第51回目は真珠の耳飾りの少女です。
*以降ネタバレ注意です。
2003年のイギリス・ルクセンブルク合作の映画です。
画家フェルメールが「真珠の耳飾りの少女」の絵を描きあげる話です。
私の記憶では「青いターバンの少女」だったのですが、正式な絵のタイトルは無いらしいです。
モデルは誰なのかも解らず、そもそも想像で描かれたのかもしれないそうですが、この映画では使用人のグリートという女性がモデルとなります。
フェルメール以外にも実在の人物が登場しますが、ほぼフィクションで、全く事実ではないらしいです。
ストーリーはそれほど盛り上がりもなく、ただ当時の画家の生活を切り取っただけという感じです。
映像は色彩豊かで美しく絵画的で見応えがありました。
娯楽作品ではなく芸術作品という感じです。
美術や絵画が好きな人にはオススメの映画です。
特にフェルメールが好きな人は必見でしょう。
フェルメールについてはほとんど知りませんが、この「真珠の耳飾りの少女」は好きでした。
技法や構図など、難しいことは解りませんが、美しい絵である事は解ります。
真珠の耳飾りなんて気付きもしませんでしたが、改めて見ると真珠の耳飾りが必要だったんだなと思います。
絵画や音楽などに作者のどんな想いが隠されているのか、どんな物語があるのか知るのは面白い。
もちろんこの映画は作り話なので、そのまま受け入れてはいけないのかもしれないが、もうそういう目で見てしまう。
これはもう史実映画として、勝手ながら認定してしまいました。
きっと数十年もすれば、あの絵のモデルはフェルメール家の使用人なんだよ。
と、語り継がれることになっているかもしれない。
小説や伝記を史実と思い込むのはよくある話。
フェルメール家が破産寸前だったり、高価な青い絵の具を買ったりと事実を絡めていているので信憑性がある。
それに創作なんだからもっと盛り上がる展開にもできたと思うんだけど、そこを抑えて地味で現実的な展開にしてあるのだ。
美術館に行くと退屈な人もいると思うが、そういうノリで、この映画を観ると丁度いいと思います。