カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

レオン

 

 

 

第265回目は「レオン」です。

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出典U-NEXT 


1994年のフランス・アメリカ合作のアクション映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


素晴らしい。

 


完璧な映画です。

 


実は、私は映画にコッソリと点数をつけているのですが「レオン」は満点です。

 


現時点では満点の映画は10作品しかありません。

 


20年ぶりくらいに観ましたが、色あせていませんね。

 


感動しました。

 


ストーリーも面白いし、俳優の演技も際立っていた様に思います。

 


特にナタリー・ポートマンの演技は素晴らしかったと思います。

 


子役とは思えない大人びた表情と演技に魅了されました。

 


とても13歳とは信じられませんね。

 


実は、この映画をロリコン映画として毛嫌いしている人達もいるそうです。

 


その筆頭と言えるのが、ナタリー・ポートマン自身であるので、弁解のしようもない気がします。

 


因みに私はロリコンではないので、あまりロリコン映画であるとは感じませんでした。

 


確かにオッサンであるレオンに12歳の少女が恋をするという描写はありますが

 


レオンの方は紳士的な対応をしているので、ロリコン映画とは言えないと思います。

 


でも、まぁ個人の感じ方なので、そういう意見があることも、致し方ないところだと思います。

 


そういうところも含めて、是非観て欲しい映画だと思います。

 


物語はニューヨークのリトル・イタリアが舞台です。

 


主人公レオンは殺し屋を営んでいました。

 


ある日、仕事帰りレオンは同じマンションの隣の部屋に住む少女マチルダと接点を持ちます。

 


チルダは顔にアザができていました。

 


チルダの父親は麻薬の預かり人をしており、決して良い父親ではありませんでした。

 


継母と、その連れ子の姉とも良好な関係ではありませんでした。

 


唯一、弟だけがマチルダの心の拠り所でした。

 


ある日、麻薬組織のスタンフィールドがやって来て、マチルダの家族を皆殺しにしてしまいます。

 


チルダは機転をきかせて、レオンに庇護を求めました。

 


戸惑うレオンでしたが、マチルダを部屋にかくまうことにしました。

 


それからレオンとマチルダの共同生活が始まります。

 


チルダは家事全般とレオンに文字を教えることに。

 


レオンはマチルダに殺し屋の技を教えることになります。

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出典U-NEXT 


果たしてマチルダはスタンフィールドに復讐することができるのでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


純粋に面白いです。

 


冒頭のレオンの仕事ぶりで、いかにレオンが凄腕か思い知らされます。

 


それだけで、観る人は世界観に没頭してしまうでしょう。

 


そして、マチルダの登場で観る人のハートは、もれなくキャッチされてしまうことでしょう。

 


また悪役のスタンフィールドのキャラクターにも引き込まれてしまいます。

 


コイツは中々のワルです

 


ちょっと脇役ですが、トニーの存在も重要です。

 


登場人物が魅力的で、無駄がない様に思います。

 


特にレオンとマチルダの掛け合いは、笑いあり涙ありで、十二分に楽しませてくれます。

 


レオンの孤独を癒すマチルダには感動しました。

 


それは殺し屋のレオンとしてはマイナス要素だったかもしれませんが

 


人間として大事なものを教えてくれたのでした。

 


逆にマチルダもレオンから大切なものを学んだようです。

 


私も少なからず、この映画に影響を受けた様な気がします。

 


皆さんにも是非、観て欲しいです。

 


ところで、今観ることができる「レオン」は「レオン完全版」と呼ばれるバージョンです。

 


劇場公開時はマチルダがレオンに恋心を抱くというシーンを極力カットしていたそうです。

 


元々、ロリコン映画と批評されることを懸念していた様です。

 


本来は「完全版」として公開されるべきだったのだと思います。

 


しかし、あるシーンが一部カットされていました。

 


確かにショッキングなシーンなので、カットするのもやむを得ない気がしますが

 


ちょっと解りづらくなってしまっています。

 


「完全版」は不完全になってしまいました。

 


とは言え、素晴らしい作品であることは間違い無いので、是非観てみてください。

 

 

 

ハッピーハロウィンにゃんゼロにゃんにゃん

Happy Halloween ニャン

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皆さんお久しぶりにゃん。

 


ハロウィンは盛り上がっていますかにゃん?

