第二回目もスタンリー・キューブリックの作品です。
*以降、ネタバレ注意です
男は誰でも悪に憧れを抱くものなのだ。
誰でもアムロよりシャアに憧れているはずだ。
だからこそ泥棒や海賊または不良なんてものが活躍する作品があるのだ。
だがしかし、この作品の主人公アレックスは決して憧れてはいけないただただ胸糞の悪いド底辺の悪なのだ。
ある意味、純粋な悪と言ってもいい救いようのない悪なのだ。
前半はいかにアレックスが悪人であるかが描かれる。
中盤は暴力と性犯罪に明け暮れるアレックスは遂に逮捕され、ルドヴィコ療法という治療というか洗脳を受けることになる。
作中でも言われることだがルドヴィコ療法は悪からの救済や改心、反省をもたらすのではなく、ただ悪事に対して拒絶反応を引き起こさせるだけなので根本的な解決にはなっていないのだ。
後半はルドヴィコ療法によって悪事が行えなくなったアレックスが報復を受ける様になる。
最終的にはルドヴィコ療法の是非が問われるという内容だ。
私もルドヴィコ療法には反対である。
悪事ができなくなったからといって簡単に社会復帰させたのが間違い。
そして最大級に間違っているのは、性犯罪はもちろん許してはいけないが、ちょっとエロい事を考えることさえ許さないのは人権侵害であると思うのだ。
結果的にアレックスは洗脳を解かれエロい妄想にふけったところで映画は終わるのだが、
その後のアレックスがどうなったかは想像次第である。
あまりオススメする様な映画でないと思うが、一度くらいは観てもいいかもしれないですよ。
今ならHuluで観れますよ。
因みに、この映画で一番気になったところはアレックスの母親がちびまる子ちゃんの様な服装であったことである。