カズマの一期一映日記

映画の感想と雑談

半沢直樹シーズン2

 

 

 

第143回目は半沢直樹シーズン2です。

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2020年の日本のテレビドラマです。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


銀行員である半沢直樹が活躍する金融ドラマです。

 


シーズン1に続いて、シーズン2も非常に面白かったです。

 


前半は東京セントラル証券対東京中央銀行の対決で、IT企業スパイラルの買収についての攻防が繰り広げられます。

 


陰謀詐術、裏切りに次ぐ裏切りに半沢直樹はどう立ち向かうのか。

 


見応えがあります。

 


後半は東京中央銀行対政府の対決で、経営破綻寸前の帝国航空の立て直しがメインとなります。

 


半沢直樹は帝国航空の再建担当に任命され、赤字路線の撤退やリストラなどの業務改革に取り組む。

 


そんな時、政権を担っていた進政党が銀行に債権放棄を迫って来た。

 


果たして半沢直樹は政府の圧力に屈してしまうのか?

 


それとも、銀行主導で帝国航空を再建することができるのか?

 


是非、観てみてください。

 


半沢直樹」の魅力は金融ドラマそのものでもありますが、なんと言っても登場人物の顔と台詞回しにあると思います。

 


前シーズンに増して大袈裟になり、かなり現実離れしていますが、そこがたまらなく面白い。

 


リアリティーも大事ですが、多少は誇張されている方が興味をそそられる様です。

 


演技もほとんど悪ノリの域に達しています。

 


歌舞伎俳優が多数出演しているのもあって、端々に歌舞伎的な演出が見られます。

 


注目して欲しいところは俳優の顔です。

 


とにかくアップ画像が多く、舌戦の嵐になっています。

 


このコロナ禍に顔を10cmいや5cmまで近づけて、にらめっこ対決をしています。

 


物凄い気迫を感じます。

 


感染は大丈夫なのか

 


このままチューしてしまうのか

 


鬼気迫る映像です。

 


そんな登場人物の面々を少し紹介しておきたいと思います。

 


先ず主人公、堺雅人扮する半沢直樹

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「やられたらやり返す!倍返しだ!」がモットーの銀行マン。

 


いつの間にか営業部の次長まで出世していますが、周りを見渡せば敵ばかりです。

 


しかし、バンカーとしての信念と誠実さを武器に立ち向かって行きます。

 


噂によると世の中のサラリーマンに勇気と希望を与えているそうです。

 


逆に半沢直樹に感化された部下に、世の中の上司はタジタジになり、仕事がやりにくくなったと嘆いてるそうです。

 


2人目は香川照之扮する大和田常務

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「ほどこされたら、ほどこし返す。恩返しです」がモットーの半沢直樹の宿敵であり上司でもあります。

 


とにかくムカつく顔とセリフで、半沢直樹に迫って来ますが、憎めないキャラなのです。

 


敵か味方か、のらりくらりと立ち回り混乱させます。

 


ですが、上司的な立場の視聴者はむしろ大和田常務を応援してしまうのではないでしょうか?

 


一般的にも大和田常務の決め台詞を楽しみにしているファンも多いと思います。

 


私も半沢直樹と大和田常務の対決は毎回手に汗握る攻防で大好きです。

 


3人目は片岡愛之助扮する国税局の黒崎。

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大和田常務が半沢直樹の宿敵ならば黒崎は天敵とも言うべき存在。

 


事あるごとに査察やら金融庁検査などで半沢直樹を窮地に追い込む。

 


敵ながら半沢直樹を「直樹〜♡」とファーストネームで呼ぶあたり、案外好敵手と認めている様です。

 


オネエ言葉で喋るので、半沢直樹に愛情に近い感情を抱いているかもしれません。

 


4人目は江口のりこ扮する白井亜希子国土交通大臣

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進政党のプロパガンダ人事で抜擢された若手議員。

 


銀行に債権放棄させた上での帝国航空の再建を指揮する。

 


そのため債権放棄を拒否する立場の半沢直樹と真っ向から衝突する。

 


モデルはどうやら蓮舫議員で、滝川クリステルのギャグを乱発する、これまたムカつくキャラです。

 


話は変わるが、私は滝川クリステルが結構好きだった。

 