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今年はあまり話題になっていない気がするにゃん。

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毎年、この衣装をきているけど、だんだんサイズが合って来たにゃん。

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僕も大きくなったもんだニャン。

 


今年も残りわずかだけど、ヨロシクにゃん。

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shall we ダンス?

 

 

 

第264回目は「shall we ダンス?」です。

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1996年の日本の社交ダンスコメディ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私の感覚では、日本人はダンスとはほぼ無縁なのではないかと思っています。

 


ダンスが職業の人やダンスが趣味という人でなければ、踊る機会は皆無だと思われます。

 


とは言え20代より若ければ、学校でダンスの授業があったり

 


50代なら、ディスコブームでブイブイ言わせてたという時代もあったと思います。

 


ちょうど私のように40代辺りの人は、ダンスとはほぼ無縁だという気がします。

 


(ダンス甲子園というTV番組が流行っていましたけど)

 


しかしながら、少なからず小・中学生の頃は体育祭のためにフォークダンスを踊っていた記憶があります。

 


時にはイヤイヤながら、時にはデレデレしながら踊っていました。

 


今思えば私にとっては、良き思い出と言えるでしょう。

 


そういう意味では、ダンスに対して忌避感というものもないような気がします。

 


そういえば、たまにふざけてDA PUMPの「USA」を踊ったりしてるので、まるで無縁とも言えないか。

 


さて、この映画はダンスと言っても、社交ダンスを題材にしています。

 


一時期、ウッチャンナンチャンの社交ダンス部というテレビ番組も流行っていた記憶もあります。

 


しかしながら、私の周りには社交ダンスに興じている人は全くいません。

 


それだけマイナーな世界だと思われます。

 


調べたところによると、日本では100人に1人くらいが社交ダンスをしているそうです。

 


意外と多い気もしますね。

 


私にとっては未知の世界なのですが、この映画は社交ダンスの世界への入門編としてはベストな作品だと思います。

 


初心者の中年が一から社交ダンスを習い始めるので、全く無知の私が観ても、充分世界観に入っていけます。

 


物語は妻子のある経理課長の杉山正平が主人公です。

 


家族関係も良好で、マイホームも購入して、幸せな家庭を築いていました。

 


しかし杉山自身は、心に物足りなさを感じていました。

 


杉山は電車通勤の車窓から毎晩、社交ダンス教室の窓辺に立つ女性を眺めていました。

 


意を決して社交ダンス教室に乗り込んだ杉山は、成り行きでレッスンを受講することになります。

 


窓辺にたたずんでいた憧れの女性は、ダンス講師の岸川舞でした。

 


杉山は社交ダンスにハマっていきました。

 


ある日、杉山は岸川舞を夕食に誘いますが、下心を見抜かれ拒絶されてしまいます。

 


それ以降、杉山は社交ダンスに真剣に取り組むようになります。

 


一方杉山の妻である昌子は、夫の浮気を疑い探偵社を訪れていました。

 


果たして、杉山は浮気をしてしまうのでしょうか?

 


杉山は社交ダンスと、どう向き合うのか?

 


是非一度、観てみてください。

 


多少地味な映画という感じは否めませんが、素晴らしい作品でした。

 


舞台のメインは社交ダンス教室ですが、とても雰囲気が良いです。

 


リアリティを感じるというか、寂れた感が上手い具合に漂っていました。

 


役者も粒揃いで、誰も彼もが魅力的に描かれています。

 


特筆すべきは岸川舞を演じている草刈民代でしょう。

 


前半は死んだ魚のような目をしていますが、杉山との出会いによって活力を取り戻して行きます。

 


後半に見せる生気に溢れた笑顔は、岸川舞の心情の変化を見事に演じきったと思われます。

 


また青木を演じる竹中直人の演技、ダンスも素晴らしかった。

 


大袈裟で気持ち悪いと呼ばれるダンスですが、かなり魅惑的に表現されていました。

 


やれと言われてできるダンスではないように思います。

 


青木はこの映画の影の主人公と言っても過言ではありません。

 


徐々にダンスが上手くなって行く登場人物に共感します。

私も少し、社交ダンスを踊ってみたくなりました。

 


ダンスが好きな人にはお勧めです。

 


老後の趣味を探している人にもお勧めだと思います。

 


さてこの映画は評価が高く、2004年にハリウッドでリメイクされています。

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続けて観て観ましたが、ストーリーはほぼ同じでした。

 


