第8回目はドラマ「Nのために」です。
出典tbs.co.jp
*以降ネタバレ注意です。
2014年のテレビドラマです。
物語の発端が殺人事件だったので、サスペンスかと思えば、友情や愛情などを描いたヒューマンドラマでした。
2004年のクリスマスイヴ。
高層マンションで、野口貴弘と妻の奈央子が殺害される。
現場には西崎真人、杉下希美、成瀬慎司、安藤望の4人がいた。
この殺人事件に至るまでの経緯と心情を紐解いていく。
人の為と書いて偽りと書くなどと言うが、嘘と秘密を誰かのために積み重ねて、悲劇へと繋がっていく。
そんな物語である。
西崎真人が殺人犯として逮捕され、懲役10年となる。
西崎は事情聴取で「Nのために」したことだと言う。
登場人物の殆どがイニシャルNなので、誰のことかは判らないが、誰もがに大切なNがいたと言うのである。
西崎はNのために行動を起こして、失敗した。
存外、お喋りの過ぎる西崎である。
それが命取りとなった。
杉下希美は瀬戸内海に位置する青景島出身で、高校卒業後、東京の大学へと進学する。
杉下は高校時代に父親とその愛人に、母親と弟と共に家を追い出され、屈辱にまみれた極貧生活を送る。
杉下希美は観るに耐えない不幸さであった。
彼女はNのために嘘をつき、救おうとした。
罪の共有という究極の愛である。
しかし、それが本当の愛かは分からない。
それが杉下の幸せを遠ざけたからだ。
成瀬慎司は杉下希美の同級生だ。
高校時代に成瀬の実家の料亭が火事になる。
この時、Nのために成瀬は秘密を背負った。
杉下と成瀬は燃え盛る炎を眺めながら、手を握る。
火事の真相は秘密のまま物語は進む。
2人の関係は罪の共有をしたがために、距離を取ることになる。
安藤望は被害者である野口の部下であった。
安藤だけが事件のピースから外れた存在だったが、彼もまたNのために行動を起こし、この事件をつなぐ鎖となるのだ。
それぞれが、ある事件をキッカケに封印した幸せを解放するまでが描かれる。
感想としては、異色なストーリーで面白い。
美しい風景と印象に残る別れと旅立ちの描写が、ノスタルジーをかき立て、印象的でした。
憧れるような友情があり、
目を背けたくなるようなトラウマがあり、
感情を揺さぶられます。
それぞれの再会のシーンも胸をうちます。
是非とも事件の結末を観て欲しいです。
誰かのために何かする気になれるかもしれません。
私はカズマなので「Kのために」何か行動して、生きていきたいと思います。