第4回目はスタンリー・キューブリック監督のロリータ。
出典movie.yahoo.co.jp
*以降 ネタバレ注意です。
1962年の映画でモノクロ作品。
40代の主人公ハンバート・ハンバートが10代の少女ロリータに恋をする物語だ。
いわゆるロリコンの由来となった作品である。
ストーリーは割と意外性があって、面白かった。
主人公ハンバート・ハンバートは未亡人シャルロット・ヘイズの家に下宿することになり、そこでシャルロットの娘、ロリータに一目惚れをする。
ロリータと一緒にいたいがため、ハンバートはシャルロットと結婚してしまう。
しかし、ほどなく偽りの愛と、ロリータへの想いが露見してしまうのだ。
シャルロットはショックで取り乱し、家を飛び出し、車にはねられ死亡する。
シャルロットは陽気な性格もあって、私は可哀想でならない。
その後ハンバートはロリータを連れ出し、旅に出る。
ハンバートはロリータへの独占欲から束縛を強め、次第にロリータとの間に溝ができる。
この時点でハンバートとロリータは肉体関係にある様なのだが、匂わせる台詞があるだけで、明確な描写はない。
当時の規制や世論を鑑みて、性描写を入れる事が出来なかったらしい。
内容が内容なだけに、仕方ないのかもしれないが、中途半端な仕上がりに感じる。
作品の仕上がりにはキューブリックも原作者のナボコフも満足していないらしい。
ともあれ、ハンバートは変質者から性犯罪者となったのだ。
それから旅の途中、ロリータは入院するのだが、叔父を名乗る謎の人物に連れさられる。
3年後、失踪したロリータから手紙が届く。
「結婚して、妊娠してます。借金が苦しいので、お金を送ってください」
ハンバートはロリータに会いに行き、失踪後の話を聞く。
ロリータを病院から連れ出したのは結婚相手ではなく、別の人物だった。
ハンバートはロリータに戻るように懇願するが断られる。
絶望したハンバートは1万3000ドルを渡してロリータの元を去った。
そして、病院からロリータを連れ去った男に復讐を果たす。
ストーリーは大体こんな感じだ。
主題であるハンバートの少女性愛だが、表現が抑えられていて、あまり異常性は感じられない。
極端に過保護な父親という感じだ。
何というか、岡田あーみんの「お父さんは心配性」のハリウッド版といった感じだろうか。
罪の意識から周囲の目や警察に怯えて、逃亡を続けるハンバートの強迫観念が狂気として描かれている様に思える。
一方のロリータはハンバートに恋愛感情を抱いておらず、生きて行くためにハンバートと行動を共にするしかない。
それ故に、少女性愛が犯罪として扱われなければならない理由でもある。
不幸な少女ではあるが、最後まで観れば、そのたくましさに感心するかもしれない。
古い映画なので、多少見辛いが、ほかにはない独特の雰囲気があるので、充分楽しめた様に思う。
ロリータは綺麗な顔立ちだが、ワガママで生意気なお嬢様という気がして、私はあまり好きにはなれなかった。
ふぅー、どうやら私はロリコンではないらしい。
皆さんも是非、この映画を観て確認してみてください。
つづく
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