遅ればせながら、小泉進次郎との結婚はまったくもってめでたい話だと思う。

 


将来、総理大臣になったら面白いなぁ。

 


もちろん、滝川クリステルが総理大臣になるのである。

 


話を戻そう。

 


5人目は柄本明扮する進政党の箕部幹事長。

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老獪な演技としゃがれ声で圧倒的な雰囲気を醸し出している。

 


普段はボソボソ喋るのに怒ると突然大声になるので私も妻も驚いた。

 


ウチの猫のミュウも驚いた。

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とにかく迫力のある顔、いや演技でした。

 


それにしても出演者の顔がどれも良い。

 


顔とセリフだけで充分に物語の面白さを引き出しています。

 


日本のドラマも捨てたもんじゃないですよ。

 


放送が終わってしまってから言うのもなんですが、是非観てみてください。

 


結構、スカッとすると思います。

 

 

 

 

マレフィセント

 

 

第142回目はマレフィセントです。

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2014年のアメリカのファンタジー映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


マレフィセントといえばディズニーのアニメ「眠れる森の美女」に登場する魔女として有名です。

 


それも魔女の中でも1番のワルというイメージです。

 


ところが、この映画はマレフィセントが主人公なのです。

 


マレフィセントの少女時代や恋物語が描かれます。

 


「眠れる森の美女」の実写版というよりは別物で真逆の作品と言っても良いでしょう。

 


「眠れる森の美女」の物語は、とある王国で待望の王女が生まれたところから始まります。

 


王女はオーロラ姫と名付けられました。

 


オーロラ姫の誕生祝いのパーティーが開かれたのですがマレフィセントは招待されませんでした。

 


怒ったマレフィセントはオーロラ姫に

「16歳の誕生日までに糸車で指を刺して死ぬ」という呪いをかけてしまいます。

 


そこで招待されていた妖精のメリーウェザーが「死なずに眠るだけで、運命の相手からのキスで目覚める」というカウンター魔法をかけます。

 


かくして、ステファン王はオーロラ姫を守るために国中の糸車を燃やして、オーロラ姫を3人の妖精に育てさせました。

 


果たして、マレフィセントの呪いに打ち勝つことはできるのでしょうか?

 


というストーリーでした。

 


招待されなかっただけで、怒ってしまうマレフィセントも気が短いですが、招待しなかったのも配慮が足りなかったかもしれません。

 


では、なぜ招待しなかったのでしょうか?

 


単に悪い魔女だったからですが。

 


この映画「マレフィセント」では驚愕の真実が語られます。

 


ここからはネタバレ強めなので注意です。

 


なんと、オーロラ姫の父ステファン王とマレフィセントは元カレ元カノの関係だったのです。

 


紆余曲折あって別れることになってしまったのですが、ステファンに手酷く裏切られたマレフィセントは純真な妖精から魔女へと変貌してしまいます。

 


何にせよ、元カレの子供のお祝いの席に乗り込んで来るとは恐ろしい元カノです。

 


映画の作り手としてはマレフィセントが実は可哀想という風にしたいのだと思いますが、果たしてそれで良かったのでしょうか。

 


確かにそれでマレフィセントの人気は急上昇かもしれません。

 


ですがステファン王の株は大暴落です。

 


詰まるところ人間の方が悪者でした。

 


と、なったわけです。

 


映画自体は面白いし、映像も美しいので評価は決して悪くはありません。

 


しかし、あまり解決した様な気にはなりませんでした。

 


結局のところ、どちらもが悪者で、むしろ犠牲者が増している様に感じました。

 


ステファン王はクズだし、王妃は不幸の極地、さらにフィリップ王子は見せ場をマレフィセントに奪われ醜態を晒します。

 


マレフィセント1人で美味しいところを持って行ってしまいます。

 


そもそもマレフィセントに同情を集める必要があったのでしょうか?

 


悪役には悪役の誇りと名誉があるのだと思います。

 


悪どければ悪どいほど美しいのが悪の華だというのに。

 


まったく悪の名折れです。

 


こんなことでは私はディズニーランドでマレフィセントに会った時に、どんな顔をすれば良いのか分かりません。

 


「眠れる森の美女」と「マレフィセント」の2つの顔を持ってしまったマレフィセントですが、いずれの方を真実と捉えれば良いのでしょうか?