やはり、文化の違いからか、ニュアンスがかなり違うように感じました。

 


アメリカはダンスを踊る機会が少なからずあるので、ダンス教室のシーンは少なめでした。

 


その分、サクサク進むスッキリした印象のストーリーとなっています。

 


ハリウッド版ならではの美しさ魅力です。

 


私としては日本版を観ることをお勧めします。

 


完成度は日本版の方が高いと感じています。

 


余力のある人は、どちらも観ることをお勧めしておきます。

 


できれば日本版からみてください。

 

 

シンプル・プラン

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第263回目は「シンプル・プラン」です。

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1998年のアメリカのサスペンス映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


「あ〜、どっかに大金が落ちてないかなー」

 


なんて、思うことはありませんか?

 


私はしょっちゅう思っています。

 


もし仮に、5億円拾ったとしたらどうしますか?

 


もちろん、私は交番に届けます。

 


3ヶ月、落とし主が現れなければ、5億円は私のものになるはずです。

 


もし、そんな大金が落ちているとしたら、十中八九汚いお金に違いありません。

 


すなわち、落とし主が名乗りをあげる可能性は低いと思われます。

 


万が一、落とし主が現れたとしても、1割の謝礼をもらう権利が発生します。

 


そこで、私は勇気を持って言うのです。

 


「2割ください」

 


2割くれるからどうかは分かりませんが、2割請求する権利があります。

 


そう言える強いメンタルを持っていようと常に心がけています。

 


ネコババするよりも、健全かつ確実と言えるでしょう。

 


さて、そんな夢のような話は置いといて、

 


この映画は440万ドル(約5億円)をネコババするというストーリーです。

 


物語は北アメリカの田舎町、ハンクは妊娠中の妻サラと貧しいながらも、真面目に生活を営んでいました。

 


ある日ハンクと兄のジェイコブと、その悪友ルーは父親の墓参りに行くことになります。

 


その帰り道、偶然にも森の中で、墜落した小型飛行機を発見してしまいました。

 


飛行機の中にはパイロットの死体と、440万ドルの大金が積んでありました。

 


ハンクは警察に届けることを提案しますが、ジェイコブとルーはネコババしたいと言います。

 


結局のところ、ハンクもネコババに同意することになり、440万ドルはハンクが隠すことになりました。

 


しかし、このことが3人の運命を狂わせることになるのでした。

 


果たして、3人の運命は?

 


440万ドルは誰のものに?

 


是非一度、観てみてください。

 


この映画は、落ちている大金を拾うというだけで、私にとってはかなりハマった作品です。

 


ハンクに共感するというか、

 


気持ち的には映画に入り込んで、話に参加している気分になりました。

 


かなり没頭していたと思います。

 


そうなってくると、マジで

 


「コイツらムカつく〜!」となってきました。

 


もう、約束は守れない、秘密は守れないで、絶対に共犯者にしてはいけない連中です。

 


そのことが、次から次へと不幸を呼び起こしてしまいます。

 


「お前たち本気でネコババする気あんのか?」とツッコミを入れたくなります。

 


ルーは金にガメツイし、ジェイコブは情緒不安定だし、ハンクは苦労しっぱなしです。

 


ルーはともかくとして、ジェイコブは兄なので、ハンクの苦悩は想像以上のものとなっています。

 


大金を手に入れたことで、3人の友情は亀裂が入りまくります。

 


正直、見ていられないくらいです。

 


そこまでなるくらいなら、大金なんて要らないと思います。

 


でも、ネコババしてしまったので、もう後には引けません。

 


泥沼にズブズブ入り込んでしまいます。

 


かなり精神的に追い込まれる残酷さがありました。

 


大金に目が眩んでしまった、気の毒な話です。

 


「悪銭身につかず」という言葉がありますが、正にそれでした。

 


もしも、私が友人にネコババ計画を持ちかけられても、必ず交番に届けようと決心しました。

 


ネコババの誘惑に負けそうな人は、是非観てみてください。

 


教訓になる映画です。

 


面白かったところは、ハンクの妻が1番ノリノリでネコババ計画にのめり込んでいたところでした。

 


やっぱり、大金を目の前にすると、目の色が変わっちゃうのでしょうか?

