日、車椅子に乗った少年、浅野晋平が転校してくるが、彼はゼブラーマンマニアだった。
市川と浅野くんは交流を深め、ゼブラーマンの衣装がカッコよくなって行く。
深夜、ゼブラーマンのコスチュームを着て、浅野くんの家を目指すが、偶然にも通り魔に遭遇する。
辛くも通り魔を倒したゼブラーマンはそれから、町にはびこる悪と戦うようになる。
というストーリー。
デビルマンが人類存亡を掛けた戦いなら、ゼブラーマンは町内の存亡を掛けた戦いとスケールは小さい。
しかし、傷つき、ボロボロになって行くゼブラーマンがカッコいいのだ。
ゼブラーマンがなんちゃってヒーローから本物のヒーローになる瞬間に私は感動した。
ヒーローものには必要な三つの要素がある。
1、いかにしてヒーローになるか。
蜘蛛に噛まれたり、改造されたり、ただの金持ちだったり。
ヒーローになる過程が重要。
2、ヒーローゆえの苦悩。
人間関係や過去のトラウマ、人間ですらないという苦しみなど。
3、魅力的な敵
戦う相手が居てこそのヒーローだ。
敵にどれだけ戦う理由があるかが見せどころ。
ゼブラーマンは敵に魅力はないが、苦悩を乗り越えてヒーローになるまでが描かれているので、充分に面白いのだ。
デビルマンはその三つの要素があるにも関わらず、ツボを抑えきれなかったのだ。
コメディといえばコメディなのだが、ゼブラーマンは間違いなくヒーローだった。
わざわざレンタルなどして観ることはオススメしませんが、深夜にでもTV放送していることがあれば、観ることをお勧めします。
白黒つけるぜ!