 


ディズニーの公式はどちらなんでしょうか。

 


このパラドックスを私は受け止めることが出来ません。

 


深く考えすぎでしょうか。

 


さて、細かいことは置いておいて、映画の見どころですが、先ずマレフィセントの少女時代の恋物語とオーロラ姫の成長です。

 


オーロラ姫の育成にマレフィセントが関わってくるのですが、なかなかに面白い設定だと思います。

 


よくよく考えれば、斬新で画期的な作品なのです。

 


これを受け入れられない私は、なんと頭が硬くて狭量なのでしょう。

 


映画「マレフィセント」自体はディズニーの歴史を覆す様な偉大な作品だと思います。

 


なので是非一度、鑑賞してみてください。

 


そして、アニメと実写のマレフィセントどちらが正当か見比べてみてください。

 


私は当分、結論が出そうにありません。

 

 

 

ピーターパン

 

 

第141回目はピーターパンです。

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2003年のアメリカ・イギリス・オーストラリア合作のファンタジー映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


ピーターパンといえばディズニーのアニメが有名だと思います。

 


本作はディズニー作品とは関係のない実写版です。

 


しかし、映像的な面でディズニー版の影響を受けてないとは言い切れないように思いました。

 


私はジャンルとして童話が好きなのです。

 


なんと言いますか、ファンタジーの基礎、もしくは完成形だと思うのです。

 


実写版ともなれば観ないわけにはいかないという感じです。

 


さて、ピーターパンは童話の中でもメッセージ性が強く、難解な作品でもあると思います。

 


物語は1900年代初頭のロンドンから始まります。

 


小説家になることを夢見る少女ウェンディ・ダーリングは両親と叔母さんから、子供扱いを卒業して大人としての生活を強いられようとしていました。

 


そんな夜、謎の空飛ぶ少年ピーターパンが現れ、ウェンディと弟のジョンとマイケルを永遠に子供でいられる世界「ネバーランド」へと連れて行きます。

 


そこでウェンディたちはフック船長が率いる海賊団と戦ったりと冒険をします。

 


果たしてウェンディは永遠に子供でいるのでしょうか?

 


それとも大人になるのでしょうか?

 


是非観てみてください。

 


映像としてはとても綺麗で見応えがあります。

 


童話としても完璧な作品ではないでしょうか。

 


童心に帰って観れば楽しい映画だと思います。

 


しかし、心の荒んだ私には様々な気になる点がありました。

 


先ず、ピーターパンとはそもそも何者なのか、映画の中では語られません。

 


どうやら原作ではネバーランドに迷い込んだ人間ということのようです。

 


とりあえずネバーランドの住人ということで良いのでしょうか。

 


その辺はストーリー上ではあまり重要ではないのでしょう。

 


有名なシーンでピーターパンの影が本体から切り離されてしまいます。

 


そこでウェンディがピーターパンに影を縫い付けてあげます。

 


一体、どこに縫い付けたのでしょうか?

 


足の裏でしょうか?

 


だとしたら、ウェンディは相当肝っ玉が座った女の子です。

 


私のイメージではピーターパンの足に影の切れ端が付いていて、そこに影を縫い付けたということかなと思うことにしました。

 


そこもストーリー上では、どうでもいいところです。

 


さて、永遠の子供ピーターパンは無邪気というか邪気ですね。

 


自己中心的で独裁者気質です。

 


妖精のティンカー・ベルもワガママです。

 


子供とはそういうものなのでしょうか。

 


大人のいないネバーランドでマトモな教育を受けていない子供なので仕方がないのでしょう。

 


ネバーランドで大人といえば、海賊しか居ません。

 


海賊は見た目は大人でも中身は子供なので、実質上マトモな大人はいない……。

 


そういえばインディアンの大人がいたっけ。

 


インディアンの娘タイガー・リリーはマトモそうなので、やはり子供には大人が必要なのでしょう。

 


大体そんな感じのメッセージの作品だと思います。

 


やはり子供は大人にならなければいけないということです。

 


愛を知らず、拒否するピーターパンとはなんなのでしょうか。

 


この映画は子供の残酷さをかなり意識して製作されている様に思います。

 


特に子供たちがフック船長をやっつけて爆笑しているシーンは残酷の極みだと思います。

 


最終的にはピーターパンが愛や友情を知るという展開になるのですが、結局のところピーターパンは大人になることを拒否します。

 


テーマとしては大人になるということは愛を知ることであるということだと思いますが。

 


果たしてピーターパンは子供のままでいられるのでしょうか?


