第24回目はレヴェナント蘇りし者です。
*以降ネタバレ注意です。
2016年アメリカの映画です。
主演はレオナルド・ディカプリオで、今作で初めてのアカデミー賞、主演男優賞を獲得しました。
ディカプリオとアカデミー賞は相性が悪いらしく、5度目のノミネートでやっとの受賞であった。
はたから見ているとディカプリオはアカデミー会員に嫌われているのか、わざと受賞させないで面白がっているかのように見えなくもなかった気がする。
もちろん、ほかにいい俳優がいたのだから、しょうがないってところなんだけれど。
実は私はアカデミー賞が好きではない。
アカデミー賞受賞作品で私が面白いと思うものは極たまにしかないからである。
きっと相性が悪いのだと思う。
アカデミー賞は私にとっては意味のよく分からないアメリカンジョークのようなものなのだ。
受賞した映画がアメリカ人にとっては面白く、私にとっては面白くない、それだけの話である。
もちろん私に映画を観るセンスがないということも考えられる。
私はこんな映画ブログを書いておきながら、そもそも、そんなに映画を深く追求しようとも思っていないのである。
私にとって映画は面白いか、面白くないか、好きか、嫌いか、しかないのだ。
監督が誰だとか、俳優の演技がどうだとか、私はあまりよく解らないのです。
なので私の映画を観るかどうかの決め手はストーリーのみなのです。(例外もありますが)
それでも一応、好きな監督はと聞かれれば
ジェームズ・キャメロンと答え、
好きな俳優はと聞かれれば
デンゼル・ワシントンと答えます。
全ての作品が好きなわけではないですけどね。
さて、そんな中で今回はアカデミー賞ノミネート作品レヴェナントを拝見しました。
ストーリーは息子を殺された主人公が復讐のため犯人を追うというものだ。
正直なところ、私はこの映画は観ないだろうと思っていた。
もとはアメリカの伝記でアメリカ人にとっては馴染みのある話でも、私には惹かれるものが見当たらない。
しかし、友人が絶賛していたので、観ることにしたのだ。
雄大な自然と映像美、薄暗い明りが寒さまで伝えてくる。
聞いた話によると撮影は日の出、日の入りのごく僅かの時間に行われたため、長期にわたる過酷なロケであったらしい。
その甲斐あっての素晴らしい映像だ。
極寒の地における生々しい命の描写。
ディカプリオ扮する主人公グラスの執念と生命力。
これらを見事に映像化しているので、ストーリーはシンプルな復讐劇で厚みはないが、圧倒的に魅せる力を持った作品だ。
レヴェナントはずば抜けて面白いということはないかもしれないが、見応えは充分にあったと思う。
自然とサバイバルが好きな人は是非観て欲しい。
因みに、アカデミー賞では監督賞、映像賞、主演男優賞を獲得し、作品賞は逃してしまった。
だが、その判断で納得はいく。
アカデミー会員もなかなか観る目があるじゃないか。(上から目線)
私の想像ではディカプリオ嫌いのアカデミー会員は主人公がディカプリオだと気づかなかったのかもしれない。
主演男優賞をあげたらディカプリオだった、みたいな。
それほどディカプリオは役にハマりきっていた。
演技に鈍感な私でも分かるのだから、アカデミー会員なら高評価にして然るべきだったろう。
蘇りし者とはレオナルド・ディカプリオ自身のことではないでしょうか。