 

 

サイコ

 

 

第262回目は「サイコ」です。

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1960年のアメリカのサイコ・サスペンス映画です。

 


実は、私はあまり監督の良し悪しというのが判りません。

 


というのも、このブログを始めるまで、監督が誰か、ということを全く気にしてこなかったのです。

 


最近、ようやく監督の色というものが解ってきたところです。

 


徐々にではありますが、この監督は凄いなーなんて言えるようになってきました。

 


この作品はアルフレッッド・ヒッチコックの作品ですが、古いながらも中々の手腕を見せつけてくれました。

 


この時代に、サイコ映画の元祖的な映画を生み出したことには、敬意を表するところであります。

 


恥ずかしながら、ヒッチコック監督の作品は初鑑賞なのですが(厳密には「鳥」を薄っすら観た記憶があります)

 


なるほど、印象深い作品でございました。

 


基本的には私はモノクロ映画は観ないことにしているのですが、ヒッチコック監督であれば観てみたいような気がしてきました。

 


ちょっと古いので、観ようという気にならないかもしれませんが、せめて「サイコ」だけでも観てみてはいかがでしょうか?

 


サイコ映画の元祖として、観ても損のない映画だとお勧めしておきます。

 


物語はアリゾナ州フェニックスにある、とあるホテルの一室から始まります。

 


不動産屋で働くマリオンは恋人のサムと、昼休み中に逢い引きしていました。

 


サムは経済的な理由で、マリオンとの結婚を渋っていました。

 


その後、会社に戻ったマリオンは社長に現金4万ドル(約1500万円くらいか)を銀行に預けるように命令されます。

 


しかし、マリオンは4万ドルを持ち逃げしてしまいます。

 


しかし、それが悲劇の始まりとなったのです。

 


果たして、マリオンは逃げ切ることができるのでしょうか?

 


4万ドルの行方は?

 


是非、観てみてください。

 


いゃ〜、何が凄いって、ストーリー展開が斬新です。

 


今ではちょっとない、いや、他では見られないような衝撃的な展開です。

 


完全に二部構成となっています。

 


細部に至ってはマリオンの表情と心理描写が秀逸です。

 


途中で警察官に目をつけられますが、マリオンの動揺が伝わって来ます。

 


途中でマリオンが辿り着いたモーテルの経営者ノーマンとその母親ノーマのやりとりも怪しさが抜群で、気持ち悪くて良い味を出しています。

 


ノーマンは挙動不審だし、ノーマは神経質だし、マリオンは逃亡者だし、怪しさの三つ巴です。

 


この精神的な駆け引きも、見事に表現されていました。

 


後半は、サムとマリオンの妹のライラの話になるのですが、ここからは映画を観て下さいと言っておきましょう。

 


古い映画ですが、全然退屈ではありませんでした。

 


むしろ優秀な映画であったと思います。

 


さて、この映画は1998年にリメイクされていました。

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念のために、そちらも鑑賞してみました。

 


結果、非の打ち所の無い完璧なリメイク作品です。

 


同じ脚本、演出で忠実に再現していると言っても過言ではありません。

 


ヒッチコック監督にこだわりがなければ、リメイク版の方をお勧めしておきます。

 


カラーだし、流石に観やすいと思います。

 


全体的な印象的としては、わりとドキドキしたし、テンションは結構上がりました。

 


映画史に残る作品だと思うので、是非一度観てみてください。

 

 

それでもボクはやってない

第261回目は「それでもボクはやってない」です。

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2007年の日本の痴漢冤罪映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私たちの1番身近な犯罪は、痴漢ではないかと思います。

 


もっとも私は痴漢ではありませんし、痴漢に遭遇したこともありません。

 


しかし、年間300件近くの被害が報告されているらしいです。

 


実際には、明るみに出ていない被害者が、100倍か1000倍はいるような気がします。

 


女性にとっては恐ろしい事だと思います。

 


しかし、男性にとっても恐れなければならない事があります。

 


それが、痴漢冤罪です。

 


痴漢に間違えられると、そこで一巻の終わりです。

 


現在では痴漢冤罪に対して、多少は聞く耳を持っているような話を聞いたりしますが。

 


映画の公開当時では、痴漢に間違えられたら最後、必ず有罪になり、社会的に抹殺されてしまうのが決定的でした。

 


痴漢は女性はもちろん、男性にとっても恐怖の犯罪なのです。

 


自分はやってないから大丈夫なんて考えていたら、あれよあれよという間に痴漢にしたてあげられてしまいます。

 