それとも愛には気づかなかったのでしょうか。

 


気になります。

 


ラストの海賊船が飛ぶシーンは是非観ておいて欲しいです。

 

 

 

ついでにディズニーアニメ版のピーターパンも観てみました。

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私としては実写版の方が面白かった様に思います。

 


アニメの方がピーターパンが意地悪でアホなような気がします。

 


フック船長も可哀想すぎて、いたたまれない気持ちになります。

 


そのほか現代ではコンプライアンス的に放送出来ないような気もします。

 


観るならば実写版をオススメしておきます。

 

 

 

スペースカウボーイ

 

 

第140回目はスペースカウボーイです。

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2000年のアメリカ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私の個人的な趣味の傾向として、現役を引退したような中年が活躍する映画が割と好きな様な気がします。

 


夢のない中年にこそ希望が必要なのだと思います。

 


私も歳をとってきたせいか、老後にもうひと冒険したいという欲求があるのかもしれません。

 


映画のジャンルも宇宙開発ものには興味がそそられます。

 


アポロ13」や「ゼロ・グラビティ」「ライトスタッフ」など当時の科学の最先端を描いた作品はロマンを感じます。

 


そんな中年(の晩年)が活躍する宇宙開発ものがスペースカウボーイです。

 


物語は1958年から始まります。

 


アメリカ空軍のテストパイロットチーム・ダイダロスは、そのまま行けば宇宙飛行士になるはずでした。

 


ところがダイダロスチームは解散させられ、計画はNASAへと移行されてしまいました。

 


NASA以降の話は映画「ライトスタッフ」が史実に基づいて製作されているので観ても面白いと思います。

 


さて、時は流れて40数年、計画から外された元チームダイダロスのメンバーフランクは突然NASAに呼び出されました。

 


衛星軌道上の旧ソ連人工衛星「アイコン」の誘導装置が故障してしまったのです。

 


現在はロシアの衛星ですが、なぜかフランクが作ったアメリカの誘導装置が使われていました。

 


装置が古すぎて、修理が出来る人はフランクしか生きていなかった。

 


フランクは装置の修理を引き受ける代わりにチームダイダロスの復活を要求しました。

 


しかし宇宙に行くには厳しい訓練をクリアしなければなりません。

 


フランク、ホーク、ジェリー、タンクの元チームダイダロスは果たして宇宙に行けるのでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


この映画は前半がコメディで後半がシリアスになっています

 


多分フランクは70代だと思いますが老体にムチ打ってハッスルする姿が愛らしいです。

 


チームダイダロスのメンバーが個性的に描かれていて魅力的です。

 


正直なところお年寄りに宇宙飛行士は無理だろうと思っていました。

 


しかし、調べたところ最年長宇宙飛行士はジョン・グレンが77歳で宇宙に行ったそうです。

 


あながち、現実離れしているとは言えない様です。

 


宇宙飛行士を目指している人がどれくらいいるのかはわかりませんが、宇宙に行けるのはほんのひと摘みの人数なのでしょう。

 


そうなってくると、そこまでして宇宙に行きたいというのも納得できます。

 


コロナ禍で甲子園やオリンピックに行けなかった人たちの心中もお察し致します。

 


後半はいよいよ宇宙へと舞台を移し、様々なトラブルと陰謀の発覚がフランクたちに降りかかります。

 


前半とテンションが違っていて飽きさせない展開だと思います。

 


私の感覚だと宇宙飛行士ものは宇宙に行ってから単調になる作品が多い様な気がします。

 


しかし、スペースカウボーイは最後まで面白かったです。

 


多少、強引な展開もありますが、スピード感があって良く出来ている様に思います。

 


ところで、私は宇宙の知識はあまりないので、よく分からないのですが。

 


人工衛星なんて地球に落っこちて来ても、大気圏で燃え尽きるものじゃないのでしょうか?

