第三回目は大脱走。
出典eiga.com
*以下 ネタバレ注意
大脱走は子供の頃、父親とテレビで観たことがあった。
脱走者がフランス人になりすましていたが、うっかり英語を話してしまい正体がバレてしまう、そんなワンシーンだけ覚えていたが、あとはまるで記憶にない。
有名な作品でありスティーブ・マックイーンやジェームズ・ガーナー、リチャード・アッテンボロー、チャールズ・ブロンソンなど名俳優がゾロゾロと出演している。
とは言っても、私にとっては古すぎて誰だ?って感じの面々でもある。
ストーリーは単純明解、第二次世界大戦中ドイツの捕虜収容所から連合軍兵士が脱走するのである。
実話が元になっているそうで、脱走手段の再現度は高いらしい。
因みに私はあまり戦争映画は好きではない。
特にナチスがらみは苦手です。
ナチスの捕虜収容所なんて、どうせ不衛生で狭くて汚くて、食事もろくに与えられず、拷問や処刑も日常茶飯事そんなイメージだ。
しかし舞台となるこの収容所は新設されたばかりで、清潔であり、すし詰め状態でざこ寝などではなく一人一人ベッドが用意されていた。
グローブとボールを持ち込めたり、お酒を飲んだり、実に快適である。
脱走する必要ある?と言いたくなってしまうほどだ。
もちろん捕虜はいつ処刑されるかわからないし、いつ解放されるかも分からないので脱走に賭けたくなる気持ちも解らないでもない。
しかし、脱走して捕まれば殺されてもしょうがない。
リスクが高すぎると思うのだ。
この収容所には脱走常習犯が集められているので、捕虜たちは気が大きくなり、捕まっても再び収容所送りで済むという甘っちょろい考えがあるため楽観的になっているのだ。
捕虜の取り扱いは戦争条約でなんらかの保護が決められているとは思うが、ナチスが守るのだろうか?
私は映画を観ながら、この脱走計画には反対だった。
狭い牢獄を歩く自由より、たとえ嵐でも大海原を自由に航海したいという考えもあるだろう。
だが、私はこの快適な収容所の方が良い様に思えた。
もちろんそれは脱走する気を無くすためのドイツの策略なのだが。
さて、この脱走計画では250人が脱走予定であったのだが、途中で発見され全員は脱走できなかった。
そして脱走者のうち、捕縛された50人が射殺されるのだ。
実のところ、この脱走計画立案者にとっては単に脱走することが目的ではなく、脱走によってドイツ軍を撹乱する事が目的だったのだ。
捕虜たちはまたもや戦争に利用されたのだ。
50人もの犠牲を払ってどれだけの撹乱効果が得られたのだろうか。
この脱走計画が成功だったのか失敗だったのか、そして何人国外に脱走できたのかは是非映画を観て確認して欲しい。
その結論を得た時、この映画は名作となると思います。