第47回目はミザリーです。
*以降ネタバレ注意です。
1990年のスティーヴン・キング原作のアメリカ映画です。
主人公ポール・シェルダンは小説家で人気作ミザリー・シリーズの著作者である。
ミザリーを完結させたポールは新たに新作を書き終え、ホテルを後にする。
しかし、天候が猛吹雪となり、道をそれて転落事故を起こす。
すぐさま駆けつけた中年女性のアニー・ウィルクスに救助されるが、それがポールにとっての恐怖の始まりだった。
ポールが事故から目を覚ますと、両足と右腕を骨折しており、身動きが取れない状態だった。
元看護師のアニーが手当てをして、看病していたのだ。
アニーはポールのナンバーワンのファンだと言う。
事故にあって、直ぐに救助できたのはホテルからずっと尾行していたから。
アニーはポールのストーカーだった。
ポールはアニーに監禁されることになる。
程なくして、アニーは楽しみにしていたミザリーの最終巻を買って戻ってくる。
最初は笑顔だったアニーだが、最後まで読んだアニーは鬼の形相となっていた。
小説の中でミザリーは亡くなるという結末だったのだ。
ミザリーを殺されたアニーはポールに制裁を加える。
身動きができないポールは脱出できるだろうか。
という内容です。
監禁ものの映画は私の知る中ではミザリーが元祖という気がします。
熱狂的なファンが悪いというわけではないですが、中には行き過ぎてストーカー行為や殺人事件に発展してしまうケースも現実にはあるようですね。
著名人にはシャレにならない恐ろしい話だと思いました。
キャシー・ベイツ扮するアニーは普段は優しそうな女性なのですが、怒らせると鬼のように豹変します。
ジワリと滲み出る狂気から、瞬間沸騰で発狂する姿は見事な演技だと思います。
以前、ある漫画家が作中で登場人物を死なせると、「なぜ殺したんだ」と非難するファンレターが殺到したそうです。
そこまで愛されるとは作家冥利に尽きるねなんて私は他人事に思っていましたが。
その作者はショックで続きが描けなくなってしまったのです。
読者に作品を理解してもらえなかったというのが理由だそうです。
読者、視聴者は作品を受け入れるしかないと思いますが、登場人物への思い入れというのも分からなくはないです。
なんにせよ、作家は作品を命がけで書いているのだと思うのです。
素晴らしい作品をみせてくれてありがとうと、クリエイターの皆様にお伝えしたいです。