 


無理に人工衛星の軌道修正したりせずに放っおいても良かったのではないでしょうか?

 


終盤に命がけのシーンがありますが、そこも他の手段があるような気がしました。

 


敢えてその方法を選択したのなら仕方ありませんが、少し疑問が残りました。

 


うむ。

 


きっと、それしか方法がなかったのでしょう。

 


宇宙に行くとか月に行くとか、私にとっては夢のまた夢ですが、現在の科学で最も遠い大冒険の舞台です。

 


安全に確実に宇宙に行けるのならば行ってみたい気もします。

 


スペースカウボーイのように、私も老後に何かに夢中になってみたいものです。

 


♫フラーイミートゥーザームーン♬

 

 

ショーシャンクの空に

 

 

第139回目はショーシャンクの空にです。

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1994年のアメリカ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


聞くところによると、日本人の好きな映画ランキング1位が「ショーシャンクの空に」だそうです。

 


観る前は意外に思いましたが、観たあとならば、1位に選ぶ人も多いかなという気がします。

 


物語は主人公である銀行副頭取のアンディ・デュフレーンが妻とその愛人を殺した罪で有罪判決を受けるところから始まります。

 


その結果、アンディは終身刑となりショーシャンク刑務所に送られて来ます。

 


刑務所には暴力主任刑務官のハドリーや悪徳所長のノートンがいて必ずしも良い環境とは言えませんでした。

 


しかもアンディは他の囚人から頻繁に暴行を受けたりしていました。

 


そんな中でもアンディは希望を絶やさずに日々を過ごしていました。

 


アンディはある時、調達屋と呼ばれるレッドと親しくなり、彫刻用のハンマーを入手してもらいました。

 


徐々に他の囚人たちと交流を深めつつ、今度は暴力刑務官のハドリーの相続手続きを手伝って一目置かれるようになります。

 


元銀行員の経験を活かして刑務官の相談に乗っているうちに、今度はノートン所長の裏金の管理を任されるようになります。

 


次第にアンディは囚人から暴力を受けることもなくなり、図書室の蔵書を充実させたりと環境を改善していきます

 


絶望的な刑務所生活の中に希望をつかもうとするアンディの人生はどうなって行くのでしょうか?

 


是非、観てみてください。

 


ショーシャンク刑務所は映画を観る限りでは快適そうに見えます。

 


本も読めるし、映画も観られるし、差し入れも割と寛大に融通してくれます。

 


快適な刑務所というものに個人的には違和感を感じますが、人権問題としては許容するべきなのでしょう。

 


原作者はスティーブン・キングで、前回紹介したグリーンマイルと同じです。

 


共に刑務所を題材としていますが、直感的には正反対の映画だと感じました。

 


ショーシャンクが希望を描いているなら、グリーンマイルは絶望を描いているという感じです。

 


共通する点もあります。

 


冤罪事件であることや、悪徳刑務官がいることです。

 


アメリカの警察権力が絶大であるというところは昔の方が酷かったようです。

 


さて、ショーシャンクの方では仮釈放に焦点が当てられています。

 


40年も50年も刑務所にいると外の世界が怖いというのです。

 


せっかく刑務所から出ても、また刑務所に戻りたいと思ってしまうのです。

 


その辺りの心理描写は秀逸だと思います。

 


私は長い間ブラック企業に勤めていましたが、辞めるのが怖くて抜け出せないでいました。

 


外の世界で生きていけないような気がしていたのです。

 


抜け出せないなら、環境を変えようと努力もしました。

 


その点はアンディと共感するところがあると思います。

 


アンディは従順に見えて、頑固でしたたかな面があり、忍耐と不屈の精神を持っていました。

 


アンディの行動の結果が出た瞬間はスカッとします。

 


ノートン所長の裏金を管理して悪事の片棒を担いでいるので、決して完全なる善人とは言えないかもしれませんが、私はアンディを応援してしまいます。

 


映画の結末はなかなかの満足感が得られたと思います。

 


結末に向けての全体的な流れも完璧と言って良いでしょう。

 


さすがに人気No.1の映画だと感じました。

 


私も刑務所系の映画の中では1番面白いと思いました。

 


前途は多難かもしれませんが、アンディとレッドに希望があることを祈ってます。

グリーンマイル

 

 

第138回目はグリーンマイルです。

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1999年のアメリカ映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


ある日、テレビで「秘密の花園」という映画が放送されていました。

 


秘密の花園ってどんな話だっけ?」

私は何気なく母に尋ねました。

 


「伯父さんに引き取られた女の子が、鍵のかかった庭園を見つけるねん」

母があらすじを教えてくれた。

 


ふむふむ。

 


「そこでな、女の子が殺されんねん」

 


ん?

 


「犯人の黒人が刑務所に入れられて……その黒人が超能力で病気を治して……」

 


母よ、途中から話が「グリーンマイル」に変わっていますよ。

 


母は時々映画の話をしますが複数の話がゴッチャになっています。

 


そこがまた面白いのです。

 


さて、そんなグリーンマイルを観てみました。

 


舞台は1935年のアメリカの刑務所にある死刑囚監房です。

 


主人公は主任刑務官のポール・エッジコムです。

 


ポールは重度の尿管感染症を患っています。

 


その刑務所にジョン・コーフィーという大男が収監されてくるところから物語が始まります。

 


コーフィーは双子姉妹の幼女殺人の罪で死刑が確定していました。

 


ある日、コーフィーはポールの病気を不思議な力で治癒します。

 


死にかけていたネズミのミスター・ジングルスも助けます。

 


ポールはコーフィーの力を神の奇跡だと考えます。

 


それ故に、コーフィーの容疑が冤罪なのではないかと疑念を抱きます。

 


果たしてコーフィーは本当に犯人なのでしょうか?

 


機会があれば是非、観てみてください。

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188分の長い映画で、内容も結構重ためなので、ツラく感じる人もいるかもしれません。

 


根本的には人種差別と冤罪と警察の横暴というアメリカが抱えている問題を捉えています。

 


今の時代に観るのは良いかもしれません。

 


この映画は私にとって非常に難しい作品でした。

 


内容が難解であるという意味ではなく、どう感じて良いか解らないという感じなのです。

 


可哀想な感じはするのですが、泣いてはいけない映画だと思っています。

 


個人的には、ただ淡々と粛々と感情を押し殺して観るのが良いと思います。

 


刑務官が囚人と馴れ合ってはいけないという心情で観ているのだと思います。

 


だから、ポールが囚人に優しくしていると少し違和感を感じます。

 


死刑囚に情が移ってしまっては仕事に支障が出るじゃありませんか。

 


それに精神的に参ってしまうでしょう。

 


パーシーというコネで刑務官になった嫌な奴がいます。

 


パーシーは囚人に嫌がらせをしたりします。

 


そこまでしろとは言いませんが、もっとドライな関係でいるべきだと思いました。

 


仲良くしておいて、その手で死刑にするのだから、たまったもんじゃないです。

 


死刑になって可哀想な気もしますが、所詮は殺人犯なので、私は冷ややかに見送ろうと思います。

 


問題はコーフィーです。

 


冤罪の可能性があるのに死刑にしなければならないなんて……。

 


と言いたいところなんですが、私はコーフィーの死刑を黙認することにしました。

 


コーフィーの能力は神の奇跡ではなく、ただの超能力でした。

 


なぜならばコーフィーは殺人犯だからです。

 


相手は殺されて当然の奴でしたが、コーフィーが手を下すべきではなかったのです。

 


コーフィーに同情するべき点がないわけではないですが、義憤によって犯罪をいとわない性格でもあります。

 


もちろん超能力による殺人なので証拠もなければ立件も出来ないでしょう。

 


だからこの件で死刑になるべきではないのですが。

 


私はコーフィーの死刑を受け入れます。

 


だから私は泣きません。

 


この映画は死刑執行人の映画なので、その立場に立って観ると泣けません。

 


この映画を観て泣きそうな人はグッと涙をこらえて観てみてください。

 


その方がポールの気持ちに寄り添えるような気がします。

 


冷たいかな……。

アンドリューNDR114

 

 

第137回目はアンドリューNDR114です。

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1999年のアメリカのSF映画です。

 


*以降ネタバレ注意です。

 


私は結構アンドロイドものが好きです。

 


現実でもAI(人工知能)には非常に関心があります。

 


どこまで人間に近づけるのか?