無罪の証明をするのはかなり難しいようです。

 


また、有罪を証明することも難しいのですが、ほぼ被害者の申告だけで立証されてしまうようです。

 


最近では科学捜査で繊維や、皮脂成分を調べてくれるケースもあるようですが、本当にやってくれるか信じられません。

 


もしも、科学分析してくれなければアウトです。

 


もはや性犯罪者の仲間入りです。

 


痴漢に間違えられたら、逃げるしかありません。

 


私などは、電車では出来るだけ女性の側に立たないようにして、両手で吊り革を持つように用心しています。

 


この映画は痴漢冤罪で捕まってしまうと、どうなってしまうのか、ドキュメントチックに描いた作品です。

 


面白い作品というわけではないのですが、是非、冤罪で捕まった時の教科書として観ておいた方が良いと思います。

 


物語はフリーターの金子徹平が痴漢の容疑で逮捕されるところから始まります。

 


徹平は無実を主張しますが、警察は聞く耳を持ってくれません。

 


それどころか「私がやりました」という調書を勝手に刑事が書いてしまいます。

 


弁護士も無実の罪を認めて、示談にすることをすすめてきます。

 


検察にも信じてもらえず、絶対に有罪にしてやると言われます。

 


それでも無実を主張する徹平は拘留され、裁判で争うことになります。

 


果たして徹平は無実を勝ち取ることができるでしょうか?

 


是非、観てみてみてください。

 


この映画は面白いとは到底言えません。

 


しかし、抜群のリアリティを備えていると思います。

 


ようは実際に、冤罪で訴えられると、全く笑えないということです。

 


つまりもの凄く良く出来た映画なのです。

 


とにかく腹の立つ映画(いい意味で)です。

 


駅員、刑事、検察、裁判官、全てがムカつきます。

 


正直なところ、主人公の徹平にも腹が立ちます。

 


唯一の味方は弁護士だけです。

 


いや、家族や友人も無実を信じて、応援してくれています。

 


しかし、結局のところ弁護士頼みであることは間違いありません。

 


敵、敵、敵、敵だらけです。

 


こんなことは言いたくはありませんが、被害者の女性さえ敵に思えてしまいます。

 


裁判では嘘をつくと偽証罪にとわれるそうですが、嘘ばっかりです。

 


イライラがMAXですが、映画としては大成功だと思います。

 


かなりの感情移入をしていたように思います。

 


同時に冤罪の恐ろしさを感じずにはいられません。

 


恐ろしいのは裁判官や、検察、刑事が自分達のメンツのために、無実の者を有罪に追い込もうとしていることです。

 


これも私はリアリティのある話だと思っています。

 


つまり、やはり訴えられたら終わりなのだということだと思います。

 


冤罪で訴えられるとどうなるのか、どうするべきなのか、この映画が参考になると思います。

 


恐ろしい映画であり、恐ろしい現実です。

 


電車に乗る人ならば、是非一度観てほしいです。

 


最後に、私が遭遇した痴漢事件(?)について、書いておこうと思います。

 


ある日、そこそこに混雑している電車でのこと。

 


突然私の後方から、女性の悲鳴が聞こえました。

 


私は痴漢かと思い、人をかき分けて悲鳴の方に向かっていきました。

 


すると女性に抱きついている男性が目に入りました。

 


「オイ!」

私は男性の首根っこを掴みました。

 


ところが、同時に私の足元に松葉杖が転がっていることに気がつきました。

 


瞬時に状況を察した私は

「オイ!コッチにつかまれ!」

 


私は男性を女性から引き離し、抱き抱えました。

 


男性はめちゃくちゃ重かったです。

 


体力も腕力もない私はプルプルと震えながら、必死に抱きかかえていました。

 


介護職の人は優秀で尊敬に値します。

 


なんとか周囲の協力を得て、男性を優先座席に座らせることが出来ました。

 


私はなんとなく良いことをしたような気分になっていました。

 


しかし、ふと男性が本当は痴漢で、わざと女性に抱きついた可能性を否定できないでいました。

 


徹平は本当に痴漢ではないのでしょうか?

 


そんな疑念がないわけでもありません。

 


チカン!アカン!