 


あるいは人間を追い越してしまうのか?

 


興味があります。

 


そんな疑問に一つの結論を示したのが、アンドリューNDR114です。

 


アンドリューNDR114は私が最も観たいと思っていた映画の一つでした。

 


物語は近未来、リチャード・マーティンの家に家事代行ロボットNDR114が届くところから始まります。

 


リチャードの娘アマンダが「アンドロイド」を「アンドリュー」と聞き間違えたことから、NDR114はアンドリューと命名されます。

 


ある事件で故障してしまったアンドリューですが、修復後に想定外の想像力と創造力に目覚めます。

 


アンドリューが作った木彫りの馬に感心したリチャードは、アンドリューを時計職人として働かせます。

 


しかもその収益はアンドリューの財産として与えました。

 


莫大な財産を築いたアンドリューは、表情表現を豊かにできるようにアップグレードをしました。

 


それから、より人間に近づいたアンドリューは「自由」をリチャードから買おうとします。

 


しかし、リチャードはお金を受け取らず、アンドリューを自由にします。

 


その後アンドリューは仲間を探したり、より人間に近づく方法を探したりします。

 


果たしてアンドリューの探すものは見つかるのでしょうか?

 


というストーリーです。

 


私はこの映画が結構、好きになりました。

 


私の想像では究極の未来は人類は滅亡していて、生存しているのは機械化人間(サイボーグ)と人間型ロボット(アンドロイド)だけになっているのではないかと思っています。

 


当然、不老不死を手に入れた世界です。

 


その想像の一歩手前を描いた作品なのです。

 


人間は不老不死を求めて(人によってはですけど)機械化して行き、ロボットは逆に人間に近づくことを望んでいます。

 


私としては機械化して生きながらえたいですが、映画では人間は死を迎えるから人間なのだと言っている様に感じました。

 


物語は始まりから最後までで200年の時間が経過します。

 


当然リチャードは亡くなり、物語はひ孫の時代へと続いて行きます。

 


マーティン一家との死別があり、孤独を感じたアンドリューは人間になることを望みます。

 


アンドリューはロボットなので、人権も無ければ愛さえも認めてもらえません。

 


アンドリューが人間へとアップグレード(ダウングレードとも言える)してまで、手に入れるものは一体何なのでしょう。

 


機会があれば是非、観てみてください。

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私が観た人工知能系の映画の中では今のところ1番好きな映画かもしれません。

 


すみませんが、もう少しラストについて語ってしまいます。

 


*ネタバレ強めです。

 


ラストは映画的にも良い終わり方だったと思っています。

 


だから私はこの映画を否定したい気持ちは1ミリもありません。

 


しかし哲学的な面で私はアンドリューの考え方を否定したいと思います。

 


この映画の中では、ロボットは永遠の命があり、人間は限りある命だからこそ人間であるという哲学に基づいています。

 


というか映画の中の世界がそういう論調なのです。

 


銀河鉄道999にも、そういう考えが見受けられます。

 


しかし私はそれを否定したい。

 


死ぬのが人間ではありません。

 


生きようとするのが人間です。

 


死のうとするのは生きようとすることを奪われた人間です。

 


だから、私はアンドリューの考えを否定したい。

 


この映画の原作者はアイザック・アシモフです。

 


映画にも出てきますが「ロボット三原則」というものがあります。

 


第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。

第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。

第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

 

ウィキペディアより抜粋

 

 

 

これがロボットが守らなければならない原則です。

 


すなわち、これが守れないロボットはロボットではないのです。

 


「アンドリュー、君はずっと前から人間だったんだよ」

 


と、私はアンドリューに言ってあげたい。

 


生きられるならば、生きていて欲しい。

 


そう思うだけです。

 


ちょっと雰囲気でどんなラストか解ってしまったかもしれませんが、是非ラストを観て欲しいです。

 


この日記は一応、オススメの映画を紹介するというテイで書いています。

 


これまでに、この日記がキッカケで映画を観てみたという人はおられますでしょうか?

 


だとしたら

 


「お役に立てれば、幸いです」

            アンドリューより