 

 

 

 

 

オペラ座の怪人

 

 

 

第260回目は「オペラ座の怪人」です。

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2004年のアメリカ・イギリス合作のミュージカル映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


先週、劇団四季の「オペラ座の怪人」を観てきました。

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出典 劇団四季


妻が突然、思い立った様にチケットを取ってくれました。

 


久しぶりの劇場公演とあって、私は緊張してしまいました。

 


まあ、私は観る側なのですけど。

 


流石にミュージカルとなると、唯ならぬ緊張感が漂っている気がするのです。

 


席は後ろの方でしたが、圧巻の歌声と演技でございました。

 


移り変わるシーンの演出など、実に素晴らしかったです。

 


劇団四季の「オペラ座の怪人」は27年ぶりの2度目の鑑賞でした。

 


前回観た時よりもマイルドな印象がありました。

 


具体的に説明するのはむずかしいのすが、不気味さが軽減され、恋愛模様が強調されていた様な気がします。

 


まあ前回は27年前なので、なんとも言えませんけども。

 


とりあえず「オペラ座の怪人」は素晴らしいミュージカルなので、是非観に行っていただきたいです。

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さて今回観た映画は、そのミュージカル版「オペラ座の怪人」を映画化したものです。

 


原作を私は読んだことがないので、分かりませんが、ミュージカルの再現度は抜群です。

 


物語は19世紀後半のパリのオペラ座が舞台です。

 


新しい支配人が就任したある日、オペラ座では新作「ハンニバル」の稽古が行われていました。

 


プリマドンナのカルロッタが歌おうとすると、舞台装置である背景画が落下してきます。

 


実はオペラ座では、ここ数年不気味で不可解な事件が続発していました。

 


噂ではそれは怪人の仕業であるとのこと。

 


支配人の元に怪人から手紙が届きます。

 


「いつもの様に5番のボックス席は空けておく様に、給料の支払いもお忘れなく」

 


前の支配人は怪人に2万フラン(推定2,846万円)支払っていた様です。

 


嫌気がさしたカルロッタは舞台を降板してしまいます。

 


そこで代役に抜擢されたのが、クリスティーヌ・ダーエでした。

 


クリスティーヌは「音楽の天使」から秘密のレッスンを受けていました。

 


クリスティーヌは見事に代役を果たしました。

 


しかし、クリスティーヌの前に怪人が現れ……。

 


さて、怪人とは何者なのでしょうか?

 


クリスティーヌの運命は?

 


是非、観てみてください。

 


この映画は、私が今までに観た映画の中で最も美しい作品だと思っています。

 


登場人物、音楽、衣装、舞台美術、どれをとっても最高の美しさです。

 


まさに芸術の域に達しているといえるでしょう。

 


特に冒頭にオークションのシーンがあり、そこから過去に遡る演出があるのですが、素晴らしい映像になっています。

 


過去に無いくらいの衝撃を受けました。

 


また、オペラ座で演じられる「ハンニバル」などの劇中劇も見応え抜群です。

 


あと、TVCMでお馴染みの「マスカレード」のシーンも素晴らしい。

 


新年を祝うシーンだと思いますが、人が死んだり色々あったのにノンキな人たちです。

 


もう、こんなことなら怪人と共存した方が良いのではないでしょうか。

 


5番のボックス席さえ空けておけば、芝居の脚本は書いてくれるし、歌のレッスンもしてくれます。

 


ギャラは高額だけども。

 


ちょっと怖い座敷童子がいるくらいなものではないでしょうか。

 


多少ストーカー気質ではありますが、根は悪い人ではないと思います。

 


とは言え、事件を起こしてしまったらおしまいです。

 


いくら女に振られたからって、やって良いことと悪いことがあります。

 


きっと他人とのコミュニケーション不足が、怪人をそうさせてしまったのでしょう。

 


気の毒な話です。

 


かと言って、クリスティーヌに犠牲になれとも言えませんし、怪人の恋は報われなくても仕方ありません。

 


でもね、実は私は怪人は、そこまで可哀想だとは思っていないのです。

 


怪人の「顔」に関しては同情しますが。

 


オッサンが?娘のような年頃の女性に入れ上げて「萌え萌え」しているので、案外幸せなのではなかったでしょうか?

 


気持ちを切り替えて、次の「推しメン」を探せば良いのではないでしょうか?

 


そんな幸せなアイドルオタク人生が怪人に待っていることを祈っています。

 


というわけで、そんな怪人の愛と孤独を是非、観てあげて欲しいのです。

 


私にとっては満点